31 / 98
第31話 チャンス到来
しおりを挟む篠宮は両手に一花と二花を抱えて、更に三花の口を塞ぐ為に、覚悟を決めた。
俺の足で女子生徒の口を塞ぐわけにはいかない!
篠宮は二人の口を押さえたまま、自分の唇で三花の口を塞ごうとした。
「——え?」
さすがに三花の顔に戸惑いの色が広がる。その隙を好機と見て更に近づく篠宮——。
「アホかぁ!!」
どかーん!
サクラの拳がアホ教師に脳天直撃の一打を喰らわす。一花と二花はパッと離れた。
「サ、サクラさぁん……」
ブルーシートにめり込みながら、篠宮はとにかく三花の暴言を止めたと安堵した。
「まったく、お前は何をしでかすかわからんな……」
サクラに首根っこを掴まれ、ズルズルと引きずられて、篠宮は元の席に戻された。
「俺はあそこの四人に話しかけただけですよぅ」
「話しかけただけで、なんであんな事になる!?」
……確かに。
両腕に女子生徒二人を抱えて、更に別な生徒にキスしようとしているのは訳がわからない。
「なんでですかね?」
「私に聞くな!」
いつにも増してサクラは目をつり上げて怒っている。
こんな時は、アレだ。
「ま、まま、落ち着いてサクラさん♪」
篠宮はサクラの機嫌をとる様に彼女のコップに飲み物をついだ。
ぶつくさ言いながらもサクラはコップに口をつける——。
「俺にもくれよ」
鬼丸がぬっとゴツい手に空のコップを持って、差し出してきた。篠宮は気前よく飲み物をついでやる。
「どんどんやってよ。……そういや君とレディちゃんは三年生だけど『指導員』も兼ねてるって?」
白井ユキの言葉を思い出しながら、篠宮は探りを入れる。鬼丸が同じ歳なのか、年上か、気になるのだ。
「ん? ああ、まあな。須王みたいに頭が良ければ、教師になる事もできたんだろうけどな」
「スオウ?」
「なんだ今更。須王サクラ、そいつの名前だ」
鬼丸が顎でサクラを示す。サクラはコップをぐいっとあおって中身を飲み干したところだった。その顎から喉のラインの美しいことこの上ない。
白い喉が動く様を目にして、篠宮はドキドキした。
「きれいだなぁ」
「あ?」
「いや、きれいな名前だよね、うん」
生返事をしながら、篠宮ははたと気がつく。
「須王みたいに——って、もしかしてサクラさんもこの学校に在籍してた?」
つづく
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる