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75『広場の激闘』
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RE・かの世界この世界
75『広場の激闘』テル
目を見てはならん!
わたしたちと同時に気づいたゼイオン司祭が叫んだ。
「この中にメデューサが紛れ込んでおる!」
声を出したのが間違いだし、順序も逆だ。
声に出せば互いに顔を見かわしてしまう。
瞬くうちに、十数人が驚愕の表情のまま石化してしまった!
キャーーー! ウワアーー!
パニックになった。
しかし、石化した人たちの中央にいる少女がメデューサだと見当は付いた。
見当が付いたとたんに、メデューサは逃げ惑う人々に混じってしまう。
「逃げろ! 広場から出るんだ!」「しゃがんで目をつぶれ!」
相反する指示が下される!
タングリスは歴戦の経験から、司祭は言い伝えられてきたメデューサ対処法からの、とっさの指示を叫んだのだ。
広場は混乱するばかり、阿鼻叫喚の中を1/3ほどの人々は広場から逃れ、次の1/3ほどは目をつぶってしゃがみ込み、残りの1/3ほどは次々と石化していった。
メデューサは祭りの衣装を着ているので、同じ年ごろの少女たちと見分けがつかない。あとで分かったことだが、タングリスはメデューサが剪定し損ねた悪いバラと融合したものだと判断していた。
バラと融合したものなら、植物性のクリーチャーだ。そう遠くには移動できないと考え、町の人々を広場から逃がしてしまえば、被害も抑えられるし、残った一人がメデューサだと判断もできるとふんだのだ。
「そいつがメデューサだ!」
石化した人たちに混じって静止していたメデューサだったが、折からの風にそよいだ髪で分かってしまった。石化した人間の髪はそよぎはしない。
「どうやって戦うの? こんなナリで、武器も持ってないよ!」
戦闘も始まらないのにケイトが弱音を吐く。ロキは、そのケイトの陰に隠れて、ポチと共に震えている。
「自分が戦うさまを念じろ!」
そう言いながらタングリスは戦闘モードに移行して、いつもの戦闘服に得物の鞭を構えた姿に変わった。
「三人とも、タングリスに倣うんだ!」
そう叫んで、戦いの姿をイメージした。
ポンと弾けるような感じがして、手にソードの感覚が湧き出してきた。
視界の端にケイトとヒルデが見える。二人の変身は中途半端で、二人とも弓やソードは持っているが、まとっているのは丈が短くなった降誕祭のドレス、目にはメデューサ除けのサンバイザー、見た目には魔法少女戦隊になった!
こちらの意気に反応してメデューサも力を貯める。
シャアアアアア!
瞳は蛇のように細くなって金色に輝き、髪はウネウネと逆立って、無数の蛇のようにゾワゾワと蠢きだした。
「かかれ!」
タングリスの号令でメデューサを取り巻くように旋回する!
グルングルン グルングルン グルングルン グルングルン
二周目で最初の一撃を食らわせる。
ピシュ!
我々も続く!
ズビャ! ズビュン! バシ!
三撃立て続けに食らわせるが、メデューサは身軽に躱して、ヒットしたのは、わたしの一撃だけだ。わたしの技量が長けているからではない、やはり、連携した攻撃が大事なのだ。
ウオーーーー!
渾身の気迫を込めてソードを振りかぶる。
振りかぶった手は戦闘服の袖をまとってはいなかった。わたしの変身も不十分なようだ。
キエーー!
構わずに喰らわす斬撃!
ビリ
服のどこかが裂けた! 構ってはいられない、ヒルデとケイトにアタックを促し、タングリスに連携の目配せをする。
攻撃は五回に一回ほどしかヒットしないが、メデューサを確実に弱らせていく!
セイ! トアーーー! ウオーーー! ズビャ! ズビュン! バシ!
時にメデューサは躱したモーメントを利用して追いかけてくるが、広場の外縁に近くなると、見えないゴム紐に引き戻されるように広場中央に戻ってしまう。やはりバラとの融合体なので、根を張った広場からは出られないのだ!
タングリスの判断は正しかった!
十数回アタックして、ようやく、こちらの呼吸も合ってきた。
―― 一斉……! ――
思念の半分だけ聞いて、四人が同時にアタック!
ケイトの矢が胸を貫き、わたしの剣とヒルデのツインテールが胴を払い、タングリスの鞭が頭に炸裂した。
ドゲシ! バシ! ブシュ!
グエ!
一瞬空中で静止したようになったかと思うと、次の瞬間、分子結合を失ったようになってメデューサは飛散し果てていった。
ジャキジャキジャキーーン!
☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ステータスが音を立てて上昇した。
☆ ステータス
HP:8000 MP:4000 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・100 マップ:6 金の針:20 所持金:1000ギル(リポ払い残高39000ギル)
装備:剣士の装備レベル20(トールソード) 弓兵の装備レベル20(トールボウ)
憶えたオーバードライブ:ブロンズヒール(ケイト) ブロンズスプラッシュ(テル)
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) テルの幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体
―― この世界 ――
二宮冴子 二年生 不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
中臣美空 三年生 セミロングで『かの世部』部長
志村時美 三年生 ポニテの『かの世部』副部長
75『広場の激闘』テル
目を見てはならん!
わたしたちと同時に気づいたゼイオン司祭が叫んだ。
「この中にメデューサが紛れ込んでおる!」
声を出したのが間違いだし、順序も逆だ。
声に出せば互いに顔を見かわしてしまう。
瞬くうちに、十数人が驚愕の表情のまま石化してしまった!
キャーーー! ウワアーー!
パニックになった。
しかし、石化した人たちの中央にいる少女がメデューサだと見当は付いた。
見当が付いたとたんに、メデューサは逃げ惑う人々に混じってしまう。
「逃げろ! 広場から出るんだ!」「しゃがんで目をつぶれ!」
相反する指示が下される!
タングリスは歴戦の経験から、司祭は言い伝えられてきたメデューサ対処法からの、とっさの指示を叫んだのだ。
広場は混乱するばかり、阿鼻叫喚の中を1/3ほどの人々は広場から逃れ、次の1/3ほどは目をつぶってしゃがみ込み、残りの1/3ほどは次々と石化していった。
メデューサは祭りの衣装を着ているので、同じ年ごろの少女たちと見分けがつかない。あとで分かったことだが、タングリスはメデューサが剪定し損ねた悪いバラと融合したものだと判断していた。
バラと融合したものなら、植物性のクリーチャーだ。そう遠くには移動できないと考え、町の人々を広場から逃がしてしまえば、被害も抑えられるし、残った一人がメデューサだと判断もできるとふんだのだ。
「そいつがメデューサだ!」
石化した人たちに混じって静止していたメデューサだったが、折からの風にそよいだ髪で分かってしまった。石化した人間の髪はそよぎはしない。
「どうやって戦うの? こんなナリで、武器も持ってないよ!」
戦闘も始まらないのにケイトが弱音を吐く。ロキは、そのケイトの陰に隠れて、ポチと共に震えている。
「自分が戦うさまを念じろ!」
そう言いながらタングリスは戦闘モードに移行して、いつもの戦闘服に得物の鞭を構えた姿に変わった。
「三人とも、タングリスに倣うんだ!」
そう叫んで、戦いの姿をイメージした。
ポンと弾けるような感じがして、手にソードの感覚が湧き出してきた。
視界の端にケイトとヒルデが見える。二人の変身は中途半端で、二人とも弓やソードは持っているが、まとっているのは丈が短くなった降誕祭のドレス、目にはメデューサ除けのサンバイザー、見た目には魔法少女戦隊になった!
こちらの意気に反応してメデューサも力を貯める。
シャアアアアア!
瞳は蛇のように細くなって金色に輝き、髪はウネウネと逆立って、無数の蛇のようにゾワゾワと蠢きだした。
「かかれ!」
タングリスの号令でメデューサを取り巻くように旋回する!
グルングルン グルングルン グルングルン グルングルン
二周目で最初の一撃を食らわせる。
ピシュ!
我々も続く!
ズビャ! ズビュン! バシ!
三撃立て続けに食らわせるが、メデューサは身軽に躱して、ヒットしたのは、わたしの一撃だけだ。わたしの技量が長けているからではない、やはり、連携した攻撃が大事なのだ。
ウオーーーー!
渾身の気迫を込めてソードを振りかぶる。
振りかぶった手は戦闘服の袖をまとってはいなかった。わたしの変身も不十分なようだ。
キエーー!
構わずに喰らわす斬撃!
ビリ
服のどこかが裂けた! 構ってはいられない、ヒルデとケイトにアタックを促し、タングリスに連携の目配せをする。
攻撃は五回に一回ほどしかヒットしないが、メデューサを確実に弱らせていく!
セイ! トアーーー! ウオーーー! ズビャ! ズビュン! バシ!
時にメデューサは躱したモーメントを利用して追いかけてくるが、広場の外縁に近くなると、見えないゴム紐に引き戻されるように広場中央に戻ってしまう。やはりバラとの融合体なので、根を張った広場からは出られないのだ!
タングリスの判断は正しかった!
十数回アタックして、ようやく、こちらの呼吸も合ってきた。
―― 一斉……! ――
思念の半分だけ聞いて、四人が同時にアタック!
ケイトの矢が胸を貫き、わたしの剣とヒルデのツインテールが胴を払い、タングリスの鞭が頭に炸裂した。
ドゲシ! バシ! ブシュ!
グエ!
一瞬空中で静止したようになったかと思うと、次の瞬間、分子結合を失ったようになってメデューサは飛散し果てていった。
ジャキジャキジャキーーン!
☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ステータスが音を立てて上昇した。
☆ ステータス
HP:8000 MP:4000 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・100 マップ:6 金の針:20 所持金:1000ギル(リポ払い残高39000ギル)
装備:剣士の装備レベル20(トールソード) 弓兵の装備レベル20(トールボウ)
憶えたオーバードライブ:ブロンズヒール(ケイト) ブロンズスプラッシュ(テル)
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) テルの幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体
―― この世界 ――
二宮冴子 二年生 不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
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