321 / 432
321『海の日 お祖父ちゃんと』
しおりを挟む
せやさかい
321『海の日 お祖父ちゃんと』さくら
え、海の日ぃやったんか!?
たまたま、お祖父ちゃんと二人だけのリビング、新聞読んでたお祖父ちゃんが声を上げる。
時々、こういうことがある。
お祖父ちゃんは、二年前に住職の仕事をおっちゃんに譲った。
テイ兄ちゃんが、なんとか務まるようになってきたし、他所よりは檀家の多いお寺やけど、さすがに三人でやるほどやない。
膝とかもガタがきて、長時間の正座がきついことも理由の一つ。
正座は、坊主には必須条件。
「親鸞さんは胡座でお経唱えてたんやけどなあ……」
と膝をさすりながら言うてた。
「そら、お父さん、親鸞さんの時代は正座の習慣なかったからなあ」
おっちゃんが笑って、中坊やったうちはビックリした。
「昔は正座せえへんかったん?」
「うん、正座が習慣づいたのは江戸時代やなあ」
「「「え、ほんま!?」」」
従兄妹同士三人でびっくりしたのも懐かしい思い出。
昔は、天皇さんや将軍さんの前では、みんな胡座かいてたそうです。
ま、それはおいといて、お祖父ちゃんのスカタン。
やっぱり、檀家周りもせんと、うちで隠居生活してたら曜日感覚とかなくしてしまう。
ひょっとしたら、ボケのはじまり!?
「まだ、ボケてへんわ!」
「え、なんも言うてへんけど」
「そんな顔してた」
「アハハ……」
「海の日て、ちょっと前までは20日やったやろ」
「え、せやった?」
「そうや、七月は、他に祝日あれへんやろ」
「えと……ほんまや」
柱のカレンダーを見る。
「ちょっと前やと思うねんけど、七月にも祝日欲しいいうことで祝日になったんや」
「国も、たまにはええことするねえ(^▽^)」
「元々は、祝日やないけど海の記念日いうて昔からあったんや」
「そうなん?」
「明治天皇がな、地方巡行を終えて、初めて船で東京に帰ってきはったんを記念して、戦前につくられた記念日や」
「え、え、せやったらせやったら、天皇さんが初めて飛行機に乗らはった日を『空の日』とか、初めて自動車に乗らはった日ぃを『陸の日』とか増やしたらええのに!」
「天皇さんは祝日請負人とちゃうでえ」
「子どもは賛成すると思うよ」
「たしか、明治天皇は灯台の見回り船に乗って帰って来はったんや。明治の……9年ごろやったかなあ、日本でも主だったとこには灯台ができてな、その灯台を点検したり灯台守の生活必要品とかを届けるための船や。そういう海洋日本を支えてる仕事や人に思いをいたさはったんやなあ」
「へえ、そうなんや」
あらためてカレンダーを見る。ほんまに、七月で一回だけの祝日が神々しく見えてくる。
カレンダーの上半分を見ると『アミダさまのお救いは年中無休』と書いてある。
「ああ、あっついあっつい~~~~」
檀家さんが見たら「お布施返せえ!」ていいそうなアホな顔、衣の裾をたくし上げてテイ兄ちゃんが返って来る。
なるほど、うちの仏弟子も年中無休ではありました。
「おつかれさん!」
キンキンに冷えた麦茶をビールジョッキに入れて持って行ってやるさくらでありした(^_^;)。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
321『海の日 お祖父ちゃんと』さくら
え、海の日ぃやったんか!?
たまたま、お祖父ちゃんと二人だけのリビング、新聞読んでたお祖父ちゃんが声を上げる。
時々、こういうことがある。
お祖父ちゃんは、二年前に住職の仕事をおっちゃんに譲った。
テイ兄ちゃんが、なんとか務まるようになってきたし、他所よりは檀家の多いお寺やけど、さすがに三人でやるほどやない。
膝とかもガタがきて、長時間の正座がきついことも理由の一つ。
正座は、坊主には必須条件。
「親鸞さんは胡座でお経唱えてたんやけどなあ……」
と膝をさすりながら言うてた。
「そら、お父さん、親鸞さんの時代は正座の習慣なかったからなあ」
おっちゃんが笑って、中坊やったうちはビックリした。
「昔は正座せえへんかったん?」
「うん、正座が習慣づいたのは江戸時代やなあ」
「「「え、ほんま!?」」」
従兄妹同士三人でびっくりしたのも懐かしい思い出。
昔は、天皇さんや将軍さんの前では、みんな胡座かいてたそうです。
ま、それはおいといて、お祖父ちゃんのスカタン。
やっぱり、檀家周りもせんと、うちで隠居生活してたら曜日感覚とかなくしてしまう。
ひょっとしたら、ボケのはじまり!?
「まだ、ボケてへんわ!」
「え、なんも言うてへんけど」
「そんな顔してた」
「アハハ……」
「海の日て、ちょっと前までは20日やったやろ」
「え、せやった?」
「そうや、七月は、他に祝日あれへんやろ」
「えと……ほんまや」
柱のカレンダーを見る。
「ちょっと前やと思うねんけど、七月にも祝日欲しいいうことで祝日になったんや」
「国も、たまにはええことするねえ(^▽^)」
「元々は、祝日やないけど海の記念日いうて昔からあったんや」
「そうなん?」
「明治天皇がな、地方巡行を終えて、初めて船で東京に帰ってきはったんを記念して、戦前につくられた記念日や」
「え、え、せやったらせやったら、天皇さんが初めて飛行機に乗らはった日を『空の日』とか、初めて自動車に乗らはった日ぃを『陸の日』とか増やしたらええのに!」
「天皇さんは祝日請負人とちゃうでえ」
「子どもは賛成すると思うよ」
「たしか、明治天皇は灯台の見回り船に乗って帰って来はったんや。明治の……9年ごろやったかなあ、日本でも主だったとこには灯台ができてな、その灯台を点検したり灯台守の生活必要品とかを届けるための船や。そういう海洋日本を支えてる仕事や人に思いをいたさはったんやなあ」
「へえ、そうなんや」
あらためてカレンダーを見る。ほんまに、七月で一回だけの祝日が神々しく見えてくる。
カレンダーの上半分を見ると『アミダさまのお救いは年中無休』と書いてある。
「ああ、あっついあっつい~~~~」
檀家さんが見たら「お布施返せえ!」ていいそうなアホな顔、衣の裾をたくし上げてテイ兄ちゃんが返って来る。
なるほど、うちの仏弟子も年中無休ではありました。
「おつかれさん!」
キンキンに冷えた麦茶をビールジョッキに入れて持って行ってやるさくらでありした(^_^;)。
☆・・主な登場人物・・☆
酒井 さくら この物語の主人公 聖真理愛女学院高校一年生
酒井 歌 さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。現在行方不明。
酒井 諦観 さくらの祖父 如来寺の隠居
酒井 諦念 さくらの伯父 諦一と詩の父
酒井 諦一 さくらの従兄 如来寺の新米坊主 テイ兄ちゃんと呼ばれる
酒井 詩(ことは) さくらの従姉 聖真理愛学院大学二年生
酒井 美保 さくらの義理の伯母 諦一 詩の母
榊原 留美 さくらと同居 中一からの同級生
夕陽丘頼子 さくらと留美の先輩 ヤマセンブルグの王位継承者 聖真理愛女学院高校三年生
ソフィー 頼子のガード
古閑 巡里(めぐり) さくらと留美のクラスメート メグリン
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
それぞれの道
真田直樹
現代文学
主な登場人物
藤川優斗(ふじかわ ゆうと)
高校野球部ショート。堅実な守備と冷静な判断力が武器。チームの精神的支柱。
丹羽雅人(にわ まさと)
野球部エースピッチャー。豪速球と強気の性格。優斗とは中学からの親友。
尾上紀子(おのえ のりこ)
吹奏楽部トランペット担当。県大会常連校の中心メンバー。優斗に密かな想い。
富田さゆり(とみた さゆり)
演劇部。表現力が高く、舞台では別人のようになる。クラスのムードメーカー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる