2 / 6
2『るり子の新型スマホ』
しおりを挟む
魔法少女なんかじゃないぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧ヘ≦)!
2『るり子の新型スマホ』
「やあ、おはよう」
今朝も門衛の田中さんが、いつものように挨拶してくれた。
田中さんは元自衛官。五十五歳の定年で、この聖城女学院の門衛さんになった。だれに対してもキチンと顔を向け、目を見て挨拶してくれる。地獄の門番ケルベロスを連想する。もっともケルベロスは首が三つもあるので、大勢やってくる人間どもの顔を見逃すことはねえけどな。
田中さんは、たった一人で、首も一つなのにケルベロスをやってのけているぞ。
ウワサだけど、田中さんは千二百人いる生徒や教職員の顔と名前を全部覚えているらしいぜ。一度チャンスがあったら、ゆっくり話がしてみたいと、マユは思っているぞ。
だけどな、マユは転校というカタチで人間の世界にやってきてる。魔界の補習のためにやってきているんで、あまり余計な時間はとりたくねえ。さっさとやることをやって魔界に戻りてえのが本音ってとこだぜ。
教室に行くと、いつものように、半分くらいの生徒が来ていやがる。
「おはよう、里依紗」
「あ、おは……」「おは……」「お……」
里依紗のそっけない返事。沙耶と知井子も簡単すぎる挨拶しか返ってこねえ。事情は聞かなくても分かってる。この三人は、昨日、骨髄性の難病で休職中の恵利先生の家に行ってきやがったんだ。
マユが写メにちょっとした細工をしたのが嬉しくて。ただ送信すればいいだけのそれを、わざわざ電車に乗って、恵利先生に会いに行った。で、赤ちゃんの清美ちゃんにも対面しやがった。
「「「メッチャかわいい(〃▽〃) !」」」
女子高生のボキャ貧な感嘆詞も恵利先生は嬉しかった。
恵利先生の嬉しさには、二つの理由がある。
教え子がわざわざやってきてくれたことと、持ってきてくれた清美ちゃんの写メだ。
画面にタッチすると十七歳になった清美ちゃんの姿になるように魔法がかけてある。それも見るたびに、微妙に表情なんかが変わるようになっていて、見飽きることがねえ。
そして、なんと言っても、赤ちゃんはかわいいもんだ! で、つい長居しちまって、遅く帰った三人は、宿題ができてなかった。
で、三人はホームワークシェアリングをやって、分担したのを写しあっている最中ってわけだ。
三人の必死の形相にマユは、小悪魔らしくほくそ笑んだぜ。
ウワアアアアアアアア!
窓辺の日当たりの良い席から歓声があがった。
「チョーおいしそう!」
「オタカラスィーツじゃないっすか!」
「でしょでしょ(^▽^)/」
三番目の声の主は、クラス一番のタカビーの指原るり子。
こいつは小悪魔のマユがほれぼれするほどに意地が悪い。
この窓ぎわの特等席も、席替えのときにズルをして、取り巻きどもと占拠しやがったんだ。
恵利先生がいたら、こんなズルは出来ないんだけど、副担のトンボコオロギこと坂谷のたよりなさに乗じてやりやがった。みんな不満に思ってるけど、だれも面と向かって文句を言わねえ。だからマユも干渉はしねえ。これでも悪魔だからなψ(ΦwΦ;)ψ 。
「キャー、このパンナコッタ、ヤバイよ!」
「このティラミスもヤバ~イ!」
取り巻き連中が、半分お追従、半分本気で、羨ましがってやがる。
「どーよ、8Kの3Dだから、すごくいいっしょ。むろん、このスィーツも帝都ホテルの特製だから、そこらへんのスィーツとは比べモノにはならないんだけどねぇ」
るり子は、最新のスマホで、昨日食べてきた帝都ホテルのケ-キバイキングの写メを見せびらかしてやがる。
「チ、うるさいなあ……」
知井子が小さく舌打ちした。
「なんか言ったぁ……?」
取り巻きの一人が耳ざとく聞きとがめて、るり子の取り巻きたちがいっせいに三人を睨んだぜ。
ジロ
「あいつら、いまごろ宿題やってますよ、るり子さん」
「オホホ、ごめんなさいねぇ。そんなとこで、ドロナワで宿題やってるなんて気がつかなくってぇ!」
るり子がトドメを刺す。
キャハハハハ(^Д^) (*`艸´)(^△^)
取り巻きたちがいっせいに笑った。知井子が立ちかけたが、里依紗が止めた。
――挑発にのったら、宿題できなくなる――
「あら、素敵なスマホじゃない。マユにも見せてくれる(^〇^)!?」
マユは満面の笑みを浮かべて、るり子たちに近づいたぜ。
「あら、マユも見たい? どうぞどうぞご遠慮なくぅ」
背中に里依紗たちの視線を感じながら、マユはるり子たちの輪の中に入っていったぞ。
「このサバランなんて、いけてるのよぉ、ラム酒に漬けた生地使ってるからとても香りもいいの。残念ねぇ、香りはしないけど、3Dの映像で我慢してねぇ」
るり子が、鼻を膨らませやがる。るり子が得意になったときのクセだ。
「あ~ら、もったいないこと。このスマホ、匂いも再現できますのよ。知らなかったぁ?」
マユはカマしてやったぜ。
「ほんと?」
タカビーだけど、るり子はこのへんは素直……というか単純。
「ちょっとかして……このアプリをダウンロードしてっと……」
「「「おお!!」」」
教室にラム酒の混ざったサバランの甘い香りが満ちたぜ。
「さすがルリさん! 元華族!」
「あ、それナイショ(;^_^)」
と言いながら、るり子は積極的には止めねえ。しかし、取り巻き達は「華族」と「家族」の区別がつかず、キョトンとしていたぜ。サバランの甘い香りの中で、しぶしぶという自慢顔でるり子は説明しやがった。
里依紗たちの怖い顔に、マユはウィンクで応えたぜ。
るり子のスマホの噂は、昼頃には学年中に広まって、るり子の自尊心は東京タワーのてっぺんぐらいに高くなっちまったぜ。
そして、それは昼休みのキャフェテリアで起こったぞ。
「ねえ、ルリちゃん。噂聞いたわよ。ちょっと見せてよ!」
カレーライスをトレーに載せた隣のクラスのタカビーが寄ってきた。ここのキャフェテリアのカレーはよその学校みてえな業務用なんかじゃねえ、自家製で、聖城女学院の名物メニューなんだぞ。
「いいわよいいわよぉ♪」
るり子は気前よく、スマホを取りだしてスイッチをいれた。
「またやってる」
いまいましいので、里依紗たちはキャフェテリアを出て、中庭からガラス越しにそれを見ていた。
ギャーーーーーーー!!
「なんか変だわよ……?」
沙耶が、ベンチから立ち上がった。キャフェテリアの中は大騒ぎになっていた。
「な、なにがあったのかしら!?」
立ち上がった三人にマユは説明してやりたい衝動にかられた。
――あのスマホには、仕掛けをしておいたんだ。写したものはちゃんと時間経過した姿とニオイで現れるようにしてあるんだぜ――
最初に再生したときは、写したときの姿と匂いがしているけど、次に再生したときは、写したときから同じ時間がたったときのそれになって出てくるんだ。
で、るり子がスィーツを食べてから、十二時間ほどが経過していた……。
スマホから再生したスィーツたちは、食後十二時間たった状態だ。姿はキャフェテリアの名物に似ていたぜ。
☆彡 主な登場人物
マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
里依紗 マユの同級生
沙耶 マユの同級生
知井子 マユの同級生
指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
2『るり子の新型スマホ』
「やあ、おはよう」
今朝も門衛の田中さんが、いつものように挨拶してくれた。
田中さんは元自衛官。五十五歳の定年で、この聖城女学院の門衛さんになった。だれに対してもキチンと顔を向け、目を見て挨拶してくれる。地獄の門番ケルベロスを連想する。もっともケルベロスは首が三つもあるので、大勢やってくる人間どもの顔を見逃すことはねえけどな。
田中さんは、たった一人で、首も一つなのにケルベロスをやってのけているぞ。
ウワサだけど、田中さんは千二百人いる生徒や教職員の顔と名前を全部覚えているらしいぜ。一度チャンスがあったら、ゆっくり話がしてみたいと、マユは思っているぞ。
だけどな、マユは転校というカタチで人間の世界にやってきてる。魔界の補習のためにやってきているんで、あまり余計な時間はとりたくねえ。さっさとやることをやって魔界に戻りてえのが本音ってとこだぜ。
教室に行くと、いつものように、半分くらいの生徒が来ていやがる。
「おはよう、里依紗」
「あ、おは……」「おは……」「お……」
里依紗のそっけない返事。沙耶と知井子も簡単すぎる挨拶しか返ってこねえ。事情は聞かなくても分かってる。この三人は、昨日、骨髄性の難病で休職中の恵利先生の家に行ってきやがったんだ。
マユが写メにちょっとした細工をしたのが嬉しくて。ただ送信すればいいだけのそれを、わざわざ電車に乗って、恵利先生に会いに行った。で、赤ちゃんの清美ちゃんにも対面しやがった。
「「「メッチャかわいい(〃▽〃) !」」」
女子高生のボキャ貧な感嘆詞も恵利先生は嬉しかった。
恵利先生の嬉しさには、二つの理由がある。
教え子がわざわざやってきてくれたことと、持ってきてくれた清美ちゃんの写メだ。
画面にタッチすると十七歳になった清美ちゃんの姿になるように魔法がかけてある。それも見るたびに、微妙に表情なんかが変わるようになっていて、見飽きることがねえ。
そして、なんと言っても、赤ちゃんはかわいいもんだ! で、つい長居しちまって、遅く帰った三人は、宿題ができてなかった。
で、三人はホームワークシェアリングをやって、分担したのを写しあっている最中ってわけだ。
三人の必死の形相にマユは、小悪魔らしくほくそ笑んだぜ。
ウワアアアアアアアア!
窓辺の日当たりの良い席から歓声があがった。
「チョーおいしそう!」
「オタカラスィーツじゃないっすか!」
「でしょでしょ(^▽^)/」
三番目の声の主は、クラス一番のタカビーの指原るり子。
こいつは小悪魔のマユがほれぼれするほどに意地が悪い。
この窓ぎわの特等席も、席替えのときにズルをして、取り巻きどもと占拠しやがったんだ。
恵利先生がいたら、こんなズルは出来ないんだけど、副担のトンボコオロギこと坂谷のたよりなさに乗じてやりやがった。みんな不満に思ってるけど、だれも面と向かって文句を言わねえ。だからマユも干渉はしねえ。これでも悪魔だからなψ(ΦwΦ;)ψ 。
「キャー、このパンナコッタ、ヤバイよ!」
「このティラミスもヤバ~イ!」
取り巻き連中が、半分お追従、半分本気で、羨ましがってやがる。
「どーよ、8Kの3Dだから、すごくいいっしょ。むろん、このスィーツも帝都ホテルの特製だから、そこらへんのスィーツとは比べモノにはならないんだけどねぇ」
るり子は、最新のスマホで、昨日食べてきた帝都ホテルのケ-キバイキングの写メを見せびらかしてやがる。
「チ、うるさいなあ……」
知井子が小さく舌打ちした。
「なんか言ったぁ……?」
取り巻きの一人が耳ざとく聞きとがめて、るり子の取り巻きたちがいっせいに三人を睨んだぜ。
ジロ
「あいつら、いまごろ宿題やってますよ、るり子さん」
「オホホ、ごめんなさいねぇ。そんなとこで、ドロナワで宿題やってるなんて気がつかなくってぇ!」
るり子がトドメを刺す。
キャハハハハ(^Д^) (*`艸´)(^△^)
取り巻きたちがいっせいに笑った。知井子が立ちかけたが、里依紗が止めた。
――挑発にのったら、宿題できなくなる――
「あら、素敵なスマホじゃない。マユにも見せてくれる(^〇^)!?」
マユは満面の笑みを浮かべて、るり子たちに近づいたぜ。
「あら、マユも見たい? どうぞどうぞご遠慮なくぅ」
背中に里依紗たちの視線を感じながら、マユはるり子たちの輪の中に入っていったぞ。
「このサバランなんて、いけてるのよぉ、ラム酒に漬けた生地使ってるからとても香りもいいの。残念ねぇ、香りはしないけど、3Dの映像で我慢してねぇ」
るり子が、鼻を膨らませやがる。るり子が得意になったときのクセだ。
「あ~ら、もったいないこと。このスマホ、匂いも再現できますのよ。知らなかったぁ?」
マユはカマしてやったぜ。
「ほんと?」
タカビーだけど、るり子はこのへんは素直……というか単純。
「ちょっとかして……このアプリをダウンロードしてっと……」
「「「おお!!」」」
教室にラム酒の混ざったサバランの甘い香りが満ちたぜ。
「さすがルリさん! 元華族!」
「あ、それナイショ(;^_^)」
と言いながら、るり子は積極的には止めねえ。しかし、取り巻き達は「華族」と「家族」の区別がつかず、キョトンとしていたぜ。サバランの甘い香りの中で、しぶしぶという自慢顔でるり子は説明しやがった。
里依紗たちの怖い顔に、マユはウィンクで応えたぜ。
るり子のスマホの噂は、昼頃には学年中に広まって、るり子の自尊心は東京タワーのてっぺんぐらいに高くなっちまったぜ。
そして、それは昼休みのキャフェテリアで起こったぞ。
「ねえ、ルリちゃん。噂聞いたわよ。ちょっと見せてよ!」
カレーライスをトレーに載せた隣のクラスのタカビーが寄ってきた。ここのキャフェテリアのカレーはよその学校みてえな業務用なんかじゃねえ、自家製で、聖城女学院の名物メニューなんだぞ。
「いいわよいいわよぉ♪」
るり子は気前よく、スマホを取りだしてスイッチをいれた。
「またやってる」
いまいましいので、里依紗たちはキャフェテリアを出て、中庭からガラス越しにそれを見ていた。
ギャーーーーーーー!!
「なんか変だわよ……?」
沙耶が、ベンチから立ち上がった。キャフェテリアの中は大騒ぎになっていた。
「な、なにがあったのかしら!?」
立ち上がった三人にマユは説明してやりたい衝動にかられた。
――あのスマホには、仕掛けをしておいたんだ。写したものはちゃんと時間経過した姿とニオイで現れるようにしてあるんだぜ――
最初に再生したときは、写したときの姿と匂いがしているけど、次に再生したときは、写したときから同じ時間がたったときのそれになって出てくるんだ。
で、るり子がスィーツを食べてから、十二時間ほどが経過していた……。
スマホから再生したスィーツたちは、食後十二時間たった状態だ。姿はキャフェテリアの名物に似ていたぜ。
☆彡 主な登場人物
マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
里依紗 マユの同級生
沙耶 マユの同級生
知井子 マユの同級生
指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる