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004:ブーツに保革油を塗る
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馬鹿に付ける薬 《気まぐれアルテミスとのんびりベロナの異世界修業》
004:ブーツに保革油を塗る
ザクッ ザクッ ザザ ザ ザクッ ザザ ザクッ ザクッ
「これは荒れ野というよりは……荒れ地だなあ……」
「気を付けていないと……足を挫いてしまうかもしれないわ……」
荒れ野の道は大小の石が混じっていて、学校の通路や中庭を歩くようなわけにはいかない。
「今のうちにブーツに油を塗った方がいいぞ」
「そうね、始まりの町に着くまでにブーツが破れちゃかなわないわね……保革油はあったかしら」
「……五回ほどスクロールすると出てくる、82番だ」
「あ、うん。あったわ」
ゴシゴシ キュッキュ ゴシゴシ キュッキュ ゴシゴシ キュッキュ
油を刷り込みながら振り向くと、荒れ野の灌木林の向こうに学校の屋根が見えている。
「まだ、いくらも来てないわね」
「早く気づいてよかった」
「アイテムは一杯あるけど、アドバイスやヒントとかはいっさい無いみたいねぇ」
「肉の保管袋がある……よし、油を塗ったらウサギでも狩っておこう」
「ウサギいるかしら、もう異世界でしょ?」
「学校の屋根が見えてるんだ、なにか居るだろ。いざとなったらスライムでも」
「スライムって、食べられるの?」
「干せばスルメみたいになる。醤油とワサビもあるみたいだし、刺身でもいけるかも」
「刺身にするなら、よっぽど洗わなくちゃいけないわ……水は、そんなには無いわよ」
「ああ……初心者用の50リットルだ。飲料と煮炊きに使って四日分ほどだな」
「……あ、一番下に予備の水袋があるわ。そっちは?」
「……こっちにもある。学校で入れてくるんだったなあ」
「戻って汲んでくる?」
「それはカッコ悪い」
「フフ、アルテミスらしい。わたしなら平気よ」
「ケジメだ、ケジメ」
「フフ、そうね。マップは無いのかしらぁ……」
「行ったところだけ解除されるシステムだな……この周辺のことしか分からないぞ」
「でも、地面に傾斜があって、これだけの木や草が茂ってるんだから、こっちの方に川か池が……」
地面が傾斜している右側に注意を向ける。アルテミスは狩りの女神だけあってこういう時の感覚は鋭い。
ザク ザク ザク ザク……
「誰か歩いてるの?」
「いいや、歩く音じゃない……土を掘っている音だ。見てくる」
「わたしも!」
「ベロナはそこに居ろ、二人で行ったら、元の場所が分からなくなる」
「あ、うん、分かったわ」
念のため弓に矢をつがえ、身を低くして木の間を拾うアルテミス。
え?
直線で20メートル、高低差で4メートルほど行ったところでアルテミスは意外なものを見て、思わず声を上げてしまうところだった。
☆彡 主な登場人物とあれこれ
アルテミス 月の女神
ベロナ 火星の女神 生徒会長
カグヤ アルテミスの姉
マルス ベロナの兄 軍神 農耕神
アマテラス 理事長
宮沢賢治 昴学院校長
ジョバンニ 教頭
004:ブーツに保革油を塗る
ザクッ ザクッ ザザ ザ ザクッ ザザ ザクッ ザクッ
「これは荒れ野というよりは……荒れ地だなあ……」
「気を付けていないと……足を挫いてしまうかもしれないわ……」
荒れ野の道は大小の石が混じっていて、学校の通路や中庭を歩くようなわけにはいかない。
「今のうちにブーツに油を塗った方がいいぞ」
「そうね、始まりの町に着くまでにブーツが破れちゃかなわないわね……保革油はあったかしら」
「……五回ほどスクロールすると出てくる、82番だ」
「あ、うん。あったわ」
ゴシゴシ キュッキュ ゴシゴシ キュッキュ ゴシゴシ キュッキュ
油を刷り込みながら振り向くと、荒れ野の灌木林の向こうに学校の屋根が見えている。
「まだ、いくらも来てないわね」
「早く気づいてよかった」
「アイテムは一杯あるけど、アドバイスやヒントとかはいっさい無いみたいねぇ」
「肉の保管袋がある……よし、油を塗ったらウサギでも狩っておこう」
「ウサギいるかしら、もう異世界でしょ?」
「学校の屋根が見えてるんだ、なにか居るだろ。いざとなったらスライムでも」
「スライムって、食べられるの?」
「干せばスルメみたいになる。醤油とワサビもあるみたいだし、刺身でもいけるかも」
「刺身にするなら、よっぽど洗わなくちゃいけないわ……水は、そんなには無いわよ」
「ああ……初心者用の50リットルだ。飲料と煮炊きに使って四日分ほどだな」
「……あ、一番下に予備の水袋があるわ。そっちは?」
「……こっちにもある。学校で入れてくるんだったなあ」
「戻って汲んでくる?」
「それはカッコ悪い」
「フフ、アルテミスらしい。わたしなら平気よ」
「ケジメだ、ケジメ」
「フフ、そうね。マップは無いのかしらぁ……」
「行ったところだけ解除されるシステムだな……この周辺のことしか分からないぞ」
「でも、地面に傾斜があって、これだけの木や草が茂ってるんだから、こっちの方に川か池が……」
地面が傾斜している右側に注意を向ける。アルテミスは狩りの女神だけあってこういう時の感覚は鋭い。
ザク ザク ザク ザク……
「誰か歩いてるの?」
「いいや、歩く音じゃない……土を掘っている音だ。見てくる」
「わたしも!」
「ベロナはそこに居ろ、二人で行ったら、元の場所が分からなくなる」
「あ、うん、分かったわ」
念のため弓に矢をつがえ、身を低くして木の間を拾うアルテミス。
え?
直線で20メートル、高低差で4メートルほど行ったところでアルテミスは意外なものを見て、思わず声を上げてしまうところだった。
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