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139『みんなで協力……なんだけど』
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RE・かの世界この世界
139『みんなで協力……なんだけど』タングリス
乾ドックに海水を満たし、マーメイド号のエンジンを始動。
ドド ドドドド ドドドドドドドドドド
二百トンのマーメイド号は一万トンのシュネーヴィットヘンとは比べ物のならないほど振動する。
ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・アハハハ……((^O^))
ロキが振動で声を震わせて喜んで、ポチは甲板の振動をお尻で受けて煎り豆のように弾んで遊んでいる。
「もう、二人とも子どもなんだから・ら・ら・ら・ら・らららららら~((^▽^))/」
二人に呆れたケイトも、語尾がトレモロになってくると、陽気に『ら』を転がして可笑しがっている。
「水位が海と同じになった」
機械小屋のランプがグリーンになった。珍しモノ好きの姫がテルといっしょにポンプを操作しているのだ。
ドックに水を満たし海面と同じ高さにしなければ、船を海に出せない。
「マーメイドも準備OKです! ゲートを開けてください!」
操舵室からメガホンで叫ぶ。数秒、ウィーンというモーターの音がしたが、ガクンという音がしてモーターは停まってしまった。機械小屋で、二人が焦っているのが分かる。二度三度と試してみるが、モーターは直ぐに停まってしまう。
「あれって、安全装置が働いているんじゃないかしら?」
ユーリアが眉を寄せて推測する。
「どこかで負荷がかかり過ぎているのだろうか?」
時間が止まってしまっているのだ、予期せぬ不具合が起こっているのかもしれない。ひょっとしたら、我々の船出を喜ばない者たちが妨害しているのかもしれないとまで思った。なんせ、ヘルムの守護神であるヤマタの力が消滅してしまったのだ。なにが起こるか知れたものではない。
手分けしてドックの周囲を警戒してみよう……そう思った時、ポンとユーリアが手を打った。
「ゲートにも注水しなくっちゃ!」
あ!?
盲点だった!
最大三千トンの船が入れるドックはゲートもいかつく、幅が二十メートル、高さが十メートル、厚みが一メートルもある。しかし、中はガランドウで、ドックに水を張れば浮力を持ってしまう。そのためゲートの回転部分に異常な力が加わって開かなくなってしまったのだ。
「ゲートの注排水ポンプはありますかーー!?」
メガホンで聞くと姫が×印のサインを返してきた。
「タングリス、あれじゃないかなあ?」
ケイトがゲートの横を指さすとロキがポチに指示を与えて調べさせに行かせる。
「なにか、スイッチがあるの~(^▽^)/」
「それだ!」
機械小屋を飛び出した姫とテルがドックの縁を周って制御盤に取りついた。
構造は簡単なようで、すぐにスイッチが入れられ、くぐもった音がしてゲート内部のタンクに海水が満たされていく。
三十分後、満水になったゲートを開き、無事にマーメイドは海に乗り出した。
これからは、なんでも、この六人とポチでやっていかなければならない。なんせ時間が停まって、動けるのは我々だけなのだ。協力しあわなければな。
あらためて船を岸壁に着け、四号を載せて本格的に海に乗り出す。
「陽が落ちたら、交代でブリッジに立とう」
日没から日の出までを五つに分けて当直を決める。それまでは、わたしが舵輪を握る。
あと一時間ほどか……そう思ったが、いっこうに日は傾かない。
そうだ……時間が停まっているのだから、日が暮れるわけがない……。
ずっと太陽に照らされっぱなし、それが海面への照り返しと相まって光の強さは陸上の比ではない。目的地のある航海なので雲の陰ばかり拾って行くわけにもいかないだろう。なるべく短時日で着かなければならないし、小型船には不慣れな者たちばかりだ。
ああ…………
ドッと疲労感が押し寄せてきた。
☆ ステータス
HP:13500 MP:180 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・900 マップ:12 金の針:1000 その他:∞ 所持金:8000万ギル(リボ払い残高無し)
装備:剣士の装備レベル38(勇者の剣) 弓兵の装備レベル32(勇者の弓)
憶えたオーバードライブ:シルバーヒール(ケイト) シルバースプラッシュ(テル)
スプラッシュテール(ブリュンヒルデ) 空蝉(ポチ)
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル (寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 小早川照姫の幼馴染 ペギーにケイトに変えられた
ブリュンヒルデ 無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体 小さいが人化している
ペギー 荒れ地の万屋
―― この世界 ――
二宮冴子 二年生 不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
中臣美空 三年生 セミロングで『かの世部』部長
志村時美 三年生 ポニテの『かの世部』副部長
139『みんなで協力……なんだけど』タングリス
乾ドックに海水を満たし、マーメイド号のエンジンを始動。
ドド ドドドド ドドドドドドドドドド
二百トンのマーメイド号は一万トンのシュネーヴィットヘンとは比べ物のならないほど振動する。
ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・アハハハ……((^O^))
ロキが振動で声を震わせて喜んで、ポチは甲板の振動をお尻で受けて煎り豆のように弾んで遊んでいる。
「もう、二人とも子どもなんだから・ら・ら・ら・ら・らららららら~((^▽^))/」
二人に呆れたケイトも、語尾がトレモロになってくると、陽気に『ら』を転がして可笑しがっている。
「水位が海と同じになった」
機械小屋のランプがグリーンになった。珍しモノ好きの姫がテルといっしょにポンプを操作しているのだ。
ドックに水を満たし海面と同じ高さにしなければ、船を海に出せない。
「マーメイドも準備OKです! ゲートを開けてください!」
操舵室からメガホンで叫ぶ。数秒、ウィーンというモーターの音がしたが、ガクンという音がしてモーターは停まってしまった。機械小屋で、二人が焦っているのが分かる。二度三度と試してみるが、モーターは直ぐに停まってしまう。
「あれって、安全装置が働いているんじゃないかしら?」
ユーリアが眉を寄せて推測する。
「どこかで負荷がかかり過ぎているのだろうか?」
時間が止まってしまっているのだ、予期せぬ不具合が起こっているのかもしれない。ひょっとしたら、我々の船出を喜ばない者たちが妨害しているのかもしれないとまで思った。なんせ、ヘルムの守護神であるヤマタの力が消滅してしまったのだ。なにが起こるか知れたものではない。
手分けしてドックの周囲を警戒してみよう……そう思った時、ポンとユーリアが手を打った。
「ゲートにも注水しなくっちゃ!」
あ!?
盲点だった!
最大三千トンの船が入れるドックはゲートもいかつく、幅が二十メートル、高さが十メートル、厚みが一メートルもある。しかし、中はガランドウで、ドックに水を張れば浮力を持ってしまう。そのためゲートの回転部分に異常な力が加わって開かなくなってしまったのだ。
「ゲートの注排水ポンプはありますかーー!?」
メガホンで聞くと姫が×印のサインを返してきた。
「タングリス、あれじゃないかなあ?」
ケイトがゲートの横を指さすとロキがポチに指示を与えて調べさせに行かせる。
「なにか、スイッチがあるの~(^▽^)/」
「それだ!」
機械小屋を飛び出した姫とテルがドックの縁を周って制御盤に取りついた。
構造は簡単なようで、すぐにスイッチが入れられ、くぐもった音がしてゲート内部のタンクに海水が満たされていく。
三十分後、満水になったゲートを開き、無事にマーメイドは海に乗り出した。
これからは、なんでも、この六人とポチでやっていかなければならない。なんせ時間が停まって、動けるのは我々だけなのだ。協力しあわなければな。
あらためて船を岸壁に着け、四号を載せて本格的に海に乗り出す。
「陽が落ちたら、交代でブリッジに立とう」
日没から日の出までを五つに分けて当直を決める。それまでは、わたしが舵輪を握る。
あと一時間ほどか……そう思ったが、いっこうに日は傾かない。
そうだ……時間が停まっているのだから、日が暮れるわけがない……。
ずっと太陽に照らされっぱなし、それが海面への照り返しと相まって光の強さは陸上の比ではない。目的地のある航海なので雲の陰ばかり拾って行くわけにもいかないだろう。なるべく短時日で着かなければならないし、小型船には不慣れな者たちばかりだ。
ああ…………
ドッと疲労感が押し寄せてきた。
☆ ステータス
HP:13500 MP:180 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・900 マップ:12 金の針:1000 その他:∞ 所持金:8000万ギル(リボ払い残高無し)
装備:剣士の装備レベル38(勇者の剣) 弓兵の装備レベル32(勇者の弓)
憶えたオーバードライブ:シルバーヒール(ケイト) シルバースプラッシュ(テル)
スプラッシュテール(ブリュンヒルデ) 空蝉(ポチ)
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ケイト(小山内健人) 小早川照姫の幼馴染 ペギーにケイトに変えられた
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