ゲート・キーパー〜秘密の実験場で俺は亜人達の教師になる事にした〜赴任先にいたのは美人教師と亜人の生徒達⁈俺はまったり学園生活を送ります

青樹春夜

文字の大きさ
6 / 98

第6話 2-α組

しおりを挟む

 怒ってはいけない。

 サクラは多様性を重んじるこの学校の教員である。

 篠宮のようなヘラヘラした男も、個性の一つと認めねばならない。たとえ血圧が上がろうとも。

 彼女は大きく深呼吸すると、本題に戻る。つまりは篠宮のスマートフォンがこの町では使えないという問題だ。

「Shinomiya に発注するから、その端末が届くまで待て」

「えっ? 嫌ですよ! そんなの頼んだら何を仕込まれるかわかんないじゃないですか!」

「文句を言うなぁ!」

 ——とは言うものの、それは確かにあり得る事態だ。こちらの動きを知られるのはごめんだ。

「……わかった。スタッフィーを作る前の端末があるはずだ。それを使え」

「やった! 楽しみだなぁ」

 心底楽しみだという顔をされて、サクラは毒気を抜かれた。全く調子を狂わせる男だ。

「……新校舎のαクラスから案内しよう」

「六人のクラスですね? あれ? 六人でこの校舎全部使ってるんですか?」

「空いている部屋もあるが、ほぼ全て研究機材で埋まっているぞ」

 そう言ってサクラが手近な教室の戸をスライドさせた。

 中は薄暗く、壁一面に大小様々な配管が取り付けられている。クーラーが付いているのか、ヒヤリとした冷気が流れてきた。

「機械のための冷却装置がある。今はいいが、夏場は排熱で暑くなるぞ」

 暗くて一体何の機械が置いているのか、篠宮にはさっぱりわからなかったが、暗がりの中でグリーンやオレンジの光が震えるように明滅しているのが見えた。

 カラカラと引き戸を閉めると、サクラは篠宮を促す。

 傷だらけのリノリウムの廊下を歩いて行き、階段を上がる。今いたのが校長室と職員室のある二階だから、次は三階だ。よくある学校の作りで、階段脇にはトイレがあった。




「ここが二年生のαだ。と、いうよりαは二年生しかいないがな」

 そう言ってサクラは引き戸を開ける。

「あ、サクラ先生!」

 中にいたのは六人の女子生徒。

 肩まで届くつやつやの髪を切り揃え、大きな瞳は明るい茶色。小柄で華奢な身体を紺色の制服と白衣で包み、清楚で可憐な佇まいの生徒が六人——同じ姿同じ顔でこちらを見ていた。





 つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...