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10[テキサスジェーン・1]
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宇宙戦艦三笠
10[テキサスジェーン・1]
三笠は、俺(修一)、樟葉、天音、トシ四人の思い出をエネルギーに最初のワープを行った。
―― 最初のワープだから、1パーセク(3・26光年)にしておくわね。樟葉さん舵輪へ。トシ君はエンジンテレグラフの前へ ――
三笠と同体化したみかさんが指示する。アバターの時と違って、艦の全体から声がするので、なんか包み込まれたような安心感がある。
「あ、なんかいいっす(^o^;)」
トシがデレて、みんなクスリと笑った。
樟葉とトシが配置につき、俺と天音はシートについた。
―― じゃ、修一君。あとはよろしく ――
「お、おお」
一瞬たじろいだが、マニュアルが頭に入っているようで、直ぐに指示が口をついて出てくる。
「面舵3度……切れたところで、前進強速、ワープレベル」
「面舵3度、ヨーソロ……」
「前進強速……ワープ!」
シャーーーーーって音がするわけじゃないんだけど。
ブリッジから見える星々は、シャワーのように後方へ流れて行った。
「……ワープ完了。冥王星から1パーセク」
「対空警戒。レベル10」
「レベル10……左舷12度、20万キロ方向にグリンヘルドの編隊多数……23万キロで戦闘中の艦あり!」
「どこの船だ!?」
「アメリカのテキサス。苦戦中の模様。モニターに出す」
天音がメインモニターに切り替える。
テキサスは、110年前に竣工したアメリカの現存戦艦の中では最古参だ。第一次大戦と第二次大戦の両方を現役として戦い、今はヒューストン・シップ・チャネルに合衆国特定歴史建造物に指定保存されている。三笠程ではないが、クラシックな艦体をくねらせながら、全砲門を開いて寄せくるグリンヘルドの攻撃隊と獅子奮迅の激闘中だ。
「何発か食らってる。あの大編隊の二次攻撃に晒されたら持たないかもしれない。グリンヘルド二次攻撃隊に三式光子弾攻撃。取り舵20。右舷で攻撃する!」
三笠は、20度左に旋回、右舷の全砲門をグリンヘルドの二次攻撃隊に向けた。
「照準完了!」
「テーッ!」
シュビビビビーーーン!
主砲と右舷の砲門が一斉に火を噴き、亜光速の光子弾が連続射撃された。
遠くでいくつもの閃光、学校の屋上から見た『よこすか開国花火大会』に似ている。30秒余りでグリンヘルドの二次攻撃隊を壊滅させると、三笠はテキサスの救援に向かった。
「テキサスがいるから、光子弾は使えない。フェザーで対応、あたし一人じゃ手におえないから、みんなも意識を集中して!」
天音が叫んだ。実際グリンヘルドの一次攻撃隊の一部は三笠にも攻撃を仕掛けてきている。
三笠の機能は、基本的にはそれぞれの持ち場が決まっていたが、危機的な局面では全員が特定の部署に意識を集中させ効率を上げる仕組みになっている。
光子弾は長距離攻撃には絶大な威力を発揮するが、その威力の大きさから、味方が傍にいる場合は使えない。三笠は30分余りをかけて、グリンヘルドの周囲を繭を紡ぐように周って一次攻撃隊の残りを撃破した。
「各部被害報告!」
俺の呼びかけに「被害なし」の声が続いた。
「テキサスは!?」
「中破。オートでダメージコントロールに入った模様」
「テキサスから、だれか来るわ……艦長よ。乗艦許可を求めてる」
「乗艦を許可。操艦をオートに切り替え、総員最上甲板へ」
前部最上甲板の舷梯を上がって、カウボーイ姿の少女が現れた。ブルネットのポニーテールをぶん回すと、ブリッジのみんなと目が合った。
いやはや……
激闘の後で、ロデオを幾つもこなしたようにボロボロ。チェックのシャツはあちこち綻びて、右の袖は取れかけ、ジーパンは膝とお尻に穴が開いて、自然すぎるダメージジーンズになっている。ポニーテールも熊手の先を無理やり縛ったみたいで、なんともワイルドな姿。
「アハハ、ちょっとみっともないね(^_^;)」
そう言って、膝とお尻を撫でると、破れ目が塞がった。それから、ちょっと髪を撫でると熊手の先を括りました状態が、箒の先を括りましたくらいに修復された。
「助けてくれてありがとう。あたし、テキサス・ジェーン! よろしく! あ、三笠への乗艦許可に感謝します!」
思い出したように、胸を張って敬礼する。
「み、三笠への乗艦を歓迎します」
ジェーンの胸に目がいって、ちょっとアタフタしてしまった。
ドジなアタフタは、すぐにバレて、みんなが笑う。
女子二人の目が尖っていたけど、生き生きとした、ジェーンの姿に、俺たちは好感を持った。
☆ 主な登場人物
修一 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉 横須賀国際高校二年 航海長
天音 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
10[テキサスジェーン・1]
三笠は、俺(修一)、樟葉、天音、トシ四人の思い出をエネルギーに最初のワープを行った。
―― 最初のワープだから、1パーセク(3・26光年)にしておくわね。樟葉さん舵輪へ。トシ君はエンジンテレグラフの前へ ――
三笠と同体化したみかさんが指示する。アバターの時と違って、艦の全体から声がするので、なんか包み込まれたような安心感がある。
「あ、なんかいいっす(^o^;)」
トシがデレて、みんなクスリと笑った。
樟葉とトシが配置につき、俺と天音はシートについた。
―― じゃ、修一君。あとはよろしく ――
「お、おお」
一瞬たじろいだが、マニュアルが頭に入っているようで、直ぐに指示が口をついて出てくる。
「面舵3度……切れたところで、前進強速、ワープレベル」
「面舵3度、ヨーソロ……」
「前進強速……ワープ!」
シャーーーーーって音がするわけじゃないんだけど。
ブリッジから見える星々は、シャワーのように後方へ流れて行った。
「……ワープ完了。冥王星から1パーセク」
「対空警戒。レベル10」
「レベル10……左舷12度、20万キロ方向にグリンヘルドの編隊多数……23万キロで戦闘中の艦あり!」
「どこの船だ!?」
「アメリカのテキサス。苦戦中の模様。モニターに出す」
天音がメインモニターに切り替える。
テキサスは、110年前に竣工したアメリカの現存戦艦の中では最古参だ。第一次大戦と第二次大戦の両方を現役として戦い、今はヒューストン・シップ・チャネルに合衆国特定歴史建造物に指定保存されている。三笠程ではないが、クラシックな艦体をくねらせながら、全砲門を開いて寄せくるグリンヘルドの攻撃隊と獅子奮迅の激闘中だ。
「何発か食らってる。あの大編隊の二次攻撃に晒されたら持たないかもしれない。グリンヘルド二次攻撃隊に三式光子弾攻撃。取り舵20。右舷で攻撃する!」
三笠は、20度左に旋回、右舷の全砲門をグリンヘルドの二次攻撃隊に向けた。
「照準完了!」
「テーッ!」
シュビビビビーーーン!
主砲と右舷の砲門が一斉に火を噴き、亜光速の光子弾が連続射撃された。
遠くでいくつもの閃光、学校の屋上から見た『よこすか開国花火大会』に似ている。30秒余りでグリンヘルドの二次攻撃隊を壊滅させると、三笠はテキサスの救援に向かった。
「テキサスがいるから、光子弾は使えない。フェザーで対応、あたし一人じゃ手におえないから、みんなも意識を集中して!」
天音が叫んだ。実際グリンヘルドの一次攻撃隊の一部は三笠にも攻撃を仕掛けてきている。
三笠の機能は、基本的にはそれぞれの持ち場が決まっていたが、危機的な局面では全員が特定の部署に意識を集中させ効率を上げる仕組みになっている。
光子弾は長距離攻撃には絶大な威力を発揮するが、その威力の大きさから、味方が傍にいる場合は使えない。三笠は30分余りをかけて、グリンヘルドの周囲を繭を紡ぐように周って一次攻撃隊の残りを撃破した。
「各部被害報告!」
俺の呼びかけに「被害なし」の声が続いた。
「テキサスは!?」
「中破。オートでダメージコントロールに入った模様」
「テキサスから、だれか来るわ……艦長よ。乗艦許可を求めてる」
「乗艦を許可。操艦をオートに切り替え、総員最上甲板へ」
前部最上甲板の舷梯を上がって、カウボーイ姿の少女が現れた。ブルネットのポニーテールをぶん回すと、ブリッジのみんなと目が合った。
いやはや……
激闘の後で、ロデオを幾つもこなしたようにボロボロ。チェックのシャツはあちこち綻びて、右の袖は取れかけ、ジーパンは膝とお尻に穴が開いて、自然すぎるダメージジーンズになっている。ポニーテールも熊手の先を無理やり縛ったみたいで、なんともワイルドな姿。
「アハハ、ちょっとみっともないね(^_^;)」
そう言って、膝とお尻を撫でると、破れ目が塞がった。それから、ちょっと髪を撫でると熊手の先を括りました状態が、箒の先を括りましたくらいに修復された。
「助けてくれてありがとう。あたし、テキサス・ジェーン! よろしく! あ、三笠への乗艦許可に感謝します!」
思い出したように、胸を張って敬礼する。
「み、三笠への乗艦を歓迎します」
ジェーンの胸に目がいって、ちょっとアタフタしてしまった。
ドジなアタフタは、すぐにバレて、みんなが笑う。
女子二人の目が尖っていたけど、生き生きとした、ジェーンの姿に、俺たちは好感を持った。
☆ 主な登場人物
修一 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉 横須賀国際高校二年 航海長
天音 横須賀国際高校二年 砲術長
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