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26[ダススターとヨーダ]
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宇宙戦艦三笠
26[ダススターとヨーダ]
一言で言って、クレーターの中は一見ガランドーだった。
モニターで拡大すると、ガランドーの中には神経細胞のシナプスのようなものがあって、それぞれがニューロンのような突起を張り出している。突起の先にはゴミのようなものが付いているが、よく分からない。
なんだ、あのシナプスとニューロンは?
「シナプスはベース(基地)、ニューロンは港の埠頭のようなものよ」
クレアが冷静に解析してくれる
ガチーーン
誘導ビームは――しっかり掴まえたぞ――という感じの牽引ビームに切り替わって、速度は落ちたがレールに載っているような確かさで引っ張られていく。
三笠は、アルファ星のど真ん中にある巨大シナプスのニューロンの一つに接岸した。
「おお、これは……」
「ニューロンの突起のように見えてたのは、全て戦闘艦や戦闘機だよ……!」
ニューロンの埠頭を歩きながらトシが、感激の声を上げた。
「いったいどれだけの数なんだ……」
演習で、レイマが言っていた数字がハッタリでないことがよく分かった。
いつも、俺の喜怒哀楽に茶々を入れる天音も、それを程よくいなしてくれる樟葉も黙ったままだ。
クレアは観察と演算のし過ぎで頭に放熱の陽炎が立っている。
ウレシコワは数歩先の地面だけを見て歩いている。ソ連、ウクライナ、中国と流浪の半生だったので、余計なものは見ないという習慣がついているのかもしれない。
これだけのベースと戦闘艦艇を持っていても、星として観察するとスカスカ。リアルの星の密度の凄さには及ばない。その星々を数光年、数十光年、数百光年の隔たりをもって、無限に抱えている宇宙というのは、泣きたくなるほどに広大なんだ。
この旅が終わったら、俺は宗教の一つや二つは起こせるかもかもしれない。
戦後、真珠湾攻撃体の飛行隊長だった淵田中佐は、戦後キリスト教の伝道者になったし、アポロ計画で月に行った宇宙飛行士の中にも宣教者になった者がいるという。
埠頭の向こうに人が現れた。
人型のロボットを二台連れている。ロボットは中学生ぐらいの背丈だが、人間の方は、それよりも低い、いや小さい。
「アルファ星にようこそ。姫には申し訳ありませんが、念のためダススターに寄ってもらいました。お許しを」
「やっぱり、わの考えだげでは頼りねようだね」
「畏れながら、10万機の飽和攻撃のシュミレーションで、船が大破、艦長戦死の結果では、暗黒星団からお出しするわけにはまいりません」
「ハー、やっぱり、あれやるんだが?」
「ベー卿も同意です、殿下」
レイマ姫は、思い切り嫌な顔(⁎ꈍ﹃ก⁎)をした。
「このアルファ星は、通称ダススターと呼ばれておりましてな。暗黒星雲の中にあるベースの一つです。あなたがたには姫といっしょにフィフスの訓練を受けてもらいます。おお、わたしとしたことが自己紹介を忘れておりましたな」
「この爺っちゃは、暗黒星団一のジョーダンマスターだす。ジョーダンでしゃべっても冗談の通ずるふとでねはんで、そのづもりで」
レイマが前フリをした。
「わたしは、地球で言えば大統領補佐官兼特殊部隊の指揮官と教官を兼ねたことをやっとります。名前はナンノ・ヨーダ。ナンノが苗字で、ヨーダが名前です」
「で……ナンノ先生、我々が受ける、そのフィフスの訓練とは、どういうものなんだろうか?」
天音が恐る恐る聞いた。恐る恐るでもタメ口だけどな。ウレシコワは黙ってついてくる。大昔のソ連を擬人化したような沈黙だ。クレアは五感のスイッチを切ったのか、頭に陽炎をたてることもなく、外交的笑顔になり、トシは早くも疲れが出たのか背中が丸い。
ミカさんは分身を同伴させてくれた。日本の神さまは便利で、分祀という形で、いくらでも分身がきいた。ミカさんは年季の入ったアルカイックスマイルだ。
埠頭を過ぎると、管制塔のような建物の中に入った。
「このダススターには、君たちが考えているより一桁多い艦艇と作戦機がいる。きたるべきグリンヘルドとシュトルハーヘンとの戦いに備えてのことです」
「この暗黒星団は、グリンヘルドもシュトルハーヘンも敬遠してるんじゃないですか?」
「今の段階ではのう。しかし、将来は分からん。げんにこうして三笠の諸君が、ここにいる。君たちが来られるということは、敵がいつ来てもおかしくない……ですなレイマ姫」
「……んだの、ヨーダ」
それから、三笠のクルーたちはフィフスの訓練に入った。なんでフィフスというのか不思議だったが、答えは簡単だった。
「フォース(4th)の上をいくものだからです」
「ああ、5th(五番目)」
簡単に言えば第六感を磨き、その5thにふさわしい魔術を身につけることらしい。
五番目で第六感……それなら、6th(シクスス)とか言えばいいのに。
―― ヨーダのジョーク ――と、レイマが囁く。
「第六感というのは、閃くもので、人の意思ではコントロールができません。意志によって、自由に操れるのがフィフスなのです。コントロールできる第六感、故に、その手前のフィフスというわけですな」
えーーほんとかなあ(^_^;) なるほどぉ むむむ 反応はさまざま。
で、その最初は、ナンノ・ヨーダが連れていた二台のロボットとジャンケンすることから始まった……。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
クレア ボイジャーが擬人化したもの
ウレシコワ 遼寧=ワリヤーグの船霊
こうちゃん ろんりねすの星霊
レイマ姫 暗黒星団の王女 主計長
26[ダススターとヨーダ]
一言で言って、クレーターの中は一見ガランドーだった。
モニターで拡大すると、ガランドーの中には神経細胞のシナプスのようなものがあって、それぞれがニューロンのような突起を張り出している。突起の先にはゴミのようなものが付いているが、よく分からない。
なんだ、あのシナプスとニューロンは?
「シナプスはベース(基地)、ニューロンは港の埠頭のようなものよ」
クレアが冷静に解析してくれる
ガチーーン
誘導ビームは――しっかり掴まえたぞ――という感じの牽引ビームに切り替わって、速度は落ちたがレールに載っているような確かさで引っ張られていく。
三笠は、アルファ星のど真ん中にある巨大シナプスのニューロンの一つに接岸した。
「おお、これは……」
「ニューロンの突起のように見えてたのは、全て戦闘艦や戦闘機だよ……!」
ニューロンの埠頭を歩きながらトシが、感激の声を上げた。
「いったいどれだけの数なんだ……」
演習で、レイマが言っていた数字がハッタリでないことがよく分かった。
いつも、俺の喜怒哀楽に茶々を入れる天音も、それを程よくいなしてくれる樟葉も黙ったままだ。
クレアは観察と演算のし過ぎで頭に放熱の陽炎が立っている。
ウレシコワは数歩先の地面だけを見て歩いている。ソ連、ウクライナ、中国と流浪の半生だったので、余計なものは見ないという習慣がついているのかもしれない。
これだけのベースと戦闘艦艇を持っていても、星として観察するとスカスカ。リアルの星の密度の凄さには及ばない。その星々を数光年、数十光年、数百光年の隔たりをもって、無限に抱えている宇宙というのは、泣きたくなるほどに広大なんだ。
この旅が終わったら、俺は宗教の一つや二つは起こせるかもかもしれない。
戦後、真珠湾攻撃体の飛行隊長だった淵田中佐は、戦後キリスト教の伝道者になったし、アポロ計画で月に行った宇宙飛行士の中にも宣教者になった者がいるという。
埠頭の向こうに人が現れた。
人型のロボットを二台連れている。ロボットは中学生ぐらいの背丈だが、人間の方は、それよりも低い、いや小さい。
「アルファ星にようこそ。姫には申し訳ありませんが、念のためダススターに寄ってもらいました。お許しを」
「やっぱり、わの考えだげでは頼りねようだね」
「畏れながら、10万機の飽和攻撃のシュミレーションで、船が大破、艦長戦死の結果では、暗黒星団からお出しするわけにはまいりません」
「ハー、やっぱり、あれやるんだが?」
「ベー卿も同意です、殿下」
レイマ姫は、思い切り嫌な顔(⁎ꈍ﹃ก⁎)をした。
「このアルファ星は、通称ダススターと呼ばれておりましてな。暗黒星雲の中にあるベースの一つです。あなたがたには姫といっしょにフィフスの訓練を受けてもらいます。おお、わたしとしたことが自己紹介を忘れておりましたな」
「この爺っちゃは、暗黒星団一のジョーダンマスターだす。ジョーダンでしゃべっても冗談の通ずるふとでねはんで、そのづもりで」
レイマが前フリをした。
「わたしは、地球で言えば大統領補佐官兼特殊部隊の指揮官と教官を兼ねたことをやっとります。名前はナンノ・ヨーダ。ナンノが苗字で、ヨーダが名前です」
「で……ナンノ先生、我々が受ける、そのフィフスの訓練とは、どういうものなんだろうか?」
天音が恐る恐る聞いた。恐る恐るでもタメ口だけどな。ウレシコワは黙ってついてくる。大昔のソ連を擬人化したような沈黙だ。クレアは五感のスイッチを切ったのか、頭に陽炎をたてることもなく、外交的笑顔になり、トシは早くも疲れが出たのか背中が丸い。
ミカさんは分身を同伴させてくれた。日本の神さまは便利で、分祀という形で、いくらでも分身がきいた。ミカさんは年季の入ったアルカイックスマイルだ。
埠頭を過ぎると、管制塔のような建物の中に入った。
「このダススターには、君たちが考えているより一桁多い艦艇と作戦機がいる。きたるべきグリンヘルドとシュトルハーヘンとの戦いに備えてのことです」
「この暗黒星団は、グリンヘルドもシュトルハーヘンも敬遠してるんじゃないですか?」
「今の段階ではのう。しかし、将来は分からん。げんにこうして三笠の諸君が、ここにいる。君たちが来られるということは、敵がいつ来てもおかしくない……ですなレイマ姫」
「……んだの、ヨーダ」
それから、三笠のクルーたちはフィフスの訓練に入った。なんでフィフスというのか不思議だったが、答えは簡単だった。
「フォース(4th)の上をいくものだからです」
「ああ、5th(五番目)」
簡単に言えば第六感を磨き、その5thにふさわしい魔術を身につけることらしい。
五番目で第六感……それなら、6th(シクスス)とか言えばいいのに。
―― ヨーダのジョーク ――と、レイマが囁く。
「第六感というのは、閃くもので、人の意思ではコントロールができません。意志によって、自由に操れるのがフィフスなのです。コントロールできる第六感、故に、その手前のフィフスというわけですな」
えーーほんとかなあ(^_^;) なるほどぉ むむむ 反応はさまざま。
で、その最初は、ナンノ・ヨーダが連れていた二台のロボットとジャンケンすることから始まった……。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
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