宇宙戦艦三笠

武者走走九郎or大橋むつお

文字の大きさ
24 / 50

24[暗黒星雲 暗黒卿ダースべだ・2・レイマ姫]

しおりを挟む
宇宙戦艦三笠

24[暗黒星雲 暗黒卿ダースべだ・1・レイマ姫]  



 東北弁とダースベーダー風の衣装は、とっても似つかわしくない。

「まえだおぢが目指すてらピレウス北極どするど、この三笠は、やっと福島あだりだ。というごどだげでもねんだが、言葉はやっぱ訛ってまる、ガースー」


 その間にもダースは、特有の籠ったような声で、荒い息遣いだ。


「訛ってても、貫録あるねぇ。下手に取り巻き連れてかっこつけてないとこなんか、シブいよ!」

 こういうことに関しては、トシは独特の感性で反応する。

「それはだな……ゲホンゲホン、ゼーゼー……」

「大丈夫、ダースさん?」

「なんでもね、歳なんだ。聞ぎぐるすくてすまね、ガースー」

 みかさんの質問に、ダースは年寄りくさく応えた。


「で、御用はなんなのかしら(`Д´)?」


 お誕生会に水を差されたウレシコワは、いささかカドがある。

「折り入って頼みがあるんだ。そえで、みんな集まってらどごろがいど思ってな、ガースー」

「断りもなく現れて、お願いって言われてもねえ」

 天音も、そっぽを向いた。

「まあ、聞くだけ聞いてみようや」

 俺は間に入った。年寄りイジメ的なのは嫌だからな。


「すまね艦長。この暗黒星団は宇宙の大田舎なんだ。ガースー、なんの因果か、星雲の外がらは中の様子は分がね。なんだが、とでづもね暗黒帝国があるみだいに思わぃでら。要は宇宙開闢以来、電波も光も外がらは通さね。ガースー、そえで、宇宙のみんなはおっかねものど思って、寄り付ぎもすね。グリンヘルドやシュトルハーヘンでさえも見向ぎもすね。おめんどが名付げだロンリネスなんて、星どすては一等地なんだぞ、ガースー」


「ひょっとして、暗黒星団の宣伝してこいとか?」

「いや、図々すいお願いなんだが、ガースー、ピレウスまで、一人同乗させではもらえねびょんか?」

「あ、帝国の皇帝とかならお断りだぜ! せっかく和気藹々とやってるとこに、えらそーなオッサンなんてごめんだからな」

「皇帝どがはいねじゃ。このダース、暗黒星雲の代表だ、ガースー」

「でも、そういうナリしてると、皇帝がいるように思うわ」

「そう思っでもらえるみでぐ、こったナリすてらんだ。なんか、もっと偉ぇ存在がいるみでぐ思うびょん、ガースー」

「……ああ」「なるほどね」

 クルーたちは、変に納得した。

「そえで、お願いどいうのは……ガースー……」

「わーがらしゃべるじゃ!」

 もう一人現れた。純白のローブが良く似合う、見るからに王女だった。

「あ、姫……」

「秘密ばらすてはまいねだ!(ダメです!)」

「最後の秘密は……ガースー」

「しゃべったも同然でねの」

「あのう……ひょっとしてお孫さんですか?」

 樟葉が、遠慮なく核心をついた。

「ほら、分がってまったでねの!」

「すまね。実は、このレイマ姫ピレウスさ連れでいっで欲すいのだ。ガースー、この三笠の遠征は一大叙事詩なるびょん。きっど宇宙のレガスーになるびょん。それに、うぢの王女さまが一緒であったどいうごどになるど、暗黒星団の名前も挙がる。ガースー、姑息な手段ど笑わぃるがもすれねがな。それえも、オラだぢは、王女さ、レイマ姫にかげでみるすかねのだ、ガースー」

「あの、レイア姫じゃないんですか?」

「うんにゃ、レイマ姫だ。著作権の問題だす」

「もう、違います。暗黒星雲の言葉で『希望』って意味があるんだ。ずっちゃ、卑下のすすぎだ」



 といういきさつで三笠のクルーが増えた。主だったポストは埋まっているので、レイマは主計長ということになった。

 だが、この見かけは宇宙一可愛く、喋らせると完全に東北弁のレイマ姫は、とんでもない力の持ち主だった……。



☆ 主な登場人物

 修一(東郷修一)    横須賀国際高校二年 艦長
 樟葉(秋野樟葉)    横須賀国際高校二年 航海長
 天音(山本天音)    横須賀国際高校二年 砲術長
 トシ(秋山昭利)    横須賀国際高校一年 機関長
 ミカさん(神さま)   戦艦三笠の船霊
 メイドさんたち     シロメ クロメ チャメ ミケメ
 テキサスジェーン    戦艦テキサスの船霊
 クレア         ボイジャーが擬人化したもの
 ウレシコワ       遼寧=ワリヤーグの船霊
 こうちゃん       ろんりねすの星霊
 レイマ姫        暗黒星団の王女 主計長
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

蒼穹の裏方

Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し 未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

処理中です...