110 / 432
110『除夜の鐘』
しおりを挟む
せやさかい
110『除夜の鐘』
ズゴ~~~~~~~~~~~~~~~~~ン
内臓がプルプルと揺さぶられるような振動~~~~~~~~
みんなで交代しながら鐘を撞く。
うちのお寺は鐘を撞くことは無かったから、ほんまに鳴ってる鐘を体験するのは初めて。
小学校五年生のころ、クラスに山本君いう太っちょがおった。
普段は大人しいて、先生に当てられても蚊の鳴くような声しか出さへん子ぉで、それも地声が高いので女の子が喋ってるみたい。じっさい、アニメキャラの物まねが得意で、女子にせがまれては『俺妹』の黒猫やら『働く細胞』の赤血球の物まねをしてた。ソックリやねんけど、声が小さいのんで、みんなから惜しいなあと残念がられてた。
その山本君が、音楽の歌のテストで木曽節を唄った。
木曽のなあ~~~~なかのりさ~ん 木曽の御嶽山がぁなんじゃらほい~
ビックリした!
めっちゃ大きな声で、ビブラートいうねんやろか、声の響きがすごくって、「最後まで唄ってみ」と先生に言われ、普通一番だけで終わるのを三番まできっちり唄った、あの時の感動が蘇ってきた!
「スッゴイ、体がジンジンするよ!」
念願叶った頼子さんも、最初の一発を撞いたところで大感動!
「深淵ですう……!」
これは留美ちゃんの感想。
「ブ、ブラバンの演奏に使いたい~! 吹奏楽には本物の大砲使うのもあるんだよ!」
というのは詩(コトハ)ちゃん。
「大砲を楽器に?」
「うん、序曲『1812年』というのが、大砲使うんだよ~!」
初めての鐘撞体験で、みんないろんなイメージを喚起されてる。
わたしは、うちのお寺の鐘も撞いてみたいなあと思うと同時に、あのプルプル感が便秘解消にええかと感じたんやけど、ちょっと変?
「楽しいのは、最初のうちだけやでえ」
テイ兄ちゃんが憎たらしいことを言う。
せやけど当たってた。
大晦日の深夜なんで厚着してたんやけど、各自十発撞いたころからホコホコしてきて、十五発くらいからは暑なってきて、マフラー取りいの、ジャンパー脱ぎいのになってきて、ニ十発を超えるころには手がしびれてきた。
鐘撞体験をさせてくれはったんは、東近江市にある真宗のお寺。
昔は、お寺は十人も家族がいてたし、村の若い者もいっぱいおって、一人当たり二三発撞いたら楽にこなせたらしい。
それが、お寺は六十五歳のごえんさん一人だけになってしもて、うちらが手伝うて、ほんまに助かったと言うてはりました。
撞き終って庫裏に戻ると、甘酒と豚汁が用意されてて、身も心もホコホコになって。
その後は、お寺の大きいお風呂にみんなで入る。
「毎日湧かしてたら、ガス代も水道代も大変だろうね」
頼子さんが心配するけど、燃料は裏山からとってきた薪やし、水は裏の川から汲んできたもんやと分かって感動。
「なんか天然温泉みたい!」
留美ちゃんが喜ぶ。
そして、元旦の帰りの車中、初詣をどうしようかと相談する堺の美少女たちであったのです……。
110『除夜の鐘』
ズゴ~~~~~~~~~~~~~~~~~ン
内臓がプルプルと揺さぶられるような振動~~~~~~~~
みんなで交代しながら鐘を撞く。
うちのお寺は鐘を撞くことは無かったから、ほんまに鳴ってる鐘を体験するのは初めて。
小学校五年生のころ、クラスに山本君いう太っちょがおった。
普段は大人しいて、先生に当てられても蚊の鳴くような声しか出さへん子ぉで、それも地声が高いので女の子が喋ってるみたい。じっさい、アニメキャラの物まねが得意で、女子にせがまれては『俺妹』の黒猫やら『働く細胞』の赤血球の物まねをしてた。ソックリやねんけど、声が小さいのんで、みんなから惜しいなあと残念がられてた。
その山本君が、音楽の歌のテストで木曽節を唄った。
木曽のなあ~~~~なかのりさ~ん 木曽の御嶽山がぁなんじゃらほい~
ビックリした!
めっちゃ大きな声で、ビブラートいうねんやろか、声の響きがすごくって、「最後まで唄ってみ」と先生に言われ、普通一番だけで終わるのを三番まできっちり唄った、あの時の感動が蘇ってきた!
「スッゴイ、体がジンジンするよ!」
念願叶った頼子さんも、最初の一発を撞いたところで大感動!
「深淵ですう……!」
これは留美ちゃんの感想。
「ブ、ブラバンの演奏に使いたい~! 吹奏楽には本物の大砲使うのもあるんだよ!」
というのは詩(コトハ)ちゃん。
「大砲を楽器に?」
「うん、序曲『1812年』というのが、大砲使うんだよ~!」
初めての鐘撞体験で、みんないろんなイメージを喚起されてる。
わたしは、うちのお寺の鐘も撞いてみたいなあと思うと同時に、あのプルプル感が便秘解消にええかと感じたんやけど、ちょっと変?
「楽しいのは、最初のうちだけやでえ」
テイ兄ちゃんが憎たらしいことを言う。
せやけど当たってた。
大晦日の深夜なんで厚着してたんやけど、各自十発撞いたころからホコホコしてきて、十五発くらいからは暑なってきて、マフラー取りいの、ジャンパー脱ぎいのになってきて、ニ十発を超えるころには手がしびれてきた。
鐘撞体験をさせてくれはったんは、東近江市にある真宗のお寺。
昔は、お寺は十人も家族がいてたし、村の若い者もいっぱいおって、一人当たり二三発撞いたら楽にこなせたらしい。
それが、お寺は六十五歳のごえんさん一人だけになってしもて、うちらが手伝うて、ほんまに助かったと言うてはりました。
撞き終って庫裏に戻ると、甘酒と豚汁が用意されてて、身も心もホコホコになって。
その後は、お寺の大きいお風呂にみんなで入る。
「毎日湧かしてたら、ガス代も水道代も大変だろうね」
頼子さんが心配するけど、燃料は裏山からとってきた薪やし、水は裏の川から汲んできたもんやと分かって感動。
「なんか天然温泉みたい!」
留美ちゃんが喜ぶ。
そして、元旦の帰りの車中、初詣をどうしようかと相談する堺の美少女たちであったのです……。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
それぞれの道
真田直樹
現代文学
主な登場人物
藤川優斗(ふじかわ ゆうと)
高校野球部ショート。堅実な守備と冷静な判断力が武器。チームの精神的支柱。
丹羽雅人(にわ まさと)
野球部エースピッチャー。豪速球と強気の性格。優斗とは中学からの親友。
尾上紀子(おのえ のりこ)
吹奏楽部トランペット担当。県大会常連校の中心メンバー。優斗に密かな想い。
富田さゆり(とみた さゆり)
演劇部。表現力が高く、舞台では別人のようになる。クラスのムードメーカー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる