一六銀行の鵜飼くん

芝桜 のの

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プレゼント10

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しかし、結婚しないと大人と認められない時代でもないんだし、自由な時代なんだから。
「死ぬまで一人でいいの?」
って幻聴が聞こえてきそう。
「誰も面倒診てもらえないわよ!」
そうそう、老後一人寂しくカート引きながら毎日スーパーと病院通い。
寝たきりになったら佗しいもんで…
「お兄ちゃんとこのあっくんに面倒診てもらうなんて甘えちゃダメよ」
って!
私の思考にチャチャ入れるのはお母さんかい。
いつの間に家!?
はいはい、あっくんに迷惑はかけないように努力します。
「いい加減に誰かいい人見つけなさい」
の一言だ。
その辺には「イイヒト」は落ちてないのよ。
落ちてると良いよね。「イイヒト」
判りやすく目印とか付いてると尚良し!
たぶん、「イイヒト」はもう拾われちゃって、どこにも落ちてないんだよ。
ああ、「イイヒト」いないかなー
「誰か周りでいないの?」
って聞かれても、周りは「誰かのイイヒト」だらけで、私の「イイヒト」はどこにも見当たりません。
え、私の目がザルなの?網目から取りこぼした?
いやいや、思い返しても「イイヒト」の欠片も見当たりません。
私のイイヒトはどこ行っちゃったんでしょね?神さま



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