146 / 432
146『バーチャル女子会』
しおりを挟むせやさかい
146『バーチャル女子会』
『「あ、そうか!」』には微妙なズレがあった。
ちょっと説明するわね。
お寺の婦人会(ほとんどお婆ちゃん)と文芸部でバーチャル女子会をやろうと思った。
テイ兄ちゃんが構築した『寺テレワーク』のシステムを使ったテレワーク式の女子会。
せやけど、全部で18人も参加するとタブレットの画面では小さすぎる!
そこで、スカイプしてたテイ兄ちゃんとジョン・スミス(頼子さんのボディーガード)が『「あ、そうか!」』と閃いた。
その閃きにズレがあった。
テイ兄ちゃんは、ネットでお寺と領事館を繋いで、プロジェクターとスクリーンで映像を映す2Dバーチャルを考えた。大阪も部分的な規制解除がされたので、婦人会のお婆ちゃんらはお寺の本堂に集まってもらう。むろんソーシャルディスタンスはしっかりとった上でね。せっかくのタブレットやけど、それよりええ方法を思いついたらすぐに切り替えられるのは、檀家のお婆ちゃんらのことを第一に考えられる坊主の優しさ。
ジョン・スミスは、その上を行ってる。
なんと、3Dホログラムのセットを使う!
ご本尊の前の畳に真上を向いた投影機、その上に45度の角度を付けたカーボンの黒枠、黒枠には特殊シールが張ってあって、投影機が発した映像が、シールに映って、あたかも実物があるような感じになる。
ほら、初音ミクのライブとかで、ほんまにステージに初音ミクが居てるように見える、あの仕掛け。
あれをグレードアップしてコンパクトにした仕掛け。それを領事館のボックスカーで持ってきて、ジョンスミスは一時間ほどで仕上げる。
同じものが、領事館のホールにもセットされていて、双方向で3Dバーチャル映像が楽しめるわけ!
おおーーーーーーー!!
ニャーー!
ご本尊の前に現れた頼子さんはホログラム特有の輝きを放って出現し、目の当たりにしたお婆ちゃんたちが感嘆の声をあげる。中には、手を合わせて念仏を唱えるお婆ちゃんも居てる。
ニャーはダミア、あやうく頼子さんめがけて飛びつきそうになったんでテイ兄ちゃんに取り押さえられる。
突っ込んだら爪でスクリーン破られてしまうからね。
仕掛けを知ってるわたしも三カ月ぶりに見る頼子さんの姿に胸が熱くなってくる。
『さくらちゃん、留美ちゃん、そして如来寺婦人会のお婆ちゃんたち、ほんとうにご無沙汰していました……』
そこまで言って、頼子さんもこみ上げてくるものがあって、しばらく沈黙になる。
「頼子ちゃん」
「畏れ多いことを『殿下』をつけなあかんやんか!」
声をかけた田中のお婆ちゃんを別のお婆ちゃんがたしなめる。
『そんな敬称はいりません、ここに居る時は、ただの頼子です。いっしょにお餅を食べたり、ミカンの皮を剥いていた文芸部の中学生……あ、書類上は卒業して高校生だけど』
「そっちも、わたしたちのこと見えてますか?」
『うん、大丈夫だよ留美ちゃん、ちゃんとホログラムで見えてるよ。ただ、領事館のホールは本堂ほどの広さがないので、みなさん1/2サイズなんだけどね』
「え、大きさ変えられるんですか?」
「うん、できるよ、こっちからでも……」
頼子さんがなにやら操作する、影から「あ!」っと声、たぶんソフィアさん。
わ!!
頼子さんがグラリと揺れたかと思うと、いきなり首のドアップ!
お婆ちゃんたちが腰を抜かす。
『ごめんなさい、操作が難しくって(;^_^A……えい!』
今度は、ティンカーベルのように小さくなる。
『頼子さま、わたくしが……』
陰でソフィアさんの声がして、やっと元のサイズに収まって女子会が始まった……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
黄泉津役所
浅井 ことは
キャラ文芸
高校入学を機にアルバイトを始めようと面接に行った井筒丈史。
だが行った先は普通の役所のようで普通ではない役所。
一度はアルバイトを断るものの、結局働くことに。
ただの役所でそうではなさそうなお役所バイト。
一体何をさせられるのか……
孤児が皇后陛下と呼ばれるまで
香月みまり
ファンタジー
母を亡くして天涯孤独となり、王都へ向かう苓。
目的のために王都へ向かう孤児の青年、周と陸
3人の出会いは世界を巻き込む波乱の序章だった。
「後宮の棘」のスピンオフですが、読んだことのない方でも楽しんでいただけるように書かせていただいております。
親愛なる後輩くん
さとう涼
恋愛
「神崎部長は、僕と結城さんがつき合っているのを知りながら彼女に手を出したんですよ」
雨宮一紗(33歳)。離婚して3年。
同じ会社に勤める元夫・神崎敦朗と復縁したくて、ある日食事に誘ったら、神崎から恋人がいると知らされる。相手は20代の部下・結城史奈だという。
さらに神崎のもうひとりの部下である蓮見閑《しずか》から、彼女(結城)を神崎に略奪されたと聞かされてしまい、大きなショックを受ける……。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる