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(簡単には靡かないか)
分かっていたから気落ちはしなかったが、それでも少し悲しいと思ってしまう。
玄の視界にようやく入ったばかりというのを突きつけられ、桐生は想定通りにいかない彼の態度に落胆すると同時により一層興味を覚えた。
なぜここまで桐生を蔑ろにするのだろう。
やっと掴んだ彼との関係のあまりの貧弱さに、すぐにでもこんな面倒な立場を捨てたいと思ったが、下級生の玄とこれ以外の繋がりを得ることは出来ないとも分かっていた。
孤高で気高い彼が唯一属している組織のトップになれば、自分に対する態度を変えるのではないかと期待していた。
蔑む目ではなく尊敬へと。
だが何一つ変わらなかった。
これだけ頑張って得たのは、彼の視界に入った、ただそれだけ。
「今はそれで良しとするか」
ゆったりと窓枠に腰掛けながら校門を出ていく玄の背中を眺める。誰もいないグラウンドを横切っている間も、その真っ直ぐな背筋は伸びたままだ。果たして彼はどこで気を抜いているのか。
関東のまだ暑さの名残を纏う秋の風を受けながら桐生は、凛とした横顔が門柱に消えるまでずっと目で追った。
なぜここまで彼のことが気になるのか。
初めて言葉を交わしたあの時から、自分を見てもらいたくてみっともないくらいに煽って自己主張したのはなぜか。
この数ヶ月で桐生にもようやく分かりかけていた。
あの凛と澄ました顔ではない、他の表情が見たいのだ。もっと喜怒哀楽を織り交ぜた生のままの表情を。相手の感情がずっとヴェールに包まれたままなのが嫌なのだ。露骨に敵意を剥き出してきたり怯えられたり好意を向けられたり、同性からはいつもそんな感情ばかりが手に取るよりも明らかに向けられたから、無関心であることが許せないと思っていた。
だがそればかりかと自問すれば、違った答えが導き出された。
本当に自分に興味のない人間が他にいなかったか思い出せば、数は少ないがゼロではない。そんな面々に対して桐生もまた無反応を貫き通した。相手が自分を視界に入れないのであれば、自分もまた相手が存在しないように振舞うだけ。そして記憶から葬り去るだけだった。ここまで興味を覚える対象ではなかった。
玄の何が違うのだろうか。
考えて考えて導き出したのは、今まで自分には持ち合わせていないと信じていたある感情の存在だ。
己の行動も感じ方も考え方も、その感情に当てはめるとすべての辻褄が合う。
桐生はあのどこまでもクールで凛とした美しい人間に、恋をしたのだ。
まだ中学生になったばかりなのに、頑ななまでに己を律した彼が、まっすぐで眩しかったからかもしれない。自分がなろうとしてなれなかった姿がそこにあって、嫉妬したのだ。同時に子供じみた自分の行動が恥ずかしくなった。もっと彼に認めてもらいたくて、尊敬される人間になりたくて、アルファのオーラダダ洩れにしていたのをやめた。そして玄が所属している生徒会のトップになれば認めてもらえるかと今回立候補して当選したのだが、菅原玄という男はそう簡単に堕ちる人間ではなかった。
「当たり前だ、簡単に感情を動かすような人間に興味はない」
視界から消えゆく背中に熱い視線を送り続ける。だが一度も振り向いてくれることはなかった。
彼の言ったように20年想い続ければこちらを振り向いてくれるのだろうか。
「それまでに、君が認めるような人間になろう」
まずは彼の視界に入った。
次は尊敬に値する人間になり、彼からの憧憬を一身に受けること。
「とりあえず、前会長からの引継ぎ資料にでも目を通しておくか」
今まで全く関心のなかった生徒会というシステムをまずは把握しようとパラパラとめくっていく。
「なんだこれは……ただの生徒たちの雑用係ではないかっ!」
予算の振り分けや各委員会の調整、イベント活動の企画運営と内容は多岐にわたっているし、生徒会長の仕事内容はデーンと座ってジャッジメントするのではなく、率先して雑用を行う旨の記載がなされている。しかもこの資料は前会長が作ったものではなく、代々受け継がれたものであった。
「なんて面倒な……」
方針を決め部下に下ろす会社経営のほうがよっぽど簡単ではないか。
だがこれをこなさなければ玄には認めてもらえない。羨望などしてもらえるはずもない。
「やるしかないのか……人の上に立つというのはここまで面倒なことだったとは」
とある財閥の経営者一族に生まれてきたが、桐生の父もまだ一つの会社を任せてもらっている立場ではないのに、桐生はもう会社経営がなんなのか知ったつもりでいた気になっていた。
傲岸不遜な自分に気付き、同時に愕然とした。
他者より優れたアルファに生まれた、ただそれだけのことを鼻にかけて生きてきたと同時に、本当にそれだけしか持ち合わせていない己に気付いた。
勉強はできるが、やる気はない。
スポーツはそつなくこなすが、情熱がない。むしろ団体競技ではチームワーク無視の独善プレー炸裂。
目立つことだけがしたいが労力は惜しむタイプの人間である桐生にとって、生徒会の仕事は無償ボランティア同然である。
「この私にこんな仕事を……いやだがこれをこなさなければ玄に……」
見下されるだけでは済まさないだろう。
また視界の外に放り出されそうで怖い。
「やる……やってやろう、この桐生・アルベルト・篤繁がっ!」
無駄に自分を奮い立たせるのだが、資料を目にすればするほど落ち込む桐生だった。
やる気はともかくとして、やれと言われたことはそつなくこなすのが優位生体アルファの能力。
桐生はその日からなににおいても真面目に取り組み始めた。
目標はただ一つ、玄の憧憬を集めることだが、蓋を開ければなぜか彼がすべてお膳立てをしたレールの上を歩かされているという、マリオネットと化していた。
「違う、何かが違う……」
生徒会長として一番初めの大仕事、クラス対抗球技大会を終えた生徒会室で、桐生は真っ青になった。
始めから終わりまで、運営の一部始終を取り仕切ったのは、まだこの大会を経験していないはずの玄だった。桐生はただただ彼の指示に従って動くしかなかった。さてどうしようかと思った瞬間には玄による行動計画表が提示され、振り分けはと考えればすでに終わっており、桐生がしたことと言えば、開会と閉会のスピーチだけだった。
「こんな予定でないはずなのに……」
段取りにまったく無駄がない玄の計画に、付き従うしかなかった。まさか、始まる前にすべてを計画していたなんて誰が思うだろう。
企画会議の場で自分がカッコよく進め判断するのを玄に見せようと張り切ったにもかかわらず、結果は玄の有能さだけを周囲に知らしめて終わっただけだった。
同時に、桐生の調教師という二つ名と尊敬の眼差しが、他の生徒会メンバーから玄に向けられ始めていた。
「違う、私の想定とは全く違うではないかっ!」
己の想い人のあまりもの有能さに桐生は打ちひしがれるしかなかった。
まだ一年生なのに、ついこの間までは小学生だったくせに、なんなんだこの有能さは。
しかも完全無欠で正確無比。しかも、随所随所には想定されるトラブルとその対処法までもが盛り込まれ、トラブル対応のための時間まで盛り込んだタイムスケジュールとなっていた。
完璧すぎる相手に、桐生は全く歯が立たなかった。
本当にお飾りでしかなかった。しかもスピーチの原稿すら作られ、五分で暗記しこれ以外のことを喋るな釘まで刺される始末だ。
「私の存在意義は……」
玄によって打ち砕かれた存在意義を拾い集めながら涙に暮れるしかなかった。
だがこれでめげる桐生ではない。
次のイベントではもっと早くに完璧な計画書を立てて玄を驚かせようと躍起になった。
しかし菅原玄という男は、そう簡単に勝てる相手ではなかった。
一つ下にも関わらず、どんどん取り仕切っては自分一人が動くのではなく、上手く他者を動かしていくのだ。言葉巧みに相手をその気にさせて、さも自身が率先してやっているという錯覚を抱かせ、意のままに動かしていく。そんな高度なテクニックを目の当たりにして桐生は震えた。
周囲が玄にいいように使われていく事実に、桐生以外の誰も気づいていない。そう、それは先の球技大会の同じだ。終わるまで気づかない。いや、もしかしたら終わっても気づいていない面々がいるのかもしれない。
皆が玄の操り人形のように動くのだった。
「人心掌握もできるというのか……恐ろしいぞ、菅原玄!」
日々の業務は淡々とこなし、イベント業務では陰日向に活躍する玄に、舌を巻くしかなかった。
(もっと男を磨かねば!)
桐生は躍起になった。
今まで興味のなかった心理学や経営学の分野にも手を出し、家庭教師が教えてくれること以上を自分から学んでいった。同時に玄を見習って(裏ではちょっと色々やりつつ)品行方正に努め、誰が見ても優等生を演じ続けた。生徒会長の任期を全うする頃には、玄以外の誰からも尊敬される人間になっていた。
そう、一番の目標だった玄の憧憬を得られぬままという結果で終わったのだ。
「なぜだ……」
おかしい。おかしすぎるだろう。
この一年というもの、今までにないほど真面目に生きてきたというのに、望んだ結果が得られないなんて……。
桐生は両親に頼みこみ、中学卒業とともに次の赴任先には着いていかず、目付役の親戚の家の傍のマンションに単身残り高校も日本で過ごせるようにしてもらった。
傲慢不遜な息子の変わりように喜んでいる両親は、二つ返事で了承したのは幸いだった。
そして高校にエスカレータで進学し、翌年に玄が入学するまでの間に、生徒会の乗っ取りを企てた。
「うん、やっぱり玄以外の人間は簡単に御せるね」
たった二ヶ月で高等部の生徒会を意のままに動かした桐生は頭をひねった。
いったい彼にはどんな能力が備わっているんだ。
そして自分の想い人が他者よりも抜きんでた能力を持っていることが妙に誇らしかった。
分かっていたから気落ちはしなかったが、それでも少し悲しいと思ってしまう。
玄の視界にようやく入ったばかりというのを突きつけられ、桐生は想定通りにいかない彼の態度に落胆すると同時により一層興味を覚えた。
なぜここまで桐生を蔑ろにするのだろう。
やっと掴んだ彼との関係のあまりの貧弱さに、すぐにでもこんな面倒な立場を捨てたいと思ったが、下級生の玄とこれ以外の繋がりを得ることは出来ないとも分かっていた。
孤高で気高い彼が唯一属している組織のトップになれば、自分に対する態度を変えるのではないかと期待していた。
蔑む目ではなく尊敬へと。
だが何一つ変わらなかった。
これだけ頑張って得たのは、彼の視界に入った、ただそれだけ。
「今はそれで良しとするか」
ゆったりと窓枠に腰掛けながら校門を出ていく玄の背中を眺める。誰もいないグラウンドを横切っている間も、その真っ直ぐな背筋は伸びたままだ。果たして彼はどこで気を抜いているのか。
関東のまだ暑さの名残を纏う秋の風を受けながら桐生は、凛とした横顔が門柱に消えるまでずっと目で追った。
なぜここまで彼のことが気になるのか。
初めて言葉を交わしたあの時から、自分を見てもらいたくてみっともないくらいに煽って自己主張したのはなぜか。
この数ヶ月で桐生にもようやく分かりかけていた。
あの凛と澄ました顔ではない、他の表情が見たいのだ。もっと喜怒哀楽を織り交ぜた生のままの表情を。相手の感情がずっとヴェールに包まれたままなのが嫌なのだ。露骨に敵意を剥き出してきたり怯えられたり好意を向けられたり、同性からはいつもそんな感情ばかりが手に取るよりも明らかに向けられたから、無関心であることが許せないと思っていた。
だがそればかりかと自問すれば、違った答えが導き出された。
本当に自分に興味のない人間が他にいなかったか思い出せば、数は少ないがゼロではない。そんな面々に対して桐生もまた無反応を貫き通した。相手が自分を視界に入れないのであれば、自分もまた相手が存在しないように振舞うだけ。そして記憶から葬り去るだけだった。ここまで興味を覚える対象ではなかった。
玄の何が違うのだろうか。
考えて考えて導き出したのは、今まで自分には持ち合わせていないと信じていたある感情の存在だ。
己の行動も感じ方も考え方も、その感情に当てはめるとすべての辻褄が合う。
桐生はあのどこまでもクールで凛とした美しい人間に、恋をしたのだ。
まだ中学生になったばかりなのに、頑ななまでに己を律した彼が、まっすぐで眩しかったからかもしれない。自分がなろうとしてなれなかった姿がそこにあって、嫉妬したのだ。同時に子供じみた自分の行動が恥ずかしくなった。もっと彼に認めてもらいたくて、尊敬される人間になりたくて、アルファのオーラダダ洩れにしていたのをやめた。そして玄が所属している生徒会のトップになれば認めてもらえるかと今回立候補して当選したのだが、菅原玄という男はそう簡単に堕ちる人間ではなかった。
「当たり前だ、簡単に感情を動かすような人間に興味はない」
視界から消えゆく背中に熱い視線を送り続ける。だが一度も振り向いてくれることはなかった。
彼の言ったように20年想い続ければこちらを振り向いてくれるのだろうか。
「それまでに、君が認めるような人間になろう」
まずは彼の視界に入った。
次は尊敬に値する人間になり、彼からの憧憬を一身に受けること。
「とりあえず、前会長からの引継ぎ資料にでも目を通しておくか」
今まで全く関心のなかった生徒会というシステムをまずは把握しようとパラパラとめくっていく。
「なんだこれは……ただの生徒たちの雑用係ではないかっ!」
予算の振り分けや各委員会の調整、イベント活動の企画運営と内容は多岐にわたっているし、生徒会長の仕事内容はデーンと座ってジャッジメントするのではなく、率先して雑用を行う旨の記載がなされている。しかもこの資料は前会長が作ったものではなく、代々受け継がれたものであった。
「なんて面倒な……」
方針を決め部下に下ろす会社経営のほうがよっぽど簡単ではないか。
だがこれをこなさなければ玄には認めてもらえない。羨望などしてもらえるはずもない。
「やるしかないのか……人の上に立つというのはここまで面倒なことだったとは」
とある財閥の経営者一族に生まれてきたが、桐生の父もまだ一つの会社を任せてもらっている立場ではないのに、桐生はもう会社経営がなんなのか知ったつもりでいた気になっていた。
傲岸不遜な自分に気付き、同時に愕然とした。
他者より優れたアルファに生まれた、ただそれだけのことを鼻にかけて生きてきたと同時に、本当にそれだけしか持ち合わせていない己に気付いた。
勉強はできるが、やる気はない。
スポーツはそつなくこなすが、情熱がない。むしろ団体競技ではチームワーク無視の独善プレー炸裂。
目立つことだけがしたいが労力は惜しむタイプの人間である桐生にとって、生徒会の仕事は無償ボランティア同然である。
「この私にこんな仕事を……いやだがこれをこなさなければ玄に……」
見下されるだけでは済まさないだろう。
また視界の外に放り出されそうで怖い。
「やる……やってやろう、この桐生・アルベルト・篤繁がっ!」
無駄に自分を奮い立たせるのだが、資料を目にすればするほど落ち込む桐生だった。
やる気はともかくとして、やれと言われたことはそつなくこなすのが優位生体アルファの能力。
桐生はその日からなににおいても真面目に取り組み始めた。
目標はただ一つ、玄の憧憬を集めることだが、蓋を開ければなぜか彼がすべてお膳立てをしたレールの上を歩かされているという、マリオネットと化していた。
「違う、何かが違う……」
生徒会長として一番初めの大仕事、クラス対抗球技大会を終えた生徒会室で、桐生は真っ青になった。
始めから終わりまで、運営の一部始終を取り仕切ったのは、まだこの大会を経験していないはずの玄だった。桐生はただただ彼の指示に従って動くしかなかった。さてどうしようかと思った瞬間には玄による行動計画表が提示され、振り分けはと考えればすでに終わっており、桐生がしたことと言えば、開会と閉会のスピーチだけだった。
「こんな予定でないはずなのに……」
段取りにまったく無駄がない玄の計画に、付き従うしかなかった。まさか、始まる前にすべてを計画していたなんて誰が思うだろう。
企画会議の場で自分がカッコよく進め判断するのを玄に見せようと張り切ったにもかかわらず、結果は玄の有能さだけを周囲に知らしめて終わっただけだった。
同時に、桐生の調教師という二つ名と尊敬の眼差しが、他の生徒会メンバーから玄に向けられ始めていた。
「違う、私の想定とは全く違うではないかっ!」
己の想い人のあまりもの有能さに桐生は打ちひしがれるしかなかった。
まだ一年生なのに、ついこの間までは小学生だったくせに、なんなんだこの有能さは。
しかも完全無欠で正確無比。しかも、随所随所には想定されるトラブルとその対処法までもが盛り込まれ、トラブル対応のための時間まで盛り込んだタイムスケジュールとなっていた。
完璧すぎる相手に、桐生は全く歯が立たなかった。
本当にお飾りでしかなかった。しかもスピーチの原稿すら作られ、五分で暗記しこれ以外のことを喋るな釘まで刺される始末だ。
「私の存在意義は……」
玄によって打ち砕かれた存在意義を拾い集めながら涙に暮れるしかなかった。
だがこれでめげる桐生ではない。
次のイベントではもっと早くに完璧な計画書を立てて玄を驚かせようと躍起になった。
しかし菅原玄という男は、そう簡単に勝てる相手ではなかった。
一つ下にも関わらず、どんどん取り仕切っては自分一人が動くのではなく、上手く他者を動かしていくのだ。言葉巧みに相手をその気にさせて、さも自身が率先してやっているという錯覚を抱かせ、意のままに動かしていく。そんな高度なテクニックを目の当たりにして桐生は震えた。
周囲が玄にいいように使われていく事実に、桐生以外の誰も気づいていない。そう、それは先の球技大会の同じだ。終わるまで気づかない。いや、もしかしたら終わっても気づいていない面々がいるのかもしれない。
皆が玄の操り人形のように動くのだった。
「人心掌握もできるというのか……恐ろしいぞ、菅原玄!」
日々の業務は淡々とこなし、イベント業務では陰日向に活躍する玄に、舌を巻くしかなかった。
(もっと男を磨かねば!)
桐生は躍起になった。
今まで興味のなかった心理学や経営学の分野にも手を出し、家庭教師が教えてくれること以上を自分から学んでいった。同時に玄を見習って(裏ではちょっと色々やりつつ)品行方正に努め、誰が見ても優等生を演じ続けた。生徒会長の任期を全うする頃には、玄以外の誰からも尊敬される人間になっていた。
そう、一番の目標だった玄の憧憬を得られぬままという結果で終わったのだ。
「なぜだ……」
おかしい。おかしすぎるだろう。
この一年というもの、今までにないほど真面目に生きてきたというのに、望んだ結果が得られないなんて……。
桐生は両親に頼みこみ、中学卒業とともに次の赴任先には着いていかず、目付役の親戚の家の傍のマンションに単身残り高校も日本で過ごせるようにしてもらった。
傲慢不遜な息子の変わりように喜んでいる両親は、二つ返事で了承したのは幸いだった。
そして高校にエスカレータで進学し、翌年に玄が入学するまでの間に、生徒会の乗っ取りを企てた。
「うん、やっぱり玄以外の人間は簡単に御せるね」
たった二ヶ月で高等部の生徒会を意のままに動かした桐生は頭をひねった。
いったい彼にはどんな能力が備わっているんだ。
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