52 / 73
二章 獣人の国
52 人体実験
しおりを挟む
患者さんとはきちんと向き合う。しかし目の前の食事とは全く向き合わず、今夜も食べながら論文を読み漁る。
「今日はまた一段と険しい顔をしているね。どうしたんだい」
「あの……ですね。試したい治療法を、思いついたんです。でも、ここには実験用マウスもいないから……」
「どんな治療法だい。話してみな」
私は薬草と治療魔法を組み合わせた新しい治療魔法を考えたことを話した。
「そりゃまたすごい方法を思いついたもんだ。詳しいことは分からないがつまりは実験できる環境が必要なわけかい」
「はい。たくさん試してみないと、効果が出る魔法は、作れないと思います」
「……アンタ、その魔法を作るのに命を賭けられるかい」
急にナラタさんは険しい顔をして言った。
「……命……?」
「どうなんだい」
いきなり真剣なトーンで命を賭けられるかと問われると、すぐに賭けられるとは言えない。
せっかく生まれ変われたのだから、今の自分の命は大事だ。
けど、刺し違えてでもがんを根絶したい。
それくらいの気持ちもある。
がんは憎い。とても憎い敵だ。
「命は捨てられません。ナラタさんを治すためでも、死ねない。けど、人生は賭けられます」
今も苦しむ多くの患者のため。がんで死んだ多くの人と菊池奈緒のため__
「……なるほどね。分かった。実験できる場所はアタシがなんとかしてみるよ。だからアンタはそれまでここで出来ることをしておきな」
神妙な顔をしたナラタさんはそう言ってダイニングを出ていった。
(どうするつもりだろう……?)
見当もつかないが、私にはまだやることがある。
魔法の起動詞を探す作業だ。
これは古ジルタニア語から探すのだと先生は言っていた。
ただ、私はそれを疑問に感じていた。
(この国、ウィルド・ダムでも魔法は使われていて、たぶんウィルド・ダムや他の国で生まれた魔法もあるはず。それなのに古ジルタニア語だけが起動詞になる……?)
なにかもっと法則があるんじゃないだろうか。例えば古ジルタニア語とウィルド・ダムで共通する単語だったり……。
(いや、そもそも起動詞は1つに限るんだろうか? 古ジルタニア語とウィルド・ダム語かこの国のもっと古い言葉も起動詞になるんじゃ……?)
だとしたら起動詞を探す範囲が広がって余計に手がつけられなくなった気がする。
(とりあえず古ジルタニア語から探してみて行き詰まったらウィルド・ダムの言葉からも探してみよう)
私は汚れた食器を片付けて自室に戻った。
蝋燭を灯して椅子に座り、起動詞を探すため辞書と向き合った。
新しく作ろうとしている魔法はがんを排除するものだ。だから起動詞も消す(古ジルタニア語ではデレーレ)、消滅(エクスティンクティオ)、排除(エクスルーデレ)、除去(レモーティオ)、駆逐(エクスペッレーレ)、消去(オプリティラティオ)、殺す(インテルフィケーレ)、取り除く(レモヴェーレ)、削除(デレティオ)などこの魔法を表す言葉をピックアップし紙に書き連ねた。
ただここから絞り込むには実際に魔法を使ってみて試すしかない。
(家でできるのはここまでね。あとは実験ができるかどうか……。そうだ。どうせこれ以上研究が進まないならウィルド・ダム語でも起動詞になりそうな単語を探してみよう……)
私は古ジルタニア語でピックアップした単語をウィルド・ダム語に翻訳した。
消す・消滅(レサステミュシュ)、排除(シュリョージャ)、除去(リゥコージョ)、駆逐(シュルチク)、消去(オキュシュルオ)、殺す(アオロキチュブ)、取り除く(クゾンリアート)、削除(ヨシュルシシュア)__
(古ジルタニア語とウィルド・ダム語の『消滅』と『消去』。発音がちょっと似てる気がする……)
その時、頭の中にとある仮説が降って湧いた。
(古ジルタニア語とウィルド・ダム語はもっと古い言語を共通の先祖にしてるんじゃ……?)
今使っている治療魔法の起動詞は古ジルタニア語を使っているけど、本当の正解の起動詞は先祖の言語にあって、その流れを汲んでいる単語でも魔法が起動する、という可能性はないだろうか?
(そもそも治療魔法が使われているのは全世界で? それともジルタニアとウィルド・ダムだけ?)
私は先生が送ってくれた教科書の中から治療魔法が使われている国について記述されている部分を探した。
(一般教養の範囲だろうけど、試験対策をしている時にはそんな話は見なかったはず。……もしかして一般常識すぎて書いてない……?)
私は椅子を蹴るように立ち上がりナラタさんの部屋へ走った。
「ナラタさん!」
「うるさい! 何時だと思ってるんだ!」
部屋の前で呼び出したら飛び出してきて怒られてしまった。
「……何時でしたか……?」
「夜中の1時だよ。ったく早く寝な!」
「ちょっ、その前に! 治療魔法ってどこの国で使われてますか?」
「えぇ? ここウィルド・ダムだろ、それから隣のジルタニアとイシリス、北のマクスウェル、セラセ……ざっくり言うとこの大陸の3分の2くらいで北緯30度より北の地域だね」
もういいだろうとばかりに扉は閉められたが、聞きたいことは聞けた。
治療魔法を使う地域は偏在している。
つまり、共通の言語を祖先にしている可能性はある。
(まずは発音が似ている『消滅』と『消去』を起動詞にして試してみてダメなら他を当たってみよう)
魔法理論の構築と起動詞の設定。魔法に関わる部分の組み立ては完了した。
それから2週間は実験で使う薬草の選定をした。
まずは風邪の時に使う定番の2種類、ノッカクとオシアツ。それからなかなか良くならない風邪の時に使うソレリナという薬草、あとはだいたい何にでも効くと言われているが高価なエヴァリス。この4種類を試すことにした。
薬局で薬草の選定をしていると入り口のドアが開いた。
「こんにちは。手紙の配達です」
「あぁ、ありがとね」
郵便屋さんはナラタさんに1通手渡すとすぐに次の配達へ行ってしまった。
ナラタさんは受け取った手紙を珍しくその場で開けて中を改めた。
そして、
「ナオ、前に言っていた実験できる場所、当てができたよ」
「えっ、どこですか?」
「アタシの体がいよいよとなったら入ろうと思っていた、死を待つ患者のための施設。街にある療養所さ。ただし、施設側はナオの研究には関与しない。ただ、入院している患者に声をかけて実験するのは咎めない、ということだよ」
それでは人体実験だ。そんなこと認められるはずがない。
「ダメです。そんなこと、するくらいなら、別の研究方法を、考えます。このアイデアを、ハリス先生に託して、研究してもらってもいい」
「まずマウスで実験してそれから人間で? 何年かかる? その間に何人が死ぬ? そのくらいならアタシはこの体で思う存分実験してもらいたいね。どうせ死ぬんだ。だったら役に立つ死に方をしたい。療養所にいる人らにもそう考える人はいると思うけどね」
「だとしても! 魔法が失敗したら、がんが悪化するんです。そういう魔法なんです。死期を早めてしまう……」
私が、殺すようなものだ。そんなことできるはずが__
「だから聞いただろう。その研究に命をかけられるか、って。その覚悟があるならやれるだろう?」
この研究が成功するならどんな過酷な状況でも耐えてみせる。その覚悟はある。だけどひとの命を犠牲にすることなんて考えられない。
と思うと同時に菊池奈緒が頭の中で囁く。
(死を待つだけだったあの時、がんを治す新薬の治験があったら参加しなかった? 効かなかったら余命は縮む。だけど効いたら生きられる。そんな話があったら乗ったんじゃない?)
確かに、患者だった私だったら……いや、それと医療倫理とは別……
(違う。そうじゃない。私は、私の手で患者さんの余命を縮めるのが恐ろしいんだ)
怖い。けど、躊躇ったら研究は進まない。
ナラタさんは救えない。
それは、嫌だ……!
「やります、私。行きます」
「そうかい。じゃあ準備しな。……さてアタシも荷物をまとめないとね」
「えっ? ナラタさんも?」
「当たり前だろう。他人様だけを研究材料になんかしないよ。ナオ、まずはアタシの体を使うんだ」
その気迫に後退りしそうになった。
「はい。私、絶対成功させます。ナラタさんを、治します」
「頑張っとくれ。娘のようなアンタに殺されたらアタシは多分タチの悪い怨霊になるからね。覚悟しな」
「オイェノウ?」
何になるっていうの!? よく分からないけど怖い!
「今日はまた一段と険しい顔をしているね。どうしたんだい」
「あの……ですね。試したい治療法を、思いついたんです。でも、ここには実験用マウスもいないから……」
「どんな治療法だい。話してみな」
私は薬草と治療魔法を組み合わせた新しい治療魔法を考えたことを話した。
「そりゃまたすごい方法を思いついたもんだ。詳しいことは分からないがつまりは実験できる環境が必要なわけかい」
「はい。たくさん試してみないと、効果が出る魔法は、作れないと思います」
「……アンタ、その魔法を作るのに命を賭けられるかい」
急にナラタさんは険しい顔をして言った。
「……命……?」
「どうなんだい」
いきなり真剣なトーンで命を賭けられるかと問われると、すぐに賭けられるとは言えない。
せっかく生まれ変われたのだから、今の自分の命は大事だ。
けど、刺し違えてでもがんを根絶したい。
それくらいの気持ちもある。
がんは憎い。とても憎い敵だ。
「命は捨てられません。ナラタさんを治すためでも、死ねない。けど、人生は賭けられます」
今も苦しむ多くの患者のため。がんで死んだ多くの人と菊池奈緒のため__
「……なるほどね。分かった。実験できる場所はアタシがなんとかしてみるよ。だからアンタはそれまでここで出来ることをしておきな」
神妙な顔をしたナラタさんはそう言ってダイニングを出ていった。
(どうするつもりだろう……?)
見当もつかないが、私にはまだやることがある。
魔法の起動詞を探す作業だ。
これは古ジルタニア語から探すのだと先生は言っていた。
ただ、私はそれを疑問に感じていた。
(この国、ウィルド・ダムでも魔法は使われていて、たぶんウィルド・ダムや他の国で生まれた魔法もあるはず。それなのに古ジルタニア語だけが起動詞になる……?)
なにかもっと法則があるんじゃないだろうか。例えば古ジルタニア語とウィルド・ダムで共通する単語だったり……。
(いや、そもそも起動詞は1つに限るんだろうか? 古ジルタニア語とウィルド・ダム語かこの国のもっと古い言葉も起動詞になるんじゃ……?)
だとしたら起動詞を探す範囲が広がって余計に手がつけられなくなった気がする。
(とりあえず古ジルタニア語から探してみて行き詰まったらウィルド・ダムの言葉からも探してみよう)
私は汚れた食器を片付けて自室に戻った。
蝋燭を灯して椅子に座り、起動詞を探すため辞書と向き合った。
新しく作ろうとしている魔法はがんを排除するものだ。だから起動詞も消す(古ジルタニア語ではデレーレ)、消滅(エクスティンクティオ)、排除(エクスルーデレ)、除去(レモーティオ)、駆逐(エクスペッレーレ)、消去(オプリティラティオ)、殺す(インテルフィケーレ)、取り除く(レモヴェーレ)、削除(デレティオ)などこの魔法を表す言葉をピックアップし紙に書き連ねた。
ただここから絞り込むには実際に魔法を使ってみて試すしかない。
(家でできるのはここまでね。あとは実験ができるかどうか……。そうだ。どうせこれ以上研究が進まないならウィルド・ダム語でも起動詞になりそうな単語を探してみよう……)
私は古ジルタニア語でピックアップした単語をウィルド・ダム語に翻訳した。
消す・消滅(レサステミュシュ)、排除(シュリョージャ)、除去(リゥコージョ)、駆逐(シュルチク)、消去(オキュシュルオ)、殺す(アオロキチュブ)、取り除く(クゾンリアート)、削除(ヨシュルシシュア)__
(古ジルタニア語とウィルド・ダム語の『消滅』と『消去』。発音がちょっと似てる気がする……)
その時、頭の中にとある仮説が降って湧いた。
(古ジルタニア語とウィルド・ダム語はもっと古い言語を共通の先祖にしてるんじゃ……?)
今使っている治療魔法の起動詞は古ジルタニア語を使っているけど、本当の正解の起動詞は先祖の言語にあって、その流れを汲んでいる単語でも魔法が起動する、という可能性はないだろうか?
(そもそも治療魔法が使われているのは全世界で? それともジルタニアとウィルド・ダムだけ?)
私は先生が送ってくれた教科書の中から治療魔法が使われている国について記述されている部分を探した。
(一般教養の範囲だろうけど、試験対策をしている時にはそんな話は見なかったはず。……もしかして一般常識すぎて書いてない……?)
私は椅子を蹴るように立ち上がりナラタさんの部屋へ走った。
「ナラタさん!」
「うるさい! 何時だと思ってるんだ!」
部屋の前で呼び出したら飛び出してきて怒られてしまった。
「……何時でしたか……?」
「夜中の1時だよ。ったく早く寝な!」
「ちょっ、その前に! 治療魔法ってどこの国で使われてますか?」
「えぇ? ここウィルド・ダムだろ、それから隣のジルタニアとイシリス、北のマクスウェル、セラセ……ざっくり言うとこの大陸の3分の2くらいで北緯30度より北の地域だね」
もういいだろうとばかりに扉は閉められたが、聞きたいことは聞けた。
治療魔法を使う地域は偏在している。
つまり、共通の言語を祖先にしている可能性はある。
(まずは発音が似ている『消滅』と『消去』を起動詞にして試してみてダメなら他を当たってみよう)
魔法理論の構築と起動詞の設定。魔法に関わる部分の組み立ては完了した。
それから2週間は実験で使う薬草の選定をした。
まずは風邪の時に使う定番の2種類、ノッカクとオシアツ。それからなかなか良くならない風邪の時に使うソレリナという薬草、あとはだいたい何にでも効くと言われているが高価なエヴァリス。この4種類を試すことにした。
薬局で薬草の選定をしていると入り口のドアが開いた。
「こんにちは。手紙の配達です」
「あぁ、ありがとね」
郵便屋さんはナラタさんに1通手渡すとすぐに次の配達へ行ってしまった。
ナラタさんは受け取った手紙を珍しくその場で開けて中を改めた。
そして、
「ナオ、前に言っていた実験できる場所、当てができたよ」
「えっ、どこですか?」
「アタシの体がいよいよとなったら入ろうと思っていた、死を待つ患者のための施設。街にある療養所さ。ただし、施設側はナオの研究には関与しない。ただ、入院している患者に声をかけて実験するのは咎めない、ということだよ」
それでは人体実験だ。そんなこと認められるはずがない。
「ダメです。そんなこと、するくらいなら、別の研究方法を、考えます。このアイデアを、ハリス先生に託して、研究してもらってもいい」
「まずマウスで実験してそれから人間で? 何年かかる? その間に何人が死ぬ? そのくらいならアタシはこの体で思う存分実験してもらいたいね。どうせ死ぬんだ。だったら役に立つ死に方をしたい。療養所にいる人らにもそう考える人はいると思うけどね」
「だとしても! 魔法が失敗したら、がんが悪化するんです。そういう魔法なんです。死期を早めてしまう……」
私が、殺すようなものだ。そんなことできるはずが__
「だから聞いただろう。その研究に命をかけられるか、って。その覚悟があるならやれるだろう?」
この研究が成功するならどんな過酷な状況でも耐えてみせる。その覚悟はある。だけどひとの命を犠牲にすることなんて考えられない。
と思うと同時に菊池奈緒が頭の中で囁く。
(死を待つだけだったあの時、がんを治す新薬の治験があったら参加しなかった? 効かなかったら余命は縮む。だけど効いたら生きられる。そんな話があったら乗ったんじゃない?)
確かに、患者だった私だったら……いや、それと医療倫理とは別……
(違う。そうじゃない。私は、私の手で患者さんの余命を縮めるのが恐ろしいんだ)
怖い。けど、躊躇ったら研究は進まない。
ナラタさんは救えない。
それは、嫌だ……!
「やります、私。行きます」
「そうかい。じゃあ準備しな。……さてアタシも荷物をまとめないとね」
「えっ? ナラタさんも?」
「当たり前だろう。他人様だけを研究材料になんかしないよ。ナオ、まずはアタシの体を使うんだ」
その気迫に後退りしそうになった。
「はい。私、絶対成功させます。ナラタさんを、治します」
「頑張っとくれ。娘のようなアンタに殺されたらアタシは多分タチの悪い怨霊になるからね。覚悟しな」
「オイェノウ?」
何になるっていうの!? よく分からないけど怖い!
1
あなたにおすすめの小説
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる