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42[宇宙戦艦グリンハーヘン・4]
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宇宙戦艦三笠
42[宇宙戦艦グリンハーヘン・4] 修一
「いったい、どんな仕掛けになってるのだ!?」
前の壁が消えて、ミネアが怒りに震えている。
「仕掛けも何も、クルーは全員ここに居るし、三笠は大破したままだ」
「……なにか隠している。三笠と君たちの情報は全て取り込んだけど、こんな能力が隠されているなんて分からなかった。手荒なことはしたくなかったけど、もう容赦しない!」
ミネアが手を挙げると、残りの三方の壁が消えて、バトルスーツに身を包んだグリンハーヘンの兵たちが100人ほど現れた。
「情報が得られれば、それでいい。本当のことを言うまでだ、一人ずつ死んでもらう……まずは、アナライザーのクレアから。クレアは本当の人間じゃない。ボイジャー1号が擬態化しただけのガイノイド。最初の見せしめにはちょうどいい……構え!」
ガチャリ!
100人の兵が一斉に光子銃をクレアに向けた。
「待て! クレアは人と同じだ、オレたちの仲間だ、手を出すことは許さん!」
俺の抗議に、ミネアは冷笑をもって応えた。
「フフフ……人の中でさえ序列があるんだ。グリンハーヘンでは司令がトップ、次席が副司令でもある艦長。以下副長、船務長、航海長、機関長、砲雷長、各科先任曹長という具合にね。三笠でもそうだろ、艦長以下の職掌が決まっているのはそういうこと……」
「それは役割の序列だ、人として階級があるわけじゃない。だから司令の言う序列で犠牲者を決めるなんて認めない!」
「正義面して人の話をさえぎらないで。クレアは、その序列にさえ入らないガイノイド、つまりは機械。機械に仲間意識を持つなんて変態の戯言だよ。クレアを破壊しろ!」
「「「「待ってエ!」」」」
ネコメイドたちがメイドの姿に戻ってこぶしを握っている。
「な、なんだお前たちは!? そこには回収した愛玩用の小動物がいたはずだが!?」
「愛玩用小動物言うニャア!」
「あたしたちは、ネコメイドニャ!」
「シロメニャ!」「クロメニャ!」「チャメニャ!」「代表のミケメニャ!」
「ニャーニャーうるさい奴らだ」
「うるさい言うニャ!」「言うニャ!」「ダメニャ!」「ニャニャ!」「「「「ニャーニャー!」」」」
たしかにうるさいかも(^_^;)。
「もう、代表のミケメが言うニャ!」
「「「ニャー」」」
「ふふ、この猫化けどもにさえ序列があるんだ」
「わたしらは、横須賀の街で人といっしょに暮しているニャ。ノラネコ、カイネコ、マチネコ、いろいろだけど、ネコは人の心を慰めて、人は程よく面倒見てくれて助け合ってるニャ。ネコたちはネコだけの地球にしようなんて考えないし、人も人だけの地球にしようって思わないのニャ! だから、わたしたちは東郷君たちと一緒に銀河の果てまで来たニャ、みんな仲間ニャ!」
「わたしたちも共存しようと思っているぞ、地球の寒冷化を防いで、お前たちともいっしょに暮して行こうと思っている。ただな、そこには序列がある。序列の無いところに秩序も平安も無い。地球人類は三級市民としてのみ生存を許される。そうだろ、我々の寒冷化防止装置がなければ人類も愛玩動物も死に絶えるしかないのだからな」
「ど、どうしてもやると言うなら、ネコメイドからやればいいニャ!」
「「「そうニャそうニャ!」」」
「お、お前たち!!」
「心配いらないニャ、二十年の冬眠状態の中でも生き延びたニャ、殺されたぐらいじゃ死なないニャ!」
「「「ニャー!」」」
その瞬間、再び三方の壁が現れて、100人の戦闘員たちは一瞬の驚愕を残して壁の向こう側になってしまった。
「え……何が起こった!? 壁を開け!」
応える者はいなかった。そして、ミネアの死角になっている天井の一部が開いてタラップが降りてきた。
「こんな操作、わたしは命じていない。だれがやっている、返事をしろ!」
「冷静な話をしましょう……」
そう言いながら、タラップを降りてきたのは、ミカさんだった。
タラップは垂直なので、降りてくるみかさんの、スカートの中がチラリと見え……ない。
無邪気な男性本能に、みかさんは微笑で答えた。みかさんにはCERO倫理規定のようなものがあるのかもしれない。
「誰だ、おまえは?」
「三笠の船霊です。みんなは親しみをこめて『ミカさん』と呼んでくれるわ」
「フナダマ、そんな情報は無い……」
「それは、あなたたちに信仰がないから。グリンヘルドもシュトルハーヘンも、はるか昔に宗教を捨ててしまったものね。無いものは理解できない」
「そんなことが……そうか、お前が三笠の秘密なんだな。」
「三笠に乗り込んできた人たちは無事よ。ミネアさん、あなたとの話が終わったら解放します」
ミカさんは、日ごろから微笑を絶やさない。
『微笑女』というダジャレが言いたくなるほどに人の心を和やかにしてくれる。しかし、この時のみかさんの微笑は、神さまらしく慈愛に満ちたものだった。
☆ 主な登場人物
修一(東郷修一) 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉(秋野樟葉) 横須賀国際高校二年 航海長
天音(山本天音) 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ(秋山昭利) 横須賀国際高校一年 機関長
レイマ姫 暗黒星団の王女 主計長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
テキサスジェーン 戦艦テキサスの船霊
クレア ボイジャーが擬人化したもの
ウレシコワ 遼寧=ワリヤーグの船霊
こうちゃん ろんりねすの星霊
42[宇宙戦艦グリンハーヘン・4] 修一
「いったい、どんな仕掛けになってるのだ!?」
前の壁が消えて、ミネアが怒りに震えている。
「仕掛けも何も、クルーは全員ここに居るし、三笠は大破したままだ」
「……なにか隠している。三笠と君たちの情報は全て取り込んだけど、こんな能力が隠されているなんて分からなかった。手荒なことはしたくなかったけど、もう容赦しない!」
ミネアが手を挙げると、残りの三方の壁が消えて、バトルスーツに身を包んだグリンハーヘンの兵たちが100人ほど現れた。
「情報が得られれば、それでいい。本当のことを言うまでだ、一人ずつ死んでもらう……まずは、アナライザーのクレアから。クレアは本当の人間じゃない。ボイジャー1号が擬態化しただけのガイノイド。最初の見せしめにはちょうどいい……構え!」
ガチャリ!
100人の兵が一斉に光子銃をクレアに向けた。
「待て! クレアは人と同じだ、オレたちの仲間だ、手を出すことは許さん!」
俺の抗議に、ミネアは冷笑をもって応えた。
「フフフ……人の中でさえ序列があるんだ。グリンハーヘンでは司令がトップ、次席が副司令でもある艦長。以下副長、船務長、航海長、機関長、砲雷長、各科先任曹長という具合にね。三笠でもそうだろ、艦長以下の職掌が決まっているのはそういうこと……」
「それは役割の序列だ、人として階級があるわけじゃない。だから司令の言う序列で犠牲者を決めるなんて認めない!」
「正義面して人の話をさえぎらないで。クレアは、その序列にさえ入らないガイノイド、つまりは機械。機械に仲間意識を持つなんて変態の戯言だよ。クレアを破壊しろ!」
「「「「待ってエ!」」」」
ネコメイドたちがメイドの姿に戻ってこぶしを握っている。
「な、なんだお前たちは!? そこには回収した愛玩用の小動物がいたはずだが!?」
「愛玩用小動物言うニャア!」
「あたしたちは、ネコメイドニャ!」
「シロメニャ!」「クロメニャ!」「チャメニャ!」「代表のミケメニャ!」
「ニャーニャーうるさい奴らだ」
「うるさい言うニャ!」「言うニャ!」「ダメニャ!」「ニャニャ!」「「「「ニャーニャー!」」」」
たしかにうるさいかも(^_^;)。
「もう、代表のミケメが言うニャ!」
「「「ニャー」」」
「ふふ、この猫化けどもにさえ序列があるんだ」
「わたしらは、横須賀の街で人といっしょに暮しているニャ。ノラネコ、カイネコ、マチネコ、いろいろだけど、ネコは人の心を慰めて、人は程よく面倒見てくれて助け合ってるニャ。ネコたちはネコだけの地球にしようなんて考えないし、人も人だけの地球にしようって思わないのニャ! だから、わたしたちは東郷君たちと一緒に銀河の果てまで来たニャ、みんな仲間ニャ!」
「わたしたちも共存しようと思っているぞ、地球の寒冷化を防いで、お前たちともいっしょに暮して行こうと思っている。ただな、そこには序列がある。序列の無いところに秩序も平安も無い。地球人類は三級市民としてのみ生存を許される。そうだろ、我々の寒冷化防止装置がなければ人類も愛玩動物も死に絶えるしかないのだからな」
「ど、どうしてもやると言うなら、ネコメイドからやればいいニャ!」
「「「そうニャそうニャ!」」」
「お、お前たち!!」
「心配いらないニャ、二十年の冬眠状態の中でも生き延びたニャ、殺されたぐらいじゃ死なないニャ!」
「「「ニャー!」」」
その瞬間、再び三方の壁が現れて、100人の戦闘員たちは一瞬の驚愕を残して壁の向こう側になってしまった。
「え……何が起こった!? 壁を開け!」
応える者はいなかった。そして、ミネアの死角になっている天井の一部が開いてタラップが降りてきた。
「こんな操作、わたしは命じていない。だれがやっている、返事をしろ!」
「冷静な話をしましょう……」
そう言いながら、タラップを降りてきたのは、ミカさんだった。
タラップは垂直なので、降りてくるみかさんの、スカートの中がチラリと見え……ない。
無邪気な男性本能に、みかさんは微笑で答えた。みかさんにはCERO倫理規定のようなものがあるのかもしれない。
「誰だ、おまえは?」
「三笠の船霊です。みんなは親しみをこめて『ミカさん』と呼んでくれるわ」
「フナダマ、そんな情報は無い……」
「それは、あなたたちに信仰がないから。グリンヘルドもシュトルハーヘンも、はるか昔に宗教を捨ててしまったものね。無いものは理解できない」
「そんなことが……そうか、お前が三笠の秘密なんだな。」
「三笠に乗り込んできた人たちは無事よ。ミネアさん、あなたとの話が終わったら解放します」
ミカさんは、日ごろから微笑を絶やさない。
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