27 / 50
27[フィフスのクレージードリル(訓練)]
しおりを挟む
宇宙戦艦三笠
27[フィフスのクレージードリル(訓練)]
最初は、単なるジャンケンだった。
ロボットが相手だったが、スキルを人間程度に設定してあったので、まあ、十回勝負で六勝四敗というところだった。
「さあ、これが出発点だ」
と、言われても、先が読めない。
「こんなので訓練になるのか?」
天音が口を尖らせる。
天音は父が職業自衛官だったので、横須賀の親類に引き取られるまで、父の転勤に付き合って何度も引っ越している。ゆく先々で頼れる者は自分一人「揉まれているうちに度胸も付いて勘も良くなった」と言っているが、俺は、持って生まれたものだと思う。
ケンカや勝負ごとに勝った時に「天音の強さは生まれつきだもんな」と言って張り倒されたことがある。
「強いなんて言うなっ!」
褒めたのに、なんでキレるんだ?
後で樟葉が話してくれた。
「天音はね、自分が弱くて大人しい子だったら、お父さんはPKOなんかに行って死ぬことは無かったと思ってる」
「あ……」
「いくら自衛隊でも父子家庭の下士官を引っ張っていくことはしないよ。でもね、大変なPKO任務に志願して行ったお父さんは天音の誇りでもあるんだよ」
高校生になって『二律背反』という言葉を習った。俺の『二律背反』は天音の顔をしている。
そんなことを思い出したら、ミカさんの頬がポッと赤くなった。みかさんは、今の思い出をエネルギーに変換したんだ。三笠は俺たちの思い出をエネルギーにしている。
そんなミカさんの足元に四匹の猫がすり寄って来る……こいつら、三笠のネコメイドたちだ(^_^;)。こいつらはミカさんからエネルギー貰ってんのか?
ミャーー(^▽^)
「今のは人間と同じ設定だったので、君たちの実力がそのまま出ておる。今度はロボットのスキルをマックスに上げる。ロボットは、君たちの表情や息遣いからちょっとした変化まで解析してジャンケンをする。君たちは、そのロボットの解析を読んで対応してもらう」
今度は完敗だった。
ガルルルル
天音が唸ってる。ほんとはただの勝負好きなのかもな(^_^;)
振り向くと、ミカさんまで負けている。船霊のみかさんが勝てないのなら、仕方がないと俺たちは思った。
「はああ……だめじゃのう。これが戦闘なら、全滅じゃ」
ナンノ・ヨーダは四等身の頭を振ってため息をついた。
「だって、ミカさんだって勝てないんだよ(>0<)」
トシがプータレる。
「船霊は、クルーの能力に合わせて成長する。船霊とはそういうもんだ」
「テヘペロ(๑´ڡ`๑)」
ミカさんはテヘペロで誤魔化す。ウレシコワは船を下りた船霊だったので、湯気を立てながらも寂しい顔をしている。クレアは、元々前世期のボイジャーだったので、CPの能力が追いついてこない様子だった。
「負けても仕方がないと思っとるじゃろ、しょせんジャンケンは運しだいじゃと。その負けても仕方がないでは、グリンヘルドにもシュトルハーヘンにも勝てん。今度はやり方を変える。参加するロボットを百万にまで増やす。そして、君たちを含め全員に百円を持ってもらう。二人一組で始め、勝った方が勝った者同士でまた一対一の勝負。簡単な計算じゃが、最後の勝者は一億円を手にすることになる。それでは、勝負じゃ!」
ザワ
百万のロボットが転送されると圧を感じる。ネコメイドたちは、どこかに消えてしまった。
「オーーーーシ!」
天音は両の手の平を交差させて組んで覗き込むっちゅう伝統的準備姿勢!
すると、ロボットの半分以上が真似をするが、関節のリミッターを超えてしまうのか、こんぐらがって取れなくなってしまう。
「おまえたちは、真似せんでいい!」
ヨーダのこめかみがピクピク震える。
真似しなかったロボットたちが直してやって、仕切り直し。
最初はグー、ジャンケン、ポン!!
百万と八人の声がダススターに轟いた。
無邪気な欲と言うのは恐ろしいもので、数回繰り返しているうちに三笠組の八人が残るようになり、最後の勝者は俺一人になった。
「これで良い。無邪気な欲が勝利に繋がる。これが実戦なら、三笠の大勝利じゃ!」
が、これで終わりではなかった。
次に、レフトセーバーの使い方の訓練であった。レフトとは心臓が左側にあることからついた名前だ。
人間は最後に心臓を守ろうとする。人と並ぶとき左側に人に立たれると、なんとなく落ち着かないことや、喫茶店、映画館のシートが左側から埋まっていくことなどにも現れているんだそうだ。樟葉は単に著作権の問題かと思ったが、ミカさんと目が合うと、ミカさんは、ただニッコリ笑みを返してきただけだ。
「よいか、やみくもにセ-バーを振り回しても勝てやせん。心の中にプレステのコントローラーを思い浮かべよ。そのコントローラーで操作するようにやれば、勝利は疑い無し。励め!」
「でも、なんでプレステのコントローラー? うちXボックスなんだけど」
「プレステはフォーまできておる。フィフスは、それを超えるものじゃからじゃ!」
「プレステは5(ファイブ)まで出てるんだけど」
自分は持っていないくせに、トシが苦情を言う。
「ファイブは半導体不足で品薄じゃ!」
ヨーダも負けてはいない(^_^;)
ダジャレとこじつけみたいだったが、やってみると、なるほど上達が早かった。
他にも、様々な訓練(ドリル)が課された。中には、ここで書けないような内容も含まれているが、それではつまらないので、その一端を紹介しよう。
セックスアタックへの耐性訓練と言うのがある。バーチャルではあるが、絶世のイケメンと美少女の誘惑に勝つ訓練だ。三笠のクルーは、みんな高校生という多感な年ごろ、ウレシコワやクレアも入れ物としての体は少女だ。反応は人間と変わらない。
詳述は省くが、この訓練がもっとも大変だった。三笠組は年頃であるということとラノベのキャラであるということで、この種の誘惑には弱かった。レイマ姫は過去に訓練を受けていた様子だった。で、この訓練が一番つらいことを知っていた様子であるが、この訓練のときだけ標準語になることが可笑しかった。
かくして、ひと月にわたる訓練が終わり、各自のHPとMPが発表された。ゲームで言えば、初回最後のボス戦の時のような数値だった。
「これからは、実戦が訓練であると思って頑張りたまえ!」
ナンノ・ヨーダは、そう締めくくった。クルーたちは、まるでチュートリアルを終えたばかりのゲーマーのように新鮮な闘志に燃えていた。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
クレア ボイジャーが擬人化したもの
ウレシコワ 遼寧=ワリヤーグの船霊
こうちゃん ろんりねすの星霊
レイマ姫 暗黒星団の王女 主計長
27[フィフスのクレージードリル(訓練)]
最初は、単なるジャンケンだった。
ロボットが相手だったが、スキルを人間程度に設定してあったので、まあ、十回勝負で六勝四敗というところだった。
「さあ、これが出発点だ」
と、言われても、先が読めない。
「こんなので訓練になるのか?」
天音が口を尖らせる。
天音は父が職業自衛官だったので、横須賀の親類に引き取られるまで、父の転勤に付き合って何度も引っ越している。ゆく先々で頼れる者は自分一人「揉まれているうちに度胸も付いて勘も良くなった」と言っているが、俺は、持って生まれたものだと思う。
ケンカや勝負ごとに勝った時に「天音の強さは生まれつきだもんな」と言って張り倒されたことがある。
「強いなんて言うなっ!」
褒めたのに、なんでキレるんだ?
後で樟葉が話してくれた。
「天音はね、自分が弱くて大人しい子だったら、お父さんはPKOなんかに行って死ぬことは無かったと思ってる」
「あ……」
「いくら自衛隊でも父子家庭の下士官を引っ張っていくことはしないよ。でもね、大変なPKO任務に志願して行ったお父さんは天音の誇りでもあるんだよ」
高校生になって『二律背反』という言葉を習った。俺の『二律背反』は天音の顔をしている。
そんなことを思い出したら、ミカさんの頬がポッと赤くなった。みかさんは、今の思い出をエネルギーに変換したんだ。三笠は俺たちの思い出をエネルギーにしている。
そんなミカさんの足元に四匹の猫がすり寄って来る……こいつら、三笠のネコメイドたちだ(^_^;)。こいつらはミカさんからエネルギー貰ってんのか?
ミャーー(^▽^)
「今のは人間と同じ設定だったので、君たちの実力がそのまま出ておる。今度はロボットのスキルをマックスに上げる。ロボットは、君たちの表情や息遣いからちょっとした変化まで解析してジャンケンをする。君たちは、そのロボットの解析を読んで対応してもらう」
今度は完敗だった。
ガルルルル
天音が唸ってる。ほんとはただの勝負好きなのかもな(^_^;)
振り向くと、ミカさんまで負けている。船霊のみかさんが勝てないのなら、仕方がないと俺たちは思った。
「はああ……だめじゃのう。これが戦闘なら、全滅じゃ」
ナンノ・ヨーダは四等身の頭を振ってため息をついた。
「だって、ミカさんだって勝てないんだよ(>0<)」
トシがプータレる。
「船霊は、クルーの能力に合わせて成長する。船霊とはそういうもんだ」
「テヘペロ(๑´ڡ`๑)」
ミカさんはテヘペロで誤魔化す。ウレシコワは船を下りた船霊だったので、湯気を立てながらも寂しい顔をしている。クレアは、元々前世期のボイジャーだったので、CPの能力が追いついてこない様子だった。
「負けても仕方がないと思っとるじゃろ、しょせんジャンケンは運しだいじゃと。その負けても仕方がないでは、グリンヘルドにもシュトルハーヘンにも勝てん。今度はやり方を変える。参加するロボットを百万にまで増やす。そして、君たちを含め全員に百円を持ってもらう。二人一組で始め、勝った方が勝った者同士でまた一対一の勝負。簡単な計算じゃが、最後の勝者は一億円を手にすることになる。それでは、勝負じゃ!」
ザワ
百万のロボットが転送されると圧を感じる。ネコメイドたちは、どこかに消えてしまった。
「オーーーーシ!」
天音は両の手の平を交差させて組んで覗き込むっちゅう伝統的準備姿勢!
すると、ロボットの半分以上が真似をするが、関節のリミッターを超えてしまうのか、こんぐらがって取れなくなってしまう。
「おまえたちは、真似せんでいい!」
ヨーダのこめかみがピクピク震える。
真似しなかったロボットたちが直してやって、仕切り直し。
最初はグー、ジャンケン、ポン!!
百万と八人の声がダススターに轟いた。
無邪気な欲と言うのは恐ろしいもので、数回繰り返しているうちに三笠組の八人が残るようになり、最後の勝者は俺一人になった。
「これで良い。無邪気な欲が勝利に繋がる。これが実戦なら、三笠の大勝利じゃ!」
が、これで終わりではなかった。
次に、レフトセーバーの使い方の訓練であった。レフトとは心臓が左側にあることからついた名前だ。
人間は最後に心臓を守ろうとする。人と並ぶとき左側に人に立たれると、なんとなく落ち着かないことや、喫茶店、映画館のシートが左側から埋まっていくことなどにも現れているんだそうだ。樟葉は単に著作権の問題かと思ったが、ミカさんと目が合うと、ミカさんは、ただニッコリ笑みを返してきただけだ。
「よいか、やみくもにセ-バーを振り回しても勝てやせん。心の中にプレステのコントローラーを思い浮かべよ。そのコントローラーで操作するようにやれば、勝利は疑い無し。励め!」
「でも、なんでプレステのコントローラー? うちXボックスなんだけど」
「プレステはフォーまできておる。フィフスは、それを超えるものじゃからじゃ!」
「プレステは5(ファイブ)まで出てるんだけど」
自分は持っていないくせに、トシが苦情を言う。
「ファイブは半導体不足で品薄じゃ!」
ヨーダも負けてはいない(^_^;)
ダジャレとこじつけみたいだったが、やってみると、なるほど上達が早かった。
他にも、様々な訓練(ドリル)が課された。中には、ここで書けないような内容も含まれているが、それではつまらないので、その一端を紹介しよう。
セックスアタックへの耐性訓練と言うのがある。バーチャルではあるが、絶世のイケメンと美少女の誘惑に勝つ訓練だ。三笠のクルーは、みんな高校生という多感な年ごろ、ウレシコワやクレアも入れ物としての体は少女だ。反応は人間と変わらない。
詳述は省くが、この訓練がもっとも大変だった。三笠組は年頃であるということとラノベのキャラであるということで、この種の誘惑には弱かった。レイマ姫は過去に訓練を受けていた様子だった。で、この訓練が一番つらいことを知っていた様子であるが、この訓練のときだけ標準語になることが可笑しかった。
かくして、ひと月にわたる訓練が終わり、各自のHPとMPが発表された。ゲームで言えば、初回最後のボス戦の時のような数値だった。
「これからは、実戦が訓練であると思って頑張りたまえ!」
ナンノ・ヨーダは、そう締めくくった。クルーたちは、まるでチュートリアルを終えたばかりのゲーマーのように新鮮な闘志に燃えていた。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
クレア ボイジャーが擬人化したもの
ウレシコワ 遼寧=ワリヤーグの船霊
こうちゃん ろんりねすの星霊
レイマ姫 暗黒星団の王女 主計長
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
日露戦争の真実
蔵屋
歴史・時代
私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。
日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。
日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。
帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。
日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。
ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。
ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。
深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。
この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる