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23[暗黒星雲 暗黒卿ダースべだ・1・ウレシコワの誕生日]
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宇宙戦艦三笠
23[暗黒星雲 暗黒卿ダースべだ・1・ウレシコワの誕生日]
今日はヴァリヤーグ、つまりウレシコワの誕生日だ。
数奇な運命をたどったヴァリヤーグは、ソ連の航空母艦として作られたが、建造費の不足から工事がストップ。その後ソ連の崩壊からウクライナの所管になるが、ウクライナは彼女を空母として完成させる気持ちも費用も無かった。
持て余したウクライナ政府は、スクラップにするのももったいないので、売りに出すことにした。
しかし建造途中の新古品空母として売り出したもので価格が高く。また、空母としては時代遅れであったっため買い手が付かず、中国海軍の息のかかったペーパーカンパニーがスクラップとして格安で購入。最初はカジノとして使われる予定だったが、中国は、これを本格的な空母として修復したが、エンジンが商船用のディーゼルしか間に合わず、空母としては必須要件の30ノットの発艦速度が20ノットしか出せず。艦載機は武装した重量では発艦ができないというお粗末さだった。
世界は、彼女のことを「空母の実物大模型」と揶揄した。
当の中国も、これをもって主力空母にするつもりは無い。「遼寧」と改名し、いかついガタイで東南アジアの国々に睨みをきかせ、空母としてのノウハウを手に入れるだけで充分であった。現に彼女のデータをもとに設計がしなおされ、山東と福建が建造された。
妹二人は、中国の最新鋭空母としてやる気満々だったが、カジノになるつもりだった彼女は気持ちが乗らず、無理なワープで故障したのを機に船霊のウレシコワは三笠にやってきたのだ。
しかし不調のウレシコワはロンリネスでは上陸もできず、三笠の居候になった気分であった。そんな彼女を慰めるために、ロンリネスを発ってから三日目に、クルーのみんなでお誕生会を開いた。
「お誕生日、おめでとう!」
船霊のミカさんも神棚から出てきて、俺が乾杯の音頭をとってお誕生会が始まった。
「ありがとう、みんな。あたし、今日が自分の進水式の日だってこと忘れてた」
泣き笑いの顔で、ヴァリヤーグの船霊ウレシコワは乾杯に応えた。
「1988年11月25日。君は立派に生まれたんだ」
「でも、船を離れちゃって、今は三笠の居候……」
「気にすることないわよ。あたしだって元はボイジャー1号だったけど、今はクレアとして三笠のクルーよ」
「そうよ、今を元気に生きていく気持ちがあれば十分よ!」
「ありがとう。ミカさんもみんなも懐が深くて、とても嬉しい」
「もう120年も船霊やってるからねぇ……わたしも、いろいろあったわ。原因不明の爆発で二度沈んじゃったし、記念艦になったあと、終戦直後にはダンスホールにされたり水族館にされたり。でも、いろいろあることが船霊にとっては勲章のようなものよ」
「そうだよ。オレたちのブンケンも解散直前だったし」
「部室だって、三笠に来る前に軽音にとられちゃったし」
「メンバーも、みんなワケ有だし」
「ミカさん、ひょっとして、宿無しばっか集めてるんじゃない?」
樟葉が鋭い質問をして、みんなの視線がミカさんに集まった。
「理由は簡単よ」
みんなの視線が、みかさんに集まった。
「元の乗組員は、本人はおろか、孫だって生きていないでしょ……」
「まあ、120歳だもんねぇ……」
トシが気の毒そうに目を向ける。
「人に言われるとムカつくかも……」
「こら、謝れトシ」
「ご、ごめん(;'∀')」
「アハハ、冗談冗談(´∀`)。海自のOBや自衛艦の船霊さんたちにも声かけたんだけどね、わたしって天照大神でしょ。みんな敬遠するのよね」
「アマテラス時代のミカさん、見てみたいっす(^▽^)!」
トシが授業のように手を挙げる。
「いや、いまさらお見せするような姿じゃないわよ(n*´ω`*n)」
「アマテラスの画像ならいっぱいあるぞ」
懐からスマホを取り出す天音。
「スマホ出しても検索できないでしょ」
「保存したのがあるんだ……ほれ」
「「「「「「おお!」」」」」」
「な、なんか神々しい……」
ウレシコワが感動する。
天照大神の画像は大昔のから現代のアニメのまであるんだけど、どれも雲の上に乗っていたり、後光を放っていたり、たくさん神さまを従えていたりして神々しい。
「あの……この甲冑姿で怖い顔をなさっているのは?」
ウレシコワは、言葉まで改めて質問する。
「ああ……弟のスサノオが高天原にやってきた時にね、スサノオって、めちゃくちゃ不良だったから……」
「あ、知ってます知ってます!」
「はい、樟葉くん!」
樟葉が嬉しそうに手を挙げるのを指名してやる。
「天岩戸とかに籠ったりしたんですよね! それで『アマテラスは凄い! かっこいい! 畏れ多い!』ってことになって、最後は、スサノオの爪とか髭とか抜いて追放するんですよね!」
「そうだそうだ、これが、その時の画像だぞ!」
「「「「「「どれどれ(._.)」」」」」」
「おお、テリブル!」「姫騎士!」「女大魔神!」
「ああ、もう恥ずかしいからやめてえええええ(;`O´)o!」
「いやあ、ごめんごめん(^_^;)」
「でも、いまのミカさんは、なんでJK風なんすか?」
少しだけ空気をもどして聞いてみる。
「あなたたちのせいですよ!」
「俺たちの?」「あたしたちの?」
「あなたたちブンケンの人たちは、小さいころから三笠で遊んでいたでしょ」
「え?」「あ」「ああ」「そういえば」
「小中学生は無料だし!」「高校生でも300円だし!」「お弁当も食べられたし!」
「でも、ミカさんなんて知らなかったよ」
「わたしは知ってたぞ」
「わたしも」
「トシは?」
「アハハ……」
「男子はバチあたりだぞ!」
「ウフフ、神さまっていうのはね、そうやって、みんなが集まって楽しくしてくれたらエネルギーが溜まるものなのよ」
「それで、JK風になっちゃった?」
「まあ、慣れると、とっても具合がいいしね、もう元には戻れないかも(^_^;)……あら、お二人はどうかなさった?」
気が付くと、クレアもウレシコワも黙ってしまった。
「ウ……なんかいいよね、この雰囲気」
「うん、わたしなんか、太陽系出てからひとりぼっちだったし」
「三笠に出会えてよかった……」
「うんうん」
ちょっとシンミリしてきた。
「なにしてるニャ!」「めでたい誕生日ニャ!」「楽しくやるニャ!」「乾杯するニャ!」
ネコメイドたちに元気づけられ、グラスを持ち直したところで、そいつがメインモニターに現れた。
ジャジャジャジャーーーーン
黒い鎧兜に黒マント、どこかで見たことがある。
「お楽すみのどごろ申す訳ね。わっきゃ暗黒星雲、暗黒帝国のダースべだ!」
「ダースベーダー!?」
「いんにゃ、ダース……べだ」
暗黒帝国との関わりが始まった……。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
クレア ボイジャーが擬人化したもの
ウレシコワ 遼寧=ワリヤーグの船霊
こうちゃん ろんりねすの星霊
23[暗黒星雲 暗黒卿ダースべだ・1・ウレシコワの誕生日]
今日はヴァリヤーグ、つまりウレシコワの誕生日だ。
数奇な運命をたどったヴァリヤーグは、ソ連の航空母艦として作られたが、建造費の不足から工事がストップ。その後ソ連の崩壊からウクライナの所管になるが、ウクライナは彼女を空母として完成させる気持ちも費用も無かった。
持て余したウクライナ政府は、スクラップにするのももったいないので、売りに出すことにした。
しかし建造途中の新古品空母として売り出したもので価格が高く。また、空母としては時代遅れであったっため買い手が付かず、中国海軍の息のかかったペーパーカンパニーがスクラップとして格安で購入。最初はカジノとして使われる予定だったが、中国は、これを本格的な空母として修復したが、エンジンが商船用のディーゼルしか間に合わず、空母としては必須要件の30ノットの発艦速度が20ノットしか出せず。艦載機は武装した重量では発艦ができないというお粗末さだった。
世界は、彼女のことを「空母の実物大模型」と揶揄した。
当の中国も、これをもって主力空母にするつもりは無い。「遼寧」と改名し、いかついガタイで東南アジアの国々に睨みをきかせ、空母としてのノウハウを手に入れるだけで充分であった。現に彼女のデータをもとに設計がしなおされ、山東と福建が建造された。
妹二人は、中国の最新鋭空母としてやる気満々だったが、カジノになるつもりだった彼女は気持ちが乗らず、無理なワープで故障したのを機に船霊のウレシコワは三笠にやってきたのだ。
しかし不調のウレシコワはロンリネスでは上陸もできず、三笠の居候になった気分であった。そんな彼女を慰めるために、ロンリネスを発ってから三日目に、クルーのみんなでお誕生会を開いた。
「お誕生日、おめでとう!」
船霊のミカさんも神棚から出てきて、俺が乾杯の音頭をとってお誕生会が始まった。
「ありがとう、みんな。あたし、今日が自分の進水式の日だってこと忘れてた」
泣き笑いの顔で、ヴァリヤーグの船霊ウレシコワは乾杯に応えた。
「1988年11月25日。君は立派に生まれたんだ」
「でも、船を離れちゃって、今は三笠の居候……」
「気にすることないわよ。あたしだって元はボイジャー1号だったけど、今はクレアとして三笠のクルーよ」
「そうよ、今を元気に生きていく気持ちがあれば十分よ!」
「ありがとう。ミカさんもみんなも懐が深くて、とても嬉しい」
「もう120年も船霊やってるからねぇ……わたしも、いろいろあったわ。原因不明の爆発で二度沈んじゃったし、記念艦になったあと、終戦直後にはダンスホールにされたり水族館にされたり。でも、いろいろあることが船霊にとっては勲章のようなものよ」
「そうだよ。オレたちのブンケンも解散直前だったし」
「部室だって、三笠に来る前に軽音にとられちゃったし」
「メンバーも、みんなワケ有だし」
「ミカさん、ひょっとして、宿無しばっか集めてるんじゃない?」
樟葉が鋭い質問をして、みんなの視線がミカさんに集まった。
「理由は簡単よ」
みんなの視線が、みかさんに集まった。
「元の乗組員は、本人はおろか、孫だって生きていないでしょ……」
「まあ、120歳だもんねぇ……」
トシが気の毒そうに目を向ける。
「人に言われるとムカつくかも……」
「こら、謝れトシ」
「ご、ごめん(;'∀')」
「アハハ、冗談冗談(´∀`)。海自のOBや自衛艦の船霊さんたちにも声かけたんだけどね、わたしって天照大神でしょ。みんな敬遠するのよね」
「アマテラス時代のミカさん、見てみたいっす(^▽^)!」
トシが授業のように手を挙げる。
「いや、いまさらお見せするような姿じゃないわよ(n*´ω`*n)」
「アマテラスの画像ならいっぱいあるぞ」
懐からスマホを取り出す天音。
「スマホ出しても検索できないでしょ」
「保存したのがあるんだ……ほれ」
「「「「「「おお!」」」」」」
「な、なんか神々しい……」
ウレシコワが感動する。
天照大神の画像は大昔のから現代のアニメのまであるんだけど、どれも雲の上に乗っていたり、後光を放っていたり、たくさん神さまを従えていたりして神々しい。
「あの……この甲冑姿で怖い顔をなさっているのは?」
ウレシコワは、言葉まで改めて質問する。
「ああ……弟のスサノオが高天原にやってきた時にね、スサノオって、めちゃくちゃ不良だったから……」
「あ、知ってます知ってます!」
「はい、樟葉くん!」
樟葉が嬉しそうに手を挙げるのを指名してやる。
「天岩戸とかに籠ったりしたんですよね! それで『アマテラスは凄い! かっこいい! 畏れ多い!』ってことになって、最後は、スサノオの爪とか髭とか抜いて追放するんですよね!」
「そうだそうだ、これが、その時の画像だぞ!」
「「「「「「どれどれ(._.)」」」」」」
「おお、テリブル!」「姫騎士!」「女大魔神!」
「ああ、もう恥ずかしいからやめてえええええ(;`O´)o!」
「いやあ、ごめんごめん(^_^;)」
「でも、いまのミカさんは、なんでJK風なんすか?」
少しだけ空気をもどして聞いてみる。
「あなたたちのせいですよ!」
「俺たちの?」「あたしたちの?」
「あなたたちブンケンの人たちは、小さいころから三笠で遊んでいたでしょ」
「え?」「あ」「ああ」「そういえば」
「小中学生は無料だし!」「高校生でも300円だし!」「お弁当も食べられたし!」
「でも、ミカさんなんて知らなかったよ」
「わたしは知ってたぞ」
「わたしも」
「トシは?」
「アハハ……」
「男子はバチあたりだぞ!」
「ウフフ、神さまっていうのはね、そうやって、みんなが集まって楽しくしてくれたらエネルギーが溜まるものなのよ」
「それで、JK風になっちゃった?」
「まあ、慣れると、とっても具合がいいしね、もう元には戻れないかも(^_^;)……あら、お二人はどうかなさった?」
気が付くと、クレアもウレシコワも黙ってしまった。
「ウ……なんかいいよね、この雰囲気」
「うん、わたしなんか、太陽系出てからひとりぼっちだったし」
「三笠に出会えてよかった……」
「うんうん」
ちょっとシンミリしてきた。
「なにしてるニャ!」「めでたい誕生日ニャ!」「楽しくやるニャ!」「乾杯するニャ!」
ネコメイドたちに元気づけられ、グラスを持ち直したところで、そいつがメインモニターに現れた。
ジャジャジャジャーーーーン
黒い鎧兜に黒マント、どこかで見たことがある。
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