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5.ロベルト・シュンク ヤーパン紀行
5.ロベルト・シュンク ヤーパン紀行⑤
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「さて、腹も膨れたし踊ってくるか」
黒田さんが財布を背広の内ポケットに入れながら立ち上がる。
え? 踊る?
ここはクラブか?
「良いねぇ。私も行こう」
野崎課長も笑いながら立ち上がった。
「踊るアホゥに見るアホゥ」
「同じアホなら踊らにゃ損ソン」
楽しそうに二人は席を外す。
私は慌てて追いかけて(もちろん財布は持っている)
「すみません。『踊る』って何ですか?」
と、訊ねた。
「盆踊りだよ。あそこで踊っているだろ」
黒田さんがホームの中程で踊っている人達を指さす。
確かに浴衣姿の店員さんに混じっていろんな服装の人が踊っている。
「踊りの振りを知っているんですか?」
「イヤ、全く知らない」
"ガクン"
私は思わずズッコケた。
「知らないのに踊るんですか?」
いつの間にか側にやってきたジャンが問いかける。
「そうだよ。そんな難しい振りじゃないし…」
「見よう見真似で踊れるよ」
いつのまにかホームに降りた私達はしっかり踊るメンバーになっていた。
野崎課長が踊っていた店員さんと店員さんの間に入る。
店員さんはイヤな素振りすら全く見せず、場所をさりげなく空けてくれた。
私も踊りの輪に入ってみよう。
…なるほど……
踊りの振りは確かに単純なので直ぐに踊れるようになった。
ふふふ…
楽しいなぁ……
音楽に合わせて腕を伸ばし…肘を曲げ……
数歩進んでは…少し下がり……膝を曲げ……
腕を広げ…片足だけ伸ばし……
単純な動きで音楽に合わせて輪になって進む。
ふふふ…
そろっているんだかいないんだか訳がわからない。
訳はわからないが楽しい!
所々で似たようなYシャツ姿の男性がめちゃくちゃな振りで踊っている。
キツネ人間姿の女性が振りを教えながら一緒に踊る。
ボンヤリとした照明と相まって何と幻想的な光景なんだろう……
そして何より間違ったからと言って誰も咎めない。
これはかなり重要だ!
少しぐらいタイミングが遅れても誰も笑わない。
いちいち指摘しない。
なんでも有るものとしてあるがままに受け入れる。
混沌で有りながら一体感も感じる。
【これが 日本だ!】
ひとしきり踊って疲れた我々はホームに設置されたバーで休憩することにした。
「いやぁ~…こんなところで夏祭りを楽しめるなんて思ってなかったよ」
野崎課長が一番嬉しそうだ。
「私もこんなイベントをやっているなんて知りませんでしたから…」
黒田さんも満足気だ。
バーカウンター仕様になっている為に駅限定のカクテルや黒ビール・ワインまで有って嬉しい限り。
もちろん私は黒ビールを頼んだ。
ジャンは白ワインを楽しんでいる。
なんか…
やっと…日本文化のもっと深いところに触れられた気がする……。
見るもの…聞くこと…
知っていたようで知らなかった。
うん、実際に有る地域の小さなお祭りを調べてみよう。
金魚すくいだってしてみたい。
せっかく日本にいるんだから日本ならではの体験しなければ!
私は改めて決意した。
5.ロベルト・シュンク ヤーパン紀行 了
黒田さんが財布を背広の内ポケットに入れながら立ち上がる。
え? 踊る?
ここはクラブか?
「良いねぇ。私も行こう」
野崎課長も笑いながら立ち上がった。
「踊るアホゥに見るアホゥ」
「同じアホなら踊らにゃ損ソン」
楽しそうに二人は席を外す。
私は慌てて追いかけて(もちろん財布は持っている)
「すみません。『踊る』って何ですか?」
と、訊ねた。
「盆踊りだよ。あそこで踊っているだろ」
黒田さんがホームの中程で踊っている人達を指さす。
確かに浴衣姿の店員さんに混じっていろんな服装の人が踊っている。
「踊りの振りを知っているんですか?」
「イヤ、全く知らない」
"ガクン"
私は思わずズッコケた。
「知らないのに踊るんですか?」
いつの間にか側にやってきたジャンが問いかける。
「そうだよ。そんな難しい振りじゃないし…」
「見よう見真似で踊れるよ」
いつのまにかホームに降りた私達はしっかり踊るメンバーになっていた。
野崎課長が踊っていた店員さんと店員さんの間に入る。
店員さんはイヤな素振りすら全く見せず、場所をさりげなく空けてくれた。
私も踊りの輪に入ってみよう。
…なるほど……
踊りの振りは確かに単純なので直ぐに踊れるようになった。
ふふふ…
楽しいなぁ……
音楽に合わせて腕を伸ばし…肘を曲げ……
数歩進んでは…少し下がり……膝を曲げ……
腕を広げ…片足だけ伸ばし……
単純な動きで音楽に合わせて輪になって進む。
ふふふ…
そろっているんだかいないんだか訳がわからない。
訳はわからないが楽しい!
所々で似たようなYシャツ姿の男性がめちゃくちゃな振りで踊っている。
キツネ人間姿の女性が振りを教えながら一緒に踊る。
ボンヤリとした照明と相まって何と幻想的な光景なんだろう……
そして何より間違ったからと言って誰も咎めない。
これはかなり重要だ!
少しぐらいタイミングが遅れても誰も笑わない。
いちいち指摘しない。
なんでも有るものとしてあるがままに受け入れる。
混沌で有りながら一体感も感じる。
【これが 日本だ!】
ひとしきり踊って疲れた我々はホームに設置されたバーで休憩することにした。
「いやぁ~…こんなところで夏祭りを楽しめるなんて思ってなかったよ」
野崎課長が一番嬉しそうだ。
「私もこんなイベントをやっているなんて知りませんでしたから…」
黒田さんも満足気だ。
バーカウンター仕様になっている為に駅限定のカクテルや黒ビール・ワインまで有って嬉しい限り。
もちろん私は黒ビールを頼んだ。
ジャンは白ワインを楽しんでいる。
なんか…
やっと…日本文化のもっと深いところに触れられた気がする……。
見るもの…聞くこと…
知っていたようで知らなかった。
うん、実際に有る地域の小さなお祭りを調べてみよう。
金魚すくいだってしてみたい。
せっかく日本にいるんだから日本ならではの体験しなければ!
私は改めて決意した。
5.ロベルト・シュンク ヤーパン紀行 了
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