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068『ニャンコ救助隊』
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せやさかい
068『ニャンコ救助隊』
子ネコは逃げもせえへんし、かと言って近寄ってくるわけでもなかった。
学校の内と外を隔つフェンスにくっつくようにお座りしてる。
ニャーー
ネコ語は分かれへんけども、いまの鳴き方は――助けてえなあ――という意味やのが分かった。
「なんか困ってるみたい」
留美ちゃんも、分かったみたいで「オーヨシヨシ……」と目を細めて近寄っていく。
「あ、この子?」
近寄って分かった。子ネコは、フェンスの隙間から入ろうとしたものの、お尻が引っかかって入ることも引き返すこともでけへん状態なんや。
ニャーー
分かってくれたか、いう感じで鳴きよる。
「とりあえず、出してやろか」
提案すると、留美ちゃんはコックリして、子ネコの脇に手を入れて引っ張ろうとする。出遅れたわたしは――がんばれ!――と心の中で応援。いつもは、人から一歩遅れがちな留美ちゃんやけど、子ネコに対しては救急隊みたいに迅速や。
フニャーー
「だめだ、お尻がつかえて出せないよ」
心なしか、子ネコも涙ぐんでるように見える。
「逆に押し出してみたら?」
「そうね……」
やさしく押し出す留美ちゃん。しかし、今度は首が引っかかってしまう。
グニャーー
ネコも辛そうに声は上げるけど、暴れる様子はない。かしこいネコや。
「あたし、外に出て押してみるわ。両方からやったら、いけるかもしれへん」
さっきの授業が体育祭の練習やったから動きやすい体操服。フェンスに足をかけて乗り越える。
よっこらしょ!
乗り越えたんはええねんけど、道路側に下りるのには、三メートルほどあって、ちょっと高い。不細工にお尻突き出してへっぴり腰で降りていく。
「下まで、どのくらい?」
「えーと、1.8メートルくらい」
「……よし!」
へっぴり腰のままフェンスを突き放す。ドスンとお尻から着地。同時に両手を着いたんで、尾てい骨骨折とかはせえへんかったけど、お尻と手ぇが同じくらい痛い。
しかし、そんなことはおくびにも出せへんで、子ネコのお尻をやさしく抑えてやる。
「じゃ、いっせーの……!」
アニメやったら――スポン――という効果音とエフェクトが付くんちゃうやろか言う感じで、子ネコは抜ける。
キャ!
勢いで留美ちゃんは猫を持ったままひっくり返る。勢いで子ネコはフェンスの上まで放り上げられ、なんと、わたしの上に降ってきた。
野球とかバレーボールとかで、球をとれたことないねんけど、運よく子ネコはわたしの腕の中に収まった。
あ、えーーーと。
道路側に下りてしもたんで、フエンスの高さは三メートルを超える。とても、子ネコを抱えたまま超えられそうにない。
数十秒ゲシュタルト崩壊して、留美ちゃんが思いついた。
「そのまんま部室に行って、さくらの荷物持って追いかけるから!」
そう言うと、留美ちゃんは校舎の反対側を周って教室を目指して走って行った。
わたしは、子ネコをジャージの中に入れて正門から部室を目指した。
068『ニャンコ救助隊』
子ネコは逃げもせえへんし、かと言って近寄ってくるわけでもなかった。
学校の内と外を隔つフェンスにくっつくようにお座りしてる。
ニャーー
ネコ語は分かれへんけども、いまの鳴き方は――助けてえなあ――という意味やのが分かった。
「なんか困ってるみたい」
留美ちゃんも、分かったみたいで「オーヨシヨシ……」と目を細めて近寄っていく。
「あ、この子?」
近寄って分かった。子ネコは、フェンスの隙間から入ろうとしたものの、お尻が引っかかって入ることも引き返すこともでけへん状態なんや。
ニャーー
分かってくれたか、いう感じで鳴きよる。
「とりあえず、出してやろか」
提案すると、留美ちゃんはコックリして、子ネコの脇に手を入れて引っ張ろうとする。出遅れたわたしは――がんばれ!――と心の中で応援。いつもは、人から一歩遅れがちな留美ちゃんやけど、子ネコに対しては救急隊みたいに迅速や。
フニャーー
「だめだ、お尻がつかえて出せないよ」
心なしか、子ネコも涙ぐんでるように見える。
「逆に押し出してみたら?」
「そうね……」
やさしく押し出す留美ちゃん。しかし、今度は首が引っかかってしまう。
グニャーー
ネコも辛そうに声は上げるけど、暴れる様子はない。かしこいネコや。
「あたし、外に出て押してみるわ。両方からやったら、いけるかもしれへん」
さっきの授業が体育祭の練習やったから動きやすい体操服。フェンスに足をかけて乗り越える。
よっこらしょ!
乗り越えたんはええねんけど、道路側に下りるのには、三メートルほどあって、ちょっと高い。不細工にお尻突き出してへっぴり腰で降りていく。
「下まで、どのくらい?」
「えーと、1.8メートルくらい」
「……よし!」
へっぴり腰のままフェンスを突き放す。ドスンとお尻から着地。同時に両手を着いたんで、尾てい骨骨折とかはせえへんかったけど、お尻と手ぇが同じくらい痛い。
しかし、そんなことはおくびにも出せへんで、子ネコのお尻をやさしく抑えてやる。
「じゃ、いっせーの……!」
アニメやったら――スポン――という効果音とエフェクトが付くんちゃうやろか言う感じで、子ネコは抜ける。
キャ!
勢いで留美ちゃんは猫を持ったままひっくり返る。勢いで子ネコはフェンスの上まで放り上げられ、なんと、わたしの上に降ってきた。
野球とかバレーボールとかで、球をとれたことないねんけど、運よく子ネコはわたしの腕の中に収まった。
あ、えーーーと。
道路側に下りてしもたんで、フエンスの高さは三メートルを超える。とても、子ネコを抱えたまま超えられそうにない。
数十秒ゲシュタルト崩壊して、留美ちゃんが思いついた。
「そのまんま部室に行って、さくらの荷物持って追いかけるから!」
そう言うと、留美ちゃんは校舎の反対側を周って教室を目指して走って行った。
わたしは、子ネコをジャージの中に入れて正門から部室を目指した。
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