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069『危機一髪!』
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せやさかい
069『危機一髪!』
動物を持ち込んだら怒られる!
正門までを走りながら考えた。瀬田と田中が子犬を拾てきて先生に怒られとった。
野良は病気やらばい菌を持ってたりするし、学校に居つかれても困るんやぞ。てなことを言われてた。
けど、ほっとくわけにもいかへん!
とりあえず、ジャージの中に押し込む。
フニャー!
ちょっとの間、辛抱してえ!
グヮッシャーーーーーン!!
ジャージの上からネコを押えたんがスイッチやったみたいに、後ろでごっつい音がした!
振り返ると、たった今まで居ったフェンスにトラックが突っ込んでた!
え? え? えええええ!?
ほんの数秒遅れてたら、ネコもあたしもトラックとフェンスの間に挟まれて……!?
膝が笑てしもて、腰が抜けそうになった。
校舎の窓からは、生徒や先生やらが身を乗り出し始めてる。
ご近所の人らも集まり始めて……い、いまのうちや!
事故の混乱で、出会った先生らに咎められることもなく、部室にたどり着くことができた。
「さくら、服とカバン!」
待機してた留美ちゃんが、子ネコと引き換えに渡してくれた制服に大急ぎで着替える。
「この子、震えてるわ」
「ごめんなあ」
子ネコに謝る。フェンスから引っ張り出されたかと思たら、不可抗力とはいえ、放り上げられ、着地したらジャージの中に押し込まれるし、後ろでゴッツイ衝撃音はするし、もみくちゃにされるし。
「救急車来たよ!」
「救急車呼ぶほどじゃ……」
「ちがう、交通事故の方よ!」
窓から見下ろすと、フエンスの内と外に人だかりがしてる。あらためて見ると、運転席がグチャグチャになったトラックが傾いてる。救急隊員とお巡りさんが閉じ込められてる運ちゃんを運び出すとこや。
「さくら、危ないとこだったねえ……」
「う、うん……」
今度は、あたしが震えて、子ネコが不思議そうに見上げてくる。
「あ、頼子さん!?」
留美ちゃんが、事故現場でキョロキョロしてる頼子さんを発見して指さした。
「なにをキョロキョロ……」
アホな二人と一匹が窓ガラスに額をくっ付けてると、地上の頼子さんは目ざとく見つけてくれた。
「なにか言ってる」
手をメガホンにして言うてはるねんけど、事故現場の喧騒で、ちょっとも聞こえへん。
「あーー、もう、てっきりさくらが死んだかと思った!」
部室に入るなり、頼子さんはわめいた。
「最初は、ネコと戯れてる二人が見えて、たぶん猫を連れてここに来るだろうって、お茶の用意しようとしてたら、グヮッシャーーーーーン!! でしょ! もう真っ青になって飛び出したんだからあああああ!!」
「す、すみません(^_^;)」
「でも、無事でよかったあああ!」
頼子さんに、子ネコ共々抱きしめられてしまった。こんなグジャグジャな頼子さんは初めてや。
フニャーーアアアアア!
「ああ、ネコが潰れます」
「あ、ご、ごめん。ん……この猫は!?」
頼子さんの目が光った!
069『危機一髪!』
動物を持ち込んだら怒られる!
正門までを走りながら考えた。瀬田と田中が子犬を拾てきて先生に怒られとった。
野良は病気やらばい菌を持ってたりするし、学校に居つかれても困るんやぞ。てなことを言われてた。
けど、ほっとくわけにもいかへん!
とりあえず、ジャージの中に押し込む。
フニャー!
ちょっとの間、辛抱してえ!
グヮッシャーーーーーン!!
ジャージの上からネコを押えたんがスイッチやったみたいに、後ろでごっつい音がした!
振り返ると、たった今まで居ったフェンスにトラックが突っ込んでた!
え? え? えええええ!?
ほんの数秒遅れてたら、ネコもあたしもトラックとフェンスの間に挟まれて……!?
膝が笑てしもて、腰が抜けそうになった。
校舎の窓からは、生徒や先生やらが身を乗り出し始めてる。
ご近所の人らも集まり始めて……い、いまのうちや!
事故の混乱で、出会った先生らに咎められることもなく、部室にたどり着くことができた。
「さくら、服とカバン!」
待機してた留美ちゃんが、子ネコと引き換えに渡してくれた制服に大急ぎで着替える。
「この子、震えてるわ」
「ごめんなあ」
子ネコに謝る。フェンスから引っ張り出されたかと思たら、不可抗力とはいえ、放り上げられ、着地したらジャージの中に押し込まれるし、後ろでゴッツイ衝撃音はするし、もみくちゃにされるし。
「救急車来たよ!」
「救急車呼ぶほどじゃ……」
「ちがう、交通事故の方よ!」
窓から見下ろすと、フエンスの内と外に人だかりがしてる。あらためて見ると、運転席がグチャグチャになったトラックが傾いてる。救急隊員とお巡りさんが閉じ込められてる運ちゃんを運び出すとこや。
「さくら、危ないとこだったねえ……」
「う、うん……」
今度は、あたしが震えて、子ネコが不思議そうに見上げてくる。
「あ、頼子さん!?」
留美ちゃんが、事故現場でキョロキョロしてる頼子さんを発見して指さした。
「なにをキョロキョロ……」
アホな二人と一匹が窓ガラスに額をくっ付けてると、地上の頼子さんは目ざとく見つけてくれた。
「なにか言ってる」
手をメガホンにして言うてはるねんけど、事故現場の喧騒で、ちょっとも聞こえへん。
「あーー、もう、てっきりさくらが死んだかと思った!」
部室に入るなり、頼子さんはわめいた。
「最初は、ネコと戯れてる二人が見えて、たぶん猫を連れてここに来るだろうって、お茶の用意しようとしてたら、グヮッシャーーーーーン!! でしょ! もう真っ青になって飛び出したんだからあああああ!!」
「す、すみません(^_^;)」
「でも、無事でよかったあああ!」
頼子さんに、子ネコ共々抱きしめられてしまった。こんなグジャグジャな頼子さんは初めてや。
フニャーーアアアアア!
「ああ、ネコが潰れます」
「あ、ご、ごめん。ん……この猫は!?」
頼子さんの目が光った!
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