異世界管理を拳で!~ラノベのラの字も知らないまじめな不良が異世界に転生したら~

310番

文字の大きさ
9 / 16

七日目

 朝起きて朝食を食べ終えて部屋で荷物を整理し終えたころ、ベンケンさんが迎えに来た。
 今一度ツボネさんに挨拶をすると、拳は転移所へ向かった。
 転移所では石の床の上に魔法陣が刻まれていた。

 「では参りましょう。」

 ベンケンさんの足元が光始めると拳たちは転送された。

 「つきましたぞ。」
 「早いですね!」
 二人が部屋をでると大きな喧騒がした。

 「これが町か。すごい。」

 町は村とは異なり人であふれていた。

 「お客さんいい肉が入ってるよ!」
 「流行の服が入荷したよ!」
 「ビールはいかがっすかー!」

 商人も客寄せで大声をあげていた。

 「拳殿、町を見て回りたいかもしれませぬが一旦市役所へ行かせてもらいますぞ。」
 「了解です。」

 拳は後ろ髪をひかれつつも町役場へと向かった。
 町役場に着くと受付のお兄さんに声を掛けられる。

 「ベンケンさんお戻りですか?ヨシツネン様は?」
 「ひさしいの、ちょっとな。すまんが市長につないでくれ。後ろの方も一緒じゃ。」
 
 「失礼ですが、どなたでしょうか。」
 「うむ。儂の知り合いで今回の件で重要な関係者とだけ伝えてほしいのじゃ。」
 「承知しました。少々お待ちを・・・はい、今から会えるそうです。」
 「すまんの。では、拳殿行きましょう。」

 そうして二人は市長のもとへと向かった。

 コンコンコン

 「どうぞ。」
 「失礼いたしますじゃ。」

 市長の部屋には秘書と思しき起立した男性と椅子に座る男性がいた。
 「おおベンケン久しいの。そちらの方が拳どのか?」
 「はいですじゃ。」
 「初めまして、佐藤拳と申します。」
 
「早速ですが、今回の顛末を教えていただきたい。」
 拳とベンケンは事件のことを話した。
「まずは、拳殿弟を助けていただきありがとうございます。して、魔物化の薬かこれは大変なことだぞ。捜索するにも手掛かりがないとなると・・・」

 これは彼岸という組織であることを伝えるべきなのだろうか。神様の助言とか詐欺臭いし下手したら俺が怪しまれる。うーん、ここは様子をみよう。

 「とりあえず、ヨシツネンは治療を最優先としよう。幸い他の候補者は無事に帰還しているし、なんとかなろう。ベンケンについてはヨシツネンの意識を目覚めさせるためにここをでてもらいたい。ヨシツネンの搬送はこちらで行おう。」
 「承知しましたじゃ。」

 「あのー、それって俺も協力していいでしょうか?」
 「え?良いのですか?」
 「そうですじゃ、いつまでかかるかわからん旅になりますぞ。」
 「ええ、構いません。放浪の旅ですので。ただ、一度拳県にはいきたいですが。」
 
 「それはちょうどいいですじゃ。拳県は私が直ぐに向かおうと思っていた場所です。拳県は接近戦をメインにするものが多い故けが人が多く、医療が発達しているのですじゃ。」
 「ほんとですか?ぜひお願いしたいです。」
 「では、拳殿よろしくお願いします。」

 「ところで、軍部の方は平気なんですか?てっきりベンケンさんが代理とか思っていたんですが?」
 「ん?ああ、それは大丈夫ですよ。副官はベンケンとは異なる者ですから、ベンケンはヨシツネンが試練を受けるための補佐に過ぎないので。」

 「そうなのですね、わかりました。では、いつ頃出発しますか?」
 「そうですな、私はヨシツネン様の搬送の手伝い等もありますし、3日後でどうでしょうか?」
 「わかりました。」
 
 「拳殿宿が決まっていないならこちらで手配しようと思うのですが、どうでしょう?」
 「助かります。お願いします。」
 「翁、頼む。」
 「承知しました。」

 あの秘書さん翁っていうのか。

 そのまま拳たちは解散した。拳は翁さんとともに宿「剣月」に向かった。
 「拳殿は今何歳ですかな?」
 「18です。」
 
 「ほう、そのような若さで小松級の力があるとは相当才能をお持ちのようですな。」
 「いや、そんなことないですよ?」
 「ご謙遜を。件の戦いの相手は、ベンケンを苦戦させたほど。それを倒すとなれば小松はないと倒せませんぞ?ベンケンはギルドでは竹ということになっておりますが、それは本人が市の依頼を専門に行っているからであって、実際は小松級はあるのですじゃ。」

 え?そうなの?これもしかして素性がばれるピンチ?

 「ま、まあベンケンさんが魔物の隙を作ってくれたにすぎませんよ。」
 「ほっほ、その若さで決して油断しない心意気、我が国の若兵にも見習わせたいですな。そうですじゃ、もしよろしければ明日群の格闘訓練に参加なされてはどうでしょうか?もちろん素手のみの訓練ですぞ?」

 おお、この国の拳闘技術も学べるかもしれない!

 「いいんですか?」
 「もちろんですじゃ、実は今ヨシツネン様の代理人は私なのです。では、明日使いの物を宿に派遣しますので、宿で待機していただいてよろしいですかな?10時頃には到着するはずですので。」
「わかりました。よろしくお願いします。」

 そんなこんなで拳と翁が話し込んでいるうちに二人は宿に到着した。

 「いらっしゃいませ。ご宿泊ですか?」
 「うむ。こちらの方に最上級の部屋を3泊頼みたい。」
 「え?ちょっ、翁さんそんなの悪いですよ!」
 
 「気にせんでいいのです。これも殿の感謝の気持ち故、受け取っていただきたい。」
 「はぁ、わかりました。」
 「お客様、よろしいですか?」
 「うむ。」

 そういうと、翁さんは必要な記載を済ませ、そのまま帰っていった。
 「では、お部屋に案内いたします。」
 「お願いします。」

 剣が案内された部屋は10畳ほどのワンルームだった。風呂・トイレ別、独立洗面台あり、また、洗濯サービスもあった。食事は朝夕の二食、魚か肉か選べるらしい。拳は朝は魚、夜は肉をメインに頼んだ。また、洗濯サービスも早速利用した。明日の朝には終わっているらしい。

 「流石一泊金貨2枚するだけあるな。洗濯サービスは地味にうれしいな。」

 

 拳は部屋を出て昼食を食べに向かい、屋台でピタパンに野菜、肉を挟んだ物を食べた。そのあとは武器屋に向かった。メリケンよりもよい武器を求めて。

 「こんにちは、拳闘士の装備が欲しいのですが、何かありますか?」
 「拳闘士?こりゃまた珍しい客だな。ちょっと待ってな。」

 そういうと店主は店の奥から木箱を持ってきた。

 ガシャン!

 「ほい、これで家の取り扱ってるの全部だ。気が済むまで見てってくれ。」

 そういうと、店主は店番に戻っていった。

 メリケンと棘付きメリケン、おっ!これは籠手か。メリケンよりも防御は出来そうだな。あれ、色が違う。ちょっと聞いてみるか。

 「すいません、この赤い籠手はなにか違うんですか?」
 「ああ、そりゃ、第一火術が入っているせいだな。火拳の籠手って商品だ。ちなみに銀貨20枚だ。

 おおー火術が使えるのか。それは便利だな。でも、俺って術で攻撃できないし使えるのかな?試したいな。

 「あのー試しに火術つかってみても?」

 「おおいいぞ。裏に武器を試しにつかう場所があるからな。」

 そういうと拳は店の裏で早速試してみた。よくわからんが使おうと思えば使えるらしい。
 
 火拳!・・・・・・
 
 発動はしなかった。
 「そうだよな、これで使えたら制限の意味ないもんなあ」
 
 この後拳は銀貨15枚で普通の籠手を買い宿に戻った。
 宿で食事をしたのち拳は風呂に入り寝た。
 明日の訓練楽しみだなあ。
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。