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169『耳をすませば・2』
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169『耳をすませば・2』
アニメの『耳をすませば』はこういう話。
中三の月島雫は大の読書好き。
ある日、図書室で借りた本の帯出カードに自分より先に本を借りている天沢聖司の名前を発見する。
同時に借りた他の本を見ると、どの帯出カードにも雫より先に借りている天沢聖司の名前がある。
そこから聖司への関心が生まれる。
その後、雫のドジが原因で聖司本人と知り合うことになるが、印象はさんざん。
やなやつ! やなやつ! やなやつ!
家に帰って机の前に座っても悪態が止まない雫。しかし、いろんな事件があって、二人は急速に接近していって恋に落ちるという青春ラブストーリー。
実は、うちのおっちゃんとおばちゃんも、似たような経過をたどって結ばれたというお話。
当時大学四年やったおっちゃんは大学の図書室で卒論を書いてた。
そんなある日、三回に一回同じテーブルの対角線の席で本を読んでる小柄な下級生に気づく。
チラ見すると、保母さん志望なのか、絵本や児童書、保育関係の本を熱心に読んでることが分かった。
下級生は、読み切れない本を閉館間近に借りに行く。おっちゃんはチャンスやと思った。
おっちゃんも、適当な本をカウンターに持って行って、彼女の後ろにくっ付いて帯出のために出した学生証で名前を確認――そうか、月島美保というんか――
こういうことを繰り返して、おっちゃんは一計を案じた。
彼女が読んでる叢書は文学の棚の中段にあるのやけど、それをこっそり最上段に移した。
「あ、届かない……」
彼女が困っていることを隣の書架の隙間から見てたおっちゃんは、自然な感じで文学の棚に回って彼女に声をかける。
「どうかしました?」
「あ……その……」
「あ、高くて取れへんねや……蔵書点検で配置が換わったんやね。ちょっと待ってや」
おっちゃんは、そばの壁に脚立があるのを確認してて、その脚立を取りに行こう……としたら、その脚立が無い。
「あ、いいです。司書さんに頼みますから」
「いやいや、これくらいのもんは……」
おっちゃんは、書架の一番下に足を掛けて(ちゃんと靴は脱いだ)、う~んと背伸びをした。
「う~~~ん」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫……ほら、届いた!」
「やったあ!」
「あ……うわ!」
安心して着地しようとしたおっちゃんは、バランスを崩して倒れる!
「うわーー!」「きゃーー!」
ドッシン!
二人仲良く通路に倒れる、彼女が下でおっちゃんが上というラブコメ的展開。
これで接近に成功したおっちゃんは『キネマ旬報』でジブリの新作アニメがロードショーになることを知って彼女を誘った。
主人公が彼女と同じ月島という苗字なのはスクリーンを見るまで気が付かへんかったらしい……ほんまかな?
とにかく、シュチュエーションとしては完璧!
そして、彼女が卒業するのを待ってプロポーズしてゴールインしたそうな。
「でも、それだとアニメ観ないでも結婚したんじゃないですか?」
銀ちゃんが身もふたもないことを言う。
「それがね、アニメ観るまではプロポーズされたら断るつもりでいたの」
「そうなんですか、だったらどうして?」
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「だって、諦念先輩の家ってお寺さんでしょ……」
ああ、分かる分かる、陰気臭いし大変そうやし。
「でも、映画観たら、なんか運命みたいに感じて、影響されやすいのよね……あ、付き合わせちゃったわね。そうだ、晩御飯食べてってよ(^▽^)/」
留美ちゃん、銀ちゃんもいっしょの晩御飯になりました。
部室が我が家というのんは、ほんまにええことです(^▽^)/。
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