異世界管理を拳で!~ラノベのラの字も知らないまじめな不良が異世界に転生したら~

310番

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十四日目

拳達は起きると朝食を済ませ移動を開始した。移動を開始して丁度正午になったころである。

「拳殿どうやら村に着いたようですじゃ。」
「ほんとですね、無事についてよかったぁ。」
「あらぁじゃあ、私たちはここでいったんお別れかしら。♡」
「ああ、クフリンさんは町や市に用事はないんですね。もう少し一緒に訓練とかしたかったんですけど、残念です。」
「そういってもらえると嬉しいわ。きっとまたどこかで会うだろうしその時は武器ありで訓練しましょ。♡」
「はい!」
「とりあえず、宿を取りにいきますじゃ。そのあと、転移所にいって申請してきますじゃ。」
「あら、私も今日はここで一泊していくわ。♡」

そうして、拳達は宿屋に向かい三部屋をとった。宿屋の名は拳夢だ。

「では、拳殿転移所に行きましょうぞ。」

拳とベンケンは転移所に向かった。

「すまんが第三拳町まで転移をお願いしたい。」
「はい、身分証明書をお願いできますか?」
「うむ。それと、第一剣町町長からじゃ。」

そういうとベンケンは一枚の紙を担当者に渡した。

「ふむふむ、なるほど、市へショートカットしたいということですね。わかりましたその旨申請しておきます。しかし、馬車ごとの申請なのですぐにとはいかないと思います。申請結果は明日までにわかると思いますので、明日改めてお昼以降に来ていただいていいでしょうか?」
「承知したのじゃ。拳殿待ってる間に探索者として依頼をこなしませんかの?」
「いいですね!どうせならクフリンさんも誘ってみませんか?」
「そうしましょうぞ。」

拳達は転移所を後にし、クフリンを誘いに宿に戻った。

コンコン

「クフリンさんいますか?拳です。」
「あら、拳ちゃんどうしたの?♡」
「これからベンケンさんと依頼を受けるんですが、一緒にどうかなと。」
「あらいいわね。私も暇してたのよ。♡」
「では行きましょう。」

拳達は登録所に向かった。
拳達は登録所に着くと依頼を見ていく。そんな中気になる依頼があった。

『祠付近で目撃された謎の魔物の調査 報酬金貨1枚』

「これ、どうです?竹級ですし丁度いいかと思うんですが。」
「いいですぞ。」
「同じくよ。♡」
「じゃあ、受注してきます。」

そういうと拳は受付に向かう。

「これお願いします。」
「はい、わかりました。こちらの依頼は期限なし、違約金もありません。詳細としていますが、討伐しても達成となります。」
「この魔物の特徴とかわかっていますか?」
「はい、見たことない黒い獣とのことです。ここら辺の魔物で黒い獣は今まで発見されていないので黒ければそれが件の魔物化と思われます。」
「なるほど、わかりました。」

そして、受注が完了すると、拳達は森にある祠へ向かった。

「黒い魔物ねぇ、熊とか狼の類かしらねぇ♡」
「しかし、黒いとなるとなかなか上位の魔物しかおらんと思うのですがのぉ。」
「そうねぇ。だとしたら厄介かもね。でも、二人と一緒なら何とかなっちゃう気がするわ。♡」
こうして拳たちは森をずんずんと進んでいった。道中で小鬼にも遭遇したが各々がばっさばっさと討伐していった。

「小鬼ばかりね。黒いのはどこかしら?♡」
「クフリンさんしゃがんで!」

っ!?

拳がそういうとクフリンはさっとしゃがんだ。するとそこを黒い何かが通り過ぎ、草むらに消えた。

「どうやら件の魔物のお出ましらしいの。」
「拳ちゃんありがとう。危なかったわ。♡」
「いや、偶然何か気の陰から見えたもので。」
「ここはひとつ姿を現わしてもらいましょう。突風!」

そういうとクフリンは草むらに向かった手風の術を放つ。

「儂も援護しましょう。岩弾!」

バシュバシュバシュバシュ

ベンケンはクフリンの風下に向かって岩の玉を放つ。風により勢いを増した岩は草を吹き飛ばしていく。
すると、黒い高まり草むらから飛び出してきた!

「グルルルルルル」

「あれは黒狼ですじゃ!狼の魔物で小竹級というところですな。しかし、あれほど早くはなかったはず?」

ベンケンが不思議がっていると急に魔物は黒く発光し始めた。

「まさか!身体強化の術を使用しているのかしら?♡」
「なるほど、そうであればあの速さは納得ですじゃ。」
「どうやって倒しますか?」
「私とベンケンちゃんの術でけん制しつつ隙を見て拳ちゃんやっちゃってもらえる?速さでついていけそうなの拳ちゃんだけだし♡」
「了解です。」
「では行きますぞ。拳殿の方に誘導して見せますじゃ。」

そういうと、拳は狼が隠れにくい遮蔽物がない平地に移動を始める。クフリンとベンケンは先ほどの術の連携で魔物を誘導する。

「おら、来いよ犬っころ!」
「グルルルル!」

拳の挑発が効いたのか、ベンケン達を危険と判断したのかは不明であるが、魔物は拳に向かってきた!

シュン!

魔物は飛びついてくるも拳はそれを高い動体視力で見切り躱していく。もっとも、その速さ故拳も攻撃を当てられない。

「ベンケンさんすいません。ちょっと攻撃当てるのきついです。僕の方に誘導するので突進するタイミングで僕の目の間に壁作ってもらえたりできませんか?」

「了解ですじゃ!」
そういうと拳は魔物に向けて当てる気もないジャブでけん制し、魔物の注意を惹く。すると魔物は後方へ下がり、ぐっとためを作る仕草をした。

「今です!」
「土壁!」

ベンケンが土壁を作ろうとしたタイミングで魔物は飛び出した!

「魔物ちゃん!もっと勢い付けたげる♡突風!」

魔物はさらに勢いが強くなる。そしてその勢いそのまま壁に突っ込んでいった。

ドーン!
ものすごい音とともに土の壁が崩れ落ち、魔物は気を失った。

「御免!」

ザシュ!
そういうとベンケンは魔物の首を切り落とした。

「お疲れさまでした。」
「お疲れ様。♡」
「依頼達成ですな。しかし、術持ちのしかも、ここらで分布していない魔物に遭遇するとは。」
「多分だけど狼が魔物を食べて進化したのね。♡」
「え?動物って魔物に進化するんですか?」
「ええ、本来魔物は食べられないの。他の生物にとっては毒なのよ。でもまれにそれに順応してしまうときがあるの。そうすると、その生物は魔物化するわ。♡」
「魔物化・・・それって人もするんですかね?」

ちらっとベンケンと拳の視線が交差する。

「可能性は無きにしもあらずだけど、そんな例は聞いたことがないわね。一度戦争で飢えをしのぐために食べた人たちは全員死亡したとも聞くし。♡」
「そうですか。」

でも、彼岸が魔物から魔物化薬を作った可能性があるな。

そんな可能性を頭に入れつつ拳達は黒狼の死体を麻袋に入れると村へ戻った。
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