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第21話 小柄な着物少女
しおりを挟むさて、旧校舎に入ったものの、目指すレディがどこにいるのか、篠宮は全くわからなかった。
闇雲に歩き回ると、昨日の鬼や狼男達に遭遇するかもしれない。
「うーん。昨日の教室を探してみるか」
篠宮は足音を立てないよう、静かに歩く。彼の得技の一つ『忍足』である。
これはスキルでも何でもない、彼の危機回避能力——女子に鉄拳を喰らわずにそっと近づいたり、或いはパワー系男子の暴力を発動させない為の特技なのだ。
旧校舎は木造で床も軋む。それなのに篠宮は足音を立てずに進んで行く。
ちなみに彼は気配を消すのも得意である。厄介なクラス委員長決めの時などにそれは発現される。
薄暗い木造校舎の廊下を進んで行くと、不意に目の前の教室の引き戸が開いた。
「ぅわッ?」
さすがに篠宮も声を上げた。
相手の方も驚く。
「きゃっ?」
女子の声!
篠宮はすかさず笑顔で挨拶をする。
「やあ、今度赴任してきた篠宮です」
篠宮の目線の先にいたのは、小柄な色白の少女だった。
目を引いたのは明るい水色の髪の毛と、銀色の紋様の浮かぶ真白なミニの着物。
赤と黒の濃い目の色の帯を締めて、膝上までの長さの着物の裾からすらりとした綺麗な脚が見えている。
足元を見ると素足だ。
篠原が思わず、その生脚に見惚れていると、彼女は慌てて長い着物のたもとで自分の脚を隠した。
「あっ、ゴメン」
彼が顔を上げて少女の顔を見ると、頬が真っ赤だ。
うわ、なんて愛らしい……!
「せせせ、先生なんですか?」
教師たるものが生徒の生脚に見惚れていたと知れては外聞が悪すぎる。篠宮は何事もなかったの如く、しれっと彼女に話しかける。
「昨日来たばかりなんだ。えっと君は?」
「わわわ私ですか? 2-βの白井ユキです」
二年生という事は徳田姉妹と同じ学年だ。βクラスというからには、何らかの遺伝子操作を受けているのだろう。
それを象徴するのが、人目を引く水色の髪だ。そして——。
「なんで裸足なの?」
つづく
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