84 / 139
84『脇役の使命』
しおりを挟む
ここは世田谷豪徳寺・84(忠八編)
『脇役の使命』
結論は、もう出ていた。
孫文章とオレは立会人にされていることが、話し合いの途中で分かった。
C国は三つに分裂しようとしている。東北部と中部、そして南部に。SU自治区とC自治区は独立を認めるという形で放り出された。
分裂し、それぞれが独立しようとすると、この二つの自治区は、かえって重荷になったのだ。それで独立と言う名誉を与えて切り離そうということらしい。あくまで主役は、東北部、中部、南部の三つの地域だ。その証拠にSUとCの自治区の代表者は、この新陽という東北のC国分離独立の会議には呼ばれてはいない。
ちょっと身勝手かと思ったが、この三つの代表者の目標は一つ。混乱を最小限に抑え、秩序を維持しながら三つに分かれることであった。それも早急にやる必要がある。一日遅れれば、その遅れを取り戻すのに一年は余計にかかってしまうほど事態は切迫しているのだ。軍は静観しているが、これも放置しておけば軍閥化し、ここにいる代表者たちを排斥し軍政をしきかねなかった。
「……という大筋で合意し、結論を軍と、それぞれの国民に発表するとうことで。孫大人ご了解ねがいます」
「血が流れないのなら、それで結構。こんなジジイの顔が役に立って光栄です」
「我々は実務はこなせますが、人民を納得させる徳がありません。ほんの数か月ではありますが、三分独立までの間のC民主共和国の総統をお願いします。この国を無事に分けるのには、C朝を倒した孫大聖の孫のお顔が……」
「みなまでおっしゃるな。自分の役割は、よく心得ております。しかし、こんな博物館にこそ相応しいジジイの効き目は半年が限度としていただきたい。それまでに、どうか、それぞれの場所で力を尽くされよ」
これっでまとまったと思ったが、文章のじいさんがとんでもないことを言いだした。
「百年前の革命が成就したのは、ここにいる四ノ宮君の五代前、四ノ宮忠義大人の力によるところが大きい。それは、ここにいる諸君や、各地方の指導者諸君はよくご存じである。よって、民心を一層安定させるために……」
ここから意味が分からなくなった。文花が通訳を止めてしまったのだ。
「お前の口からは言えんか……では、このジジイが代わっていうぞ。忠八君。この文花を嫁にしてくれたまえ」
「えと……」
と、オレが反応する前に、会議に列席していた代表者たちが、一斉に拍手した!
『脇役の使命』
結論は、もう出ていた。
孫文章とオレは立会人にされていることが、話し合いの途中で分かった。
C国は三つに分裂しようとしている。東北部と中部、そして南部に。SU自治区とC自治区は独立を認めるという形で放り出された。
分裂し、それぞれが独立しようとすると、この二つの自治区は、かえって重荷になったのだ。それで独立と言う名誉を与えて切り離そうということらしい。あくまで主役は、東北部、中部、南部の三つの地域だ。その証拠にSUとCの自治区の代表者は、この新陽という東北のC国分離独立の会議には呼ばれてはいない。
ちょっと身勝手かと思ったが、この三つの代表者の目標は一つ。混乱を最小限に抑え、秩序を維持しながら三つに分かれることであった。それも早急にやる必要がある。一日遅れれば、その遅れを取り戻すのに一年は余計にかかってしまうほど事態は切迫しているのだ。軍は静観しているが、これも放置しておけば軍閥化し、ここにいる代表者たちを排斥し軍政をしきかねなかった。
「……という大筋で合意し、結論を軍と、それぞれの国民に発表するとうことで。孫大人ご了解ねがいます」
「血が流れないのなら、それで結構。こんなジジイの顔が役に立って光栄です」
「我々は実務はこなせますが、人民を納得させる徳がありません。ほんの数か月ではありますが、三分独立までの間のC民主共和国の総統をお願いします。この国を無事に分けるのには、C朝を倒した孫大聖の孫のお顔が……」
「みなまでおっしゃるな。自分の役割は、よく心得ております。しかし、こんな博物館にこそ相応しいジジイの効き目は半年が限度としていただきたい。それまでに、どうか、それぞれの場所で力を尽くされよ」
これっでまとまったと思ったが、文章のじいさんがとんでもないことを言いだした。
「百年前の革命が成就したのは、ここにいる四ノ宮君の五代前、四ノ宮忠義大人の力によるところが大きい。それは、ここにいる諸君や、各地方の指導者諸君はよくご存じである。よって、民心を一層安定させるために……」
ここから意味が分からなくなった。文花が通訳を止めてしまったのだ。
「お前の口からは言えんか……では、このジジイが代わっていうぞ。忠八君。この文花を嫁にしてくれたまえ」
「えと……」
と、オレが反応する前に、会議に列席していた代表者たちが、一斉に拍手した!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】メインヒロインとの恋愛フラグを全部ブチ壊した俺、サブヒロインと付き合うことにする
エース皇命
青春
《将来ヤンデレになるメインヒロインより、サブヒロインの方が良くね?》
16歳で自分が前世にハマっていた学園ドラマの主人公の人生を送っていることに気付いた風野白狼。しかしそこで、今ちょうどいい感じのメインヒロインが付き合ったらヤンデレであることを思い出す。
告白されて付き合うのは2か月後。
それまでに起こる体育祭イベント、文化祭イベントでの恋愛フラグを全てぶち壊し、3人の脈ありサブヒロインと付き合うために攻略を始めていく。
3人のサブヒロインもまた曲者揃い。
猫系ふわふわガールの火波 猫音子に、ツンデレ義姉の風野 犬織、アニオタボーイッシュガールの空賀 栗涼。
この3人の中から、最終的に誰を選び、付き合うことになるのか。てかそもそも彼女たちを落とせるのか!?
もちろん、メインヒロインも黙ってはいない!
5人の癖強キャラたちが爆走する、イレギュラーなラブコメ、ここに誕生!
※カクヨム、小説家になろうでも連載中!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる