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25[暗黒星雲 ど根性レイマ姫]
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宇宙戦艦三笠
25[暗黒星雲 ど根性レイマ姫]
「ただ今の戦闘ぉ、三笠大破ぁ、航行不能ぉ。艦長と砲術長戦死だ~す( ´ ▽ ` )」
可愛い顔で、レイマ姫は宣告した。
「今の設定ありえねーよ! 両舷から10万機の飽和攻撃なんて、攻撃側も味方の弾くらって、二割がたの損失は出てるっての! なあ、クレア!?」
子どもみたいに拳を上げるトシ。
「あ、えと、10万機の戦闘機を、一度に管制して攻撃する能力は、わたしの知っている限り、ありえません」
「そりゃ、クレアさんは、元ボイジャーでぇ、相当の宇宙情報持ってらげども、全ででねわ。わんど暗黒星団観測すた限りは、グリンヘルドもシュトルハーヘンも、こぃぐらいの戦闘は普通にこなすだ」
「でも、同士討ちの二割に、三笠が撃破した分を入れれば6万機の喪失よ。部隊としては壊滅。次の作戦に差し支えるわ」
「そうだ。仮にあたしたちを撃破したとしても、他の国の艦隊がいるぞ。それに対する準備も……」
樟葉も天音も自分の立場から反論する。
「でもさ、考えてみたら、そのありえないことでソ連は壊滅したんだよ。レーガンの際限もない軍備拡張に、ソ連はかなわなかった」
ウレシコワはソ連時代の感覚でレイマの肩を持つ。
「なんど、日本人の末裔だべな。第二次大戦で、負げるど分がってながら、神風やったんだべな。あれ、アメリカは想定外であったって、恐れてながらも尊敬すてらってダースのお祖父ぢゃんも褒めぢゃーよ」
「あ、でも、俺たちは寒冷化防止装置を取りに行くんだから……」
「分がってらわ艦長。死んでまったっきゃなんにもなねものね。い、わーがしゃべりでのは、それぐらいの前向ぎな敢闘精神で取り組まねばぁ、腕は上がねっていうごどなのよ。見でけ、この数字!」
レイマがクリックすると、モニターに数字が現れた。
損失:485 損傷:2707 戦死搭乗員:3044
「え! いつの結果だったっけ!?」
知らない数字らしく、クレアは真剣な顔でモニターを見上げる。
「こぃは、大東亜戦争で米軍が被ったB29の被害よ」
喪失と損傷を合わせると3000機を超える。
「3192だ」
天音が正確な数字を言う。さすが砲術長。
もう一度クリックすると、2505という数字が出てきた。
?
「終戦までに製造されだったB29の数だよ」
「え、間違ってないか、撃墜撃破が生産機数よりも多いぞ」
「撃破されだのは修理すて、まだ使ったはんでね」
「それでも、3044人の戦死はけっこうな数字よね……」
樟葉は、機体の被害よりも戦死者の数を気にして眉を顰める。
「なんどの先人は、困難な戦況の中で、こんきの成果上げであったのよ」
「で、でも、日本は負けちまったんだろ。そんなこと自慢にならねえよ」
トシが口を尖らせる。
「そうがなあ、ニ十一世紀の今日までのスパンで考えだっきゃね。大東亜戦争って野球さ例えだっきゃ、せいぜい二回の裏。いまの繁栄やら世界がらの尊敬考えだっきゃ十分勝ってらど思うわよ」
あ、なんか意表を突かれた感じがしたぞ。
「でも、何百光年も離れた暗黒星団が、そこまで地球の事を気にかけてるって、なんか……不思議」
「そう? だって、観察すてあったはんでごそ、こうやって出会えだ時さ、いっぱいお話がでぎるでね。ウクライナだって、自分の戦争さ必死の時さ、世界の穀物状況や日本の北方領土のごど気にかげでらでね(^▽^)」
「あ……」
レイマは、ちゃんとウレシコワの、ウレシコワ自身でも揺れているアイデンテティーを踏まえて話しをくれている。こいつは、ただのギャップ萌えのお姫様ではないかもしれない。
「あはは、みんな熱心さ聞いでけるはんで、つい生意気しゃべってまったぁ(*ノωノ)。話戻すわね。ま、最初のエクササイズはグリンヘルドの攻撃だげで瞬殺さぃであったはんで、進歩ってば進歩じゃね。もう一回クレアさんとスミュレーションすなおすてけでみるはんで。天音砲術長もよろすくだ」
「お、おう、任しとけ!」
―― 可愛い顔して、あの子、わりとやるもんだねと…… ――
俺の頭には、祖父ちゃんが歌っていた懐メロのイントロが、リフレインした。
「あ……!」
「どうかした、レイマ姫」
トシが、急に立ちあがったレイマ姫に声を掛ける。CICに走りかけていた天音も、思わず振り返った。
「申す訳ね、わんつか寄り道すてもらえねだびょんか」
こめかみを押えて、めちゃくちゃ可愛い顔でお願いするレイマは反則だ!
「じつはぁ……(-_-;)」
レイマ姫は、暗黒星団の防衛軍があるアルファ星からサイコ通信が入ってきたと言って目を伏せた。
「艦長、申すわげねが、アルファ星さ寄ってもらえねだびょんか」
納得はしたものの、あの厳しい演習が始まるのかとゲンナリしていたクルーたちは、レイマ姫の予定変更を歓迎した。
「見たところ、大きさも環境も月と変わりません。地表はクレーターが多くて、人工構造物は感知できません」
クレアの観察だった。
「あの星のどこに、秘密基地があるんだ?」
「近づげば、分がるわ(ಠ_ಠ )」
レイマ姫は、快活そうに、でも目は真剣……というより、厄介なことになるなという色をしていた。
「え……え、そんな!?」
クレアが驚きの声を上げた。
「分がった?」
「容積のわりに質量が小さい、小さすぎです。たった今感知しました。たった今まで月と同じ数値だったのに……」
三笠の固有アナライザーは、あいかわらず月と変わらないデータを表示していた。
「10万キロさ近づぐど、クレアさんみだいな優秀なアナライザーには、分がってまるんだぁ。アルファ星は人工の星だびょん」
デススターか!?
周回軌道に乗ると、極に近いクレーターが開くのが分かった。
「「「「おお!」」」」
「構造物は、全て星の内部にあるのか……」
俺たちは驚きの声を上げた。
三笠は誘導ビームに従ってクレーターの中に入って行った……。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
クレア ボイジャーが擬人化したもの
ウレシコワ 遼寧=ワリヤーグの船霊
こうちゃん ろんりねすの星霊
レイマ姫 暗黒星団の王女 主計長
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「ただ今の戦闘ぉ、三笠大破ぁ、航行不能ぉ。艦長と砲術長戦死だ~す( ´ ▽ ` )」
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「今の設定ありえねーよ! 両舷から10万機の飽和攻撃なんて、攻撃側も味方の弾くらって、二割がたの損失は出てるっての! なあ、クレア!?」
子どもみたいに拳を上げるトシ。
「あ、えと、10万機の戦闘機を、一度に管制して攻撃する能力は、わたしの知っている限り、ありえません」
「そりゃ、クレアさんは、元ボイジャーでぇ、相当の宇宙情報持ってらげども、全ででねわ。わんど暗黒星団観測すた限りは、グリンヘルドもシュトルハーヘンも、こぃぐらいの戦闘は普通にこなすだ」
「でも、同士討ちの二割に、三笠が撃破した分を入れれば6万機の喪失よ。部隊としては壊滅。次の作戦に差し支えるわ」
「そうだ。仮にあたしたちを撃破したとしても、他の国の艦隊がいるぞ。それに対する準備も……」
樟葉も天音も自分の立場から反論する。
「でもさ、考えてみたら、そのありえないことでソ連は壊滅したんだよ。レーガンの際限もない軍備拡張に、ソ連はかなわなかった」
ウレシコワはソ連時代の感覚でレイマの肩を持つ。
「なんど、日本人の末裔だべな。第二次大戦で、負げるど分がってながら、神風やったんだべな。あれ、アメリカは想定外であったって、恐れてながらも尊敬すてらってダースのお祖父ぢゃんも褒めぢゃーよ」
「あ、でも、俺たちは寒冷化防止装置を取りに行くんだから……」
「分がってらわ艦長。死んでまったっきゃなんにもなねものね。い、わーがしゃべりでのは、それぐらいの前向ぎな敢闘精神で取り組まねばぁ、腕は上がねっていうごどなのよ。見でけ、この数字!」
レイマがクリックすると、モニターに数字が現れた。
損失:485 損傷:2707 戦死搭乗員:3044
「え! いつの結果だったっけ!?」
知らない数字らしく、クレアは真剣な顔でモニターを見上げる。
「こぃは、大東亜戦争で米軍が被ったB29の被害よ」
喪失と損傷を合わせると3000機を超える。
「3192だ」
天音が正確な数字を言う。さすが砲術長。
もう一度クリックすると、2505という数字が出てきた。
?
「終戦までに製造されだったB29の数だよ」
「え、間違ってないか、撃墜撃破が生産機数よりも多いぞ」
「撃破されだのは修理すて、まだ使ったはんでね」
「それでも、3044人の戦死はけっこうな数字よね……」
樟葉は、機体の被害よりも戦死者の数を気にして眉を顰める。
「なんどの先人は、困難な戦況の中で、こんきの成果上げであったのよ」
「で、でも、日本は負けちまったんだろ。そんなこと自慢にならねえよ」
トシが口を尖らせる。
「そうがなあ、ニ十一世紀の今日までのスパンで考えだっきゃね。大東亜戦争って野球さ例えだっきゃ、せいぜい二回の裏。いまの繁栄やら世界がらの尊敬考えだっきゃ十分勝ってらど思うわよ」
あ、なんか意表を突かれた感じがしたぞ。
「でも、何百光年も離れた暗黒星団が、そこまで地球の事を気にかけてるって、なんか……不思議」
「そう? だって、観察すてあったはんでごそ、こうやって出会えだ時さ、いっぱいお話がでぎるでね。ウクライナだって、自分の戦争さ必死の時さ、世界の穀物状況や日本の北方領土のごど気にかげでらでね(^▽^)」
「あ……」
レイマは、ちゃんとウレシコワの、ウレシコワ自身でも揺れているアイデンテティーを踏まえて話しをくれている。こいつは、ただのギャップ萌えのお姫様ではないかもしれない。
「あはは、みんな熱心さ聞いでけるはんで、つい生意気しゃべってまったぁ(*ノωノ)。話戻すわね。ま、最初のエクササイズはグリンヘルドの攻撃だげで瞬殺さぃであったはんで、進歩ってば進歩じゃね。もう一回クレアさんとスミュレーションすなおすてけでみるはんで。天音砲術長もよろすくだ」
「お、おう、任しとけ!」
―― 可愛い顔して、あの子、わりとやるもんだねと…… ――
俺の頭には、祖父ちゃんが歌っていた懐メロのイントロが、リフレインした。
「あ……!」
「どうかした、レイマ姫」
トシが、急に立ちあがったレイマ姫に声を掛ける。CICに走りかけていた天音も、思わず振り返った。
「申す訳ね、わんつか寄り道すてもらえねだびょんか」
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「じつはぁ……(-_-;)」
レイマ姫は、暗黒星団の防衛軍があるアルファ星からサイコ通信が入ってきたと言って目を伏せた。
「艦長、申すわげねが、アルファ星さ寄ってもらえねだびょんか」
納得はしたものの、あの厳しい演習が始まるのかとゲンナリしていたクルーたちは、レイマ姫の予定変更を歓迎した。
「見たところ、大きさも環境も月と変わりません。地表はクレーターが多くて、人工構造物は感知できません」
クレアの観察だった。
「あの星のどこに、秘密基地があるんだ?」
「近づげば、分がるわ(ಠ_ಠ )」
レイマ姫は、快活そうに、でも目は真剣……というより、厄介なことになるなという色をしていた。
「え……え、そんな!?」
クレアが驚きの声を上げた。
「分がった?」
「容積のわりに質量が小さい、小さすぎです。たった今感知しました。たった今まで月と同じ数値だったのに……」
三笠の固有アナライザーは、あいかわらず月と変わらないデータを表示していた。
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デススターか!?
周回軌道に乗ると、極に近いクレーターが開くのが分かった。
「「「「おお!」」」」
「構造物は、全て星の内部にあるのか……」
俺たちは驚きの声を上げた。
三笠は誘導ビームに従ってクレーターの中に入って行った……。
☆ 主な登場人物
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