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九日目
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朝食事をしているとベンケンがやってきた。
「拳殿、おはようございますじゃ。」
「ベンケンさんおはようございます。」
「今日からしばらくの間よろしくお願いしますじゃ。」
「こちらこそ。ところで、拳県にはどうやって行くのですか?」
「馬車ですぞ。約10日ほどの旅になりますな。ここから第三拳村へ行き第三拳町に転移、そして、拳市に行き腕のいい医師を探すことになると思いますじゃ。」
「了解です。ヨシツネンさんを治すことができる人が見つかるといいですね。」
「きっと見つかりましょうぞ。なぜかわかりませんが拳殿がいればなんとかなる。そんな気がするのですじゃ。」
「あはは、そう思ってもらえるなら幸いです。」
拳は食事を終えると荷物を馬車に移し宿をでた。外ではヨリトモンと翁がいた。
「拳殿よろしくお願いします。」
「拳殿、よろしくお願いしますじゃ。」
「はい、任せてください!」
「では、ヨリトモン様、翁様行ってきますじゃ。」
そういうと、二人は第三拳村へと向かった。
二人が馬車で移動して3時間ほどたったころである。
ドーンドドドドーン
周囲に爆発音が響く。
「ベンケンさんなんの音でしょう?」
「多分火術を誰かが使用したのでしょう。魔物と戦っているのかもしれませぬ。」
すると拳たちの先に馬車がとまりコブラのような魔物数匹と探索者と思われる人たちが戦っていた。
「おい、こっちにも援護を頼む。」
「わかったわ。火の玉!」
ドーン!
「キシャー!」
女性の攻撃はコブラをひるませる。
「ハッ!」
そのすきを男は見逃さず剣で切りつける。
「私の方も援護頼むわ~♡」
ともう一人のガチムチがいうと女性はまた火の玉を放つ。そして、もう一体の魔物にも隙が生まれる。
「ウオリャー!」
ガチムチはやりで魔物の顔を一突きした。
「キ、キシャー・・・」
すると魔物は倒れた。
「よし、あと一体だ!」
「で、でもあれは王(おう)扇(おうぎ)蛇(へび)よ、私たちの攻撃が簡単に通るとは思えないわ!ここは撤退すべきよ。」
「しかし、このまま町へ向かわせれば被害が出るかもしれない。」
「ふふ、なかなかいいこころがけねぇ。でも、勇気と無謀は違うんじゃないかしら?♡」
そんな話をしているころ、拳とベンケン彼らのもとにたどり着いた。
「俺たちは探索者です。よろしければお手伝いします!」
「本当?たすかるわぁ♡」
「助かります!もし宜しければ私が精神力を高めている間やつの気を引いていただけないでしょうか?私の中級火術炎(えん)柱(ちゅう)なら奴の硬い皮膚ににダメージを与えることができます。」
「わかりました。任せてください。」
「君武器は?」
「僕は拳闘士です。」
「なるほど、ゆえに身のこなしに自身があるわけだ!」
「はい!ベンケンさんもよろしいですか?」
「うむ。」
「じゃあ援軍さんたちと私で気を引くわ、剣の君はパートナーの女の子を守ってねぇ♡」
「あ、ああ。わかった。」
「では行きます!」
そういうと拳は走り出す。
蛇は拳に噛み付こうと体を伸ばすも拳はそれをあっさりと回避そして崩を2発打ち込むさらにベンケンが切りつける。
「キシャー!」
蛇はのたうちまわり拳は近づくことができない!
「あらー、異常に痛がってるじゃない。でもこれは好機ねぇ、私の槍なら射程距離内だわ。くらいなさぁい、槍技怠(だ)槍(そう)♡」
そういうとガチムチはやりを投げつける!槍が魔物の胴体にささると魔物の動きは急に鈍くなった。
「私の技で体が怠くなっているはずよぉ。あとは術師ちゃんに近づけないようにしましょう♡」
「「了解です(じゃ)。」」
そのあと拳たちは魔物をけん制するにとどめる。旅はまだ長い。無駄な消耗を避けるためだ。
「完了しました!離れてください!」
その合図とともに拳たちは離れる
「炎柱!」
掛け声とともに大きな火柱が魔物を包み込む。
「ギシャーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
プスプスプス
魔物は断末魔をあげ黒焦げになり絶命した。
「ありがとう助かった。」
「本当に助かりました。」
「いえいえ、お気にせず。」
「何かお礼をしたいのですが、あいにく手持ちがありません。食料等でよいでしょうか?」
「いえ、構いません。当然のことをしたまでなので。」
「私もいいわあん。どうしてもというならもらうけど、お兄さんのカ・ラ・ダ♡」
「そ、それはちょっと・・・」
剣士の冒険者は震えながらいった。
「あれ、お三方は仲間ではなかったのですな。」
「はい、私たちは仲間で今回の扇蛇の討伐依頼に出ていたのですが、そちらの槍士さんは通りがかったところを助けてくれたのです。」
「まあでも私も若干心もとなかったし、お兄さんたちの助太刀は助かったわぁ♡」
「そうですか(なんか寒気が)。」
「ところで私たちの自己紹介がまだでしたね。私はモブ太郎、彼女はモブ美です。」
「私はクフリンよ♡」
「ベンケンじゃ。」
「佐藤拳です。」
「ベンケン?もしかして100人狩の?」
「その二つ名は恥ずかしいのだが・・・」
「あらぁすごい人と面識もっちゃたかしらぁ♡」
「ベンケンさん100人狩とは?」
「拳くん知らないんですか?ベンケンさんは昔剣国を流浪して100人の名のある剣士達を倒しているんですよ!」
「ええ!そうだったんですか!」
「若気の至りというやつですじゃ。もっとも主には完敗でしたがの。ハッハッハ。」
うわーヨシツネンさんやっぱすげー強いんだ。でもそうなるとあれについての疑問が深まるばかりだ。
拳の疑問とはなぜヨシツネンに魔物化薬が飲まされたかということである。ヨシツネンの実力は松級、トップクラスの実力者である。そのヨシツネンに薬を飲ませるのは並大抵のことではないはずである。経口摂取か、注射等で外部から強制的に摂取させたか、いずれにせよ簡単なことではないように拳は思っていたのだ。
やはり彼岸については早急に解決する必要がある。そうであれば俺のことを話せる仲間を作らなきゃならねぇ。
「では、僕たちはそろそろ町に戻ろうと思います。」
「私は槍県への旅の途中だし、よかったら拳ちゃん達についていってもいいかしら。これでも竹級だしそこまで弱くはないわよん♡」
ササーッ・・・
クフリンさんは俺のケツを見ながらそう提案してきた。
「ど、どうしますかベンケンさん?(断ってくれー!俺の貞操のピンチを感じる!)」
「ふむ、槍県であれば拳県の先。とすれば方向は同じですな。幸い馬車に後一人分は余裕があります。それに彼の者の実力派先ほど見た通りですし、竹級とあればこちらもこころ強い。儂は、構わんですぞ。」
ノオォォォォォォォォーーーーーー!
「わ、わかりました。クフリンさんよろしくおねがいします。」
「よろしくね、ケ・ン・ちゃん♡」
うう、頑張れ俺。
そして、カップル探索者と別れた拳たちは先を急ぐのであった。
数時間後すでに夕暮れである。
「そろそろ野営の準備しましょ♡」
「そうですな。」
「了解です。」
拳たちは野営の準備を始めた。
「ケンちゃん達火の準備をお願い私は食材の下ごしらえをするわ。」
「でしたら食料は馬車に積んであるものを使ってくださって結構じゃ。」
「じゃあ、お言葉に甘えるわ、あらおっきなキノコねぇ腕がなるわぁ♡」
何だろう、なんか嫌だ。具体的に何が嫌かは言えないがなんか嫌だ。
拳たちは兎を見つけて仕留めた。それをクフリンに渡す。
「あら、干し肉を使おうと思ったけどこの兎ちゃんいただいちゃいましょうか。ありがとう拳ちゃん♡」
ブルブル
拳はクフリンにまだ慣れていないようだ。
「できたわよー今日は兎とキノコのスープよ♡」
「おお、うまそうじゃ。」
食卓にはスープとパンが並ぶ。やはり遠出で米はきついらしい。糒(ほしいい)を作るべきか拳は悩んだ。
「「「いただきます。」」」
うめー、なんだこれ味付け抜群じゃん、この前の宿級だぞこれ。
「クフリンさん旨いです!」
「お気に召してもらえてよかったわぁ。まだあるからねぇ♡」
食事を済ませると三人は食器を片付ける。
「汚れものはどうしますか?」
「儂が水術を使える故洗っておきましょう。水術、水玉」
「じゃあ、私は風術で乾かすわ♡風術、風玉」
ジェット乾燥のように木の器と鉄鍋の水が吹き飛ばされる。
「すいません俺、術まだ何も覚えてなくて。」
「いやいや術は修業が必要ですしな。お気になさらず。」
ああ、術って俺はいつ使えるんだろう。
片付けが終わると三人は就寝した。明日は日が出たら出発だ。
明日も平和であるといいなと願いつつ拳は眠りについた。
「拳殿、おはようございますじゃ。」
「ベンケンさんおはようございます。」
「今日からしばらくの間よろしくお願いしますじゃ。」
「こちらこそ。ところで、拳県にはどうやって行くのですか?」
「馬車ですぞ。約10日ほどの旅になりますな。ここから第三拳村へ行き第三拳町に転移、そして、拳市に行き腕のいい医師を探すことになると思いますじゃ。」
「了解です。ヨシツネンさんを治すことができる人が見つかるといいですね。」
「きっと見つかりましょうぞ。なぜかわかりませんが拳殿がいればなんとかなる。そんな気がするのですじゃ。」
「あはは、そう思ってもらえるなら幸いです。」
拳は食事を終えると荷物を馬車に移し宿をでた。外ではヨリトモンと翁がいた。
「拳殿よろしくお願いします。」
「拳殿、よろしくお願いしますじゃ。」
「はい、任せてください!」
「では、ヨリトモン様、翁様行ってきますじゃ。」
そういうと、二人は第三拳村へと向かった。
二人が馬車で移動して3時間ほどたったころである。
ドーンドドドドーン
周囲に爆発音が響く。
「ベンケンさんなんの音でしょう?」
「多分火術を誰かが使用したのでしょう。魔物と戦っているのかもしれませぬ。」
すると拳たちの先に馬車がとまりコブラのような魔物数匹と探索者と思われる人たちが戦っていた。
「おい、こっちにも援護を頼む。」
「わかったわ。火の玉!」
ドーン!
「キシャー!」
女性の攻撃はコブラをひるませる。
「ハッ!」
そのすきを男は見逃さず剣で切りつける。
「私の方も援護頼むわ~♡」
ともう一人のガチムチがいうと女性はまた火の玉を放つ。そして、もう一体の魔物にも隙が生まれる。
「ウオリャー!」
ガチムチはやりで魔物の顔を一突きした。
「キ、キシャー・・・」
すると魔物は倒れた。
「よし、あと一体だ!」
「で、でもあれは王(おう)扇(おうぎ)蛇(へび)よ、私たちの攻撃が簡単に通るとは思えないわ!ここは撤退すべきよ。」
「しかし、このまま町へ向かわせれば被害が出るかもしれない。」
「ふふ、なかなかいいこころがけねぇ。でも、勇気と無謀は違うんじゃないかしら?♡」
そんな話をしているころ、拳とベンケン彼らのもとにたどり着いた。
「俺たちは探索者です。よろしければお手伝いします!」
「本当?たすかるわぁ♡」
「助かります!もし宜しければ私が精神力を高めている間やつの気を引いていただけないでしょうか?私の中級火術炎(えん)柱(ちゅう)なら奴の硬い皮膚ににダメージを与えることができます。」
「わかりました。任せてください。」
「君武器は?」
「僕は拳闘士です。」
「なるほど、ゆえに身のこなしに自身があるわけだ!」
「はい!ベンケンさんもよろしいですか?」
「うむ。」
「じゃあ援軍さんたちと私で気を引くわ、剣の君はパートナーの女の子を守ってねぇ♡」
「あ、ああ。わかった。」
「では行きます!」
そういうと拳は走り出す。
蛇は拳に噛み付こうと体を伸ばすも拳はそれをあっさりと回避そして崩を2発打ち込むさらにベンケンが切りつける。
「キシャー!」
蛇はのたうちまわり拳は近づくことができない!
「あらー、異常に痛がってるじゃない。でもこれは好機ねぇ、私の槍なら射程距離内だわ。くらいなさぁい、槍技怠(だ)槍(そう)♡」
そういうとガチムチはやりを投げつける!槍が魔物の胴体にささると魔物の動きは急に鈍くなった。
「私の技で体が怠くなっているはずよぉ。あとは術師ちゃんに近づけないようにしましょう♡」
「「了解です(じゃ)。」」
そのあと拳たちは魔物をけん制するにとどめる。旅はまだ長い。無駄な消耗を避けるためだ。
「完了しました!離れてください!」
その合図とともに拳たちは離れる
「炎柱!」
掛け声とともに大きな火柱が魔物を包み込む。
「ギシャーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
プスプスプス
魔物は断末魔をあげ黒焦げになり絶命した。
「ありがとう助かった。」
「本当に助かりました。」
「いえいえ、お気にせず。」
「何かお礼をしたいのですが、あいにく手持ちがありません。食料等でよいでしょうか?」
「いえ、構いません。当然のことをしたまでなので。」
「私もいいわあん。どうしてもというならもらうけど、お兄さんのカ・ラ・ダ♡」
「そ、それはちょっと・・・」
剣士の冒険者は震えながらいった。
「あれ、お三方は仲間ではなかったのですな。」
「はい、私たちは仲間で今回の扇蛇の討伐依頼に出ていたのですが、そちらの槍士さんは通りがかったところを助けてくれたのです。」
「まあでも私も若干心もとなかったし、お兄さんたちの助太刀は助かったわぁ♡」
「そうですか(なんか寒気が)。」
「ところで私たちの自己紹介がまだでしたね。私はモブ太郎、彼女はモブ美です。」
「私はクフリンよ♡」
「ベンケンじゃ。」
「佐藤拳です。」
「ベンケン?もしかして100人狩の?」
「その二つ名は恥ずかしいのだが・・・」
「あらぁすごい人と面識もっちゃたかしらぁ♡」
「ベンケンさん100人狩とは?」
「拳くん知らないんですか?ベンケンさんは昔剣国を流浪して100人の名のある剣士達を倒しているんですよ!」
「ええ!そうだったんですか!」
「若気の至りというやつですじゃ。もっとも主には完敗でしたがの。ハッハッハ。」
うわーヨシツネンさんやっぱすげー強いんだ。でもそうなるとあれについての疑問が深まるばかりだ。
拳の疑問とはなぜヨシツネンに魔物化薬が飲まされたかということである。ヨシツネンの実力は松級、トップクラスの実力者である。そのヨシツネンに薬を飲ませるのは並大抵のことではないはずである。経口摂取か、注射等で外部から強制的に摂取させたか、いずれにせよ簡単なことではないように拳は思っていたのだ。
やはり彼岸については早急に解決する必要がある。そうであれば俺のことを話せる仲間を作らなきゃならねぇ。
「では、僕たちはそろそろ町に戻ろうと思います。」
「私は槍県への旅の途中だし、よかったら拳ちゃん達についていってもいいかしら。これでも竹級だしそこまで弱くはないわよん♡」
ササーッ・・・
クフリンさんは俺のケツを見ながらそう提案してきた。
「ど、どうしますかベンケンさん?(断ってくれー!俺の貞操のピンチを感じる!)」
「ふむ、槍県であれば拳県の先。とすれば方向は同じですな。幸い馬車に後一人分は余裕があります。それに彼の者の実力派先ほど見た通りですし、竹級とあればこちらもこころ強い。儂は、構わんですぞ。」
ノオォォォォォォォォーーーーーー!
「わ、わかりました。クフリンさんよろしくおねがいします。」
「よろしくね、ケ・ン・ちゃん♡」
うう、頑張れ俺。
そして、カップル探索者と別れた拳たちは先を急ぐのであった。
数時間後すでに夕暮れである。
「そろそろ野営の準備しましょ♡」
「そうですな。」
「了解です。」
拳たちは野営の準備を始めた。
「ケンちゃん達火の準備をお願い私は食材の下ごしらえをするわ。」
「でしたら食料は馬車に積んであるものを使ってくださって結構じゃ。」
「じゃあ、お言葉に甘えるわ、あらおっきなキノコねぇ腕がなるわぁ♡」
何だろう、なんか嫌だ。具体的に何が嫌かは言えないがなんか嫌だ。
拳たちは兎を見つけて仕留めた。それをクフリンに渡す。
「あら、干し肉を使おうと思ったけどこの兎ちゃんいただいちゃいましょうか。ありがとう拳ちゃん♡」
ブルブル
拳はクフリンにまだ慣れていないようだ。
「できたわよー今日は兎とキノコのスープよ♡」
「おお、うまそうじゃ。」
食卓にはスープとパンが並ぶ。やはり遠出で米はきついらしい。糒(ほしいい)を作るべきか拳は悩んだ。
「「「いただきます。」」」
うめー、なんだこれ味付け抜群じゃん、この前の宿級だぞこれ。
「クフリンさん旨いです!」
「お気に召してもらえてよかったわぁ。まだあるからねぇ♡」
食事を済ませると三人は食器を片付ける。
「汚れものはどうしますか?」
「儂が水術を使える故洗っておきましょう。水術、水玉」
「じゃあ、私は風術で乾かすわ♡風術、風玉」
ジェット乾燥のように木の器と鉄鍋の水が吹き飛ばされる。
「すいません俺、術まだ何も覚えてなくて。」
「いやいや術は修業が必要ですしな。お気になさらず。」
ああ、術って俺はいつ使えるんだろう。
片付けが終わると三人は就寝した。明日は日が出たら出発だ。
明日も平和であるといいなと願いつつ拳は眠りについた。
応援ありがとうございます!
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