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団欒(第3話)
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どうやら、ミケさんは《ユグドラシル》のメンバー(主に女性陣)と打ち解けることができたようだ。あとは、マスターである和泉姉弟との面談があるが、みんなはもうすでに、ミケさんを日向荘の住人として迎え入れる気満々である。
実際のところ、ミケさんからは一切の邪気は感じられない。それは、晶自身もチームメンバー達も把握している。それどことか、なんというか、この「憎めなさ」こそが、ミケさんがメンバーたちに受け入れられている要因なのだろうと晶は思った。
ミケさんは、再び缶ビールを巾着袋から取り出すと、近くにいた咲那に、
「見たところ、お主はお酒が強そうですニャー。どうニャ、我輩と一緒に」
「お、いいねえ。そう来なくっちゃ」
咲那も飲む気満々である。元より酒飲みの彼女にとって、ミケさんの存在はありがたいことこの上ないことだろう。
「最近、害蟲駆除の仕事でグロいのばっか相手にしててな。まったく、酒でも飲んでなけりゃあやってらんねえっての」
ついこの間の話だが、咲那は上級の害蟲である亜人種型を倒したのだという。強さでいえば、A級ランクの害蟲だ。なまじ知性があり、高い魔力も誇っているだけに、熟練の戦士でも倒すのは難しいとされている。
「あっはっはー!なあなあミケさん。わしでも飲めるものはないか」
モリガンがミケさんに絡んで来る。先ほどさんざん引っ張られ、追い掛け回されたことを思い出してか、ミケさんは後ずさりしながら、
「残念ニャがら、我輩が出せるニョはアルコールニョみですニャー」
「ぶ~ぶ~」
モリガンがブーイングするが、実際こいつは酒とつまみしか召喚できないので、未成年はお断り状態である・・・。
あと数年したら、モリガンも含めてミケさんのいい飲み友達となれるのだろうか・・・そんなことを考えていると、
「まあ、さすがにアルコールはだめだが、枝豆や柿ピーくらいなら何とかなるだろ」
咲那が、ミケさんに渡された缶ビールを飲みながら、皿の上に乗せられたつまみを示した。
「晶、早苗、モリガンも・・・あと数年したらあたしの酒に付き合ってもらうぜ」
・・・とてもではないが、晶は咲那のペースについていける自信はなかった・・・確実に潰されることになるんだろうな、オレはー。
「そもそも、江紀や奏多はてんで酒に弱いからな~。早くお前らが二十歳になってくれないと、飲み仲間が少なくて困る」
「あら、私でよければいくらでも付き合いますよ、咲那さん」
穏やかな笑みを浮かべながら、しかし何かこう、圧倒的な威圧感みたいなものを発しながら、鏡香が言った・・・モリガンが、たまに「般若の面が・・・」と怯えている時があるが・・・晶は何となくわかったような気がした。
「いやあ、鏡香は強すぎだろ、一度も飲み比べで勝てたことはないし」
さすがの咲那もたじたじだ。やはり、このチーム最大の酒豪は鏡香なのだ。
「ほう」
ミケさんがこの話題に興味を示したようだ。
「鏡香はお酒が強いニャ?」
「つええなんてもんじゃねえよ」
咲那が答える。
「少なくとも、飲み比べでこいつに勝てたやつを見たことねえ」
その時、ミケさんの糸目がキラっと光った・・・ような気がした。
「ニャらば、我輩と一戦交えてもらえニャいかニャ?鏡香」
なんと、ミケさんが飲み勝負を持ち掛けてきたのだー。
実際のところ、ミケさんからは一切の邪気は感じられない。それは、晶自身もチームメンバー達も把握している。それどことか、なんというか、この「憎めなさ」こそが、ミケさんがメンバーたちに受け入れられている要因なのだろうと晶は思った。
ミケさんは、再び缶ビールを巾着袋から取り出すと、近くにいた咲那に、
「見たところ、お主はお酒が強そうですニャー。どうニャ、我輩と一緒に」
「お、いいねえ。そう来なくっちゃ」
咲那も飲む気満々である。元より酒飲みの彼女にとって、ミケさんの存在はありがたいことこの上ないことだろう。
「最近、害蟲駆除の仕事でグロいのばっか相手にしててな。まったく、酒でも飲んでなけりゃあやってらんねえっての」
ついこの間の話だが、咲那は上級の害蟲である亜人種型を倒したのだという。強さでいえば、A級ランクの害蟲だ。なまじ知性があり、高い魔力も誇っているだけに、熟練の戦士でも倒すのは難しいとされている。
「あっはっはー!なあなあミケさん。わしでも飲めるものはないか」
モリガンがミケさんに絡んで来る。先ほどさんざん引っ張られ、追い掛け回されたことを思い出してか、ミケさんは後ずさりしながら、
「残念ニャがら、我輩が出せるニョはアルコールニョみですニャー」
「ぶ~ぶ~」
モリガンがブーイングするが、実際こいつは酒とつまみしか召喚できないので、未成年はお断り状態である・・・。
あと数年したら、モリガンも含めてミケさんのいい飲み友達となれるのだろうか・・・そんなことを考えていると、
「まあ、さすがにアルコールはだめだが、枝豆や柿ピーくらいなら何とかなるだろ」
咲那が、ミケさんに渡された缶ビールを飲みながら、皿の上に乗せられたつまみを示した。
「晶、早苗、モリガンも・・・あと数年したらあたしの酒に付き合ってもらうぜ」
・・・とてもではないが、晶は咲那のペースについていける自信はなかった・・・確実に潰されることになるんだろうな、オレはー。
「そもそも、江紀や奏多はてんで酒に弱いからな~。早くお前らが二十歳になってくれないと、飲み仲間が少なくて困る」
「あら、私でよければいくらでも付き合いますよ、咲那さん」
穏やかな笑みを浮かべながら、しかし何かこう、圧倒的な威圧感みたいなものを発しながら、鏡香が言った・・・モリガンが、たまに「般若の面が・・・」と怯えている時があるが・・・晶は何となくわかったような気がした。
「いやあ、鏡香は強すぎだろ、一度も飲み比べで勝てたことはないし」
さすがの咲那もたじたじだ。やはり、このチーム最大の酒豪は鏡香なのだ。
「ほう」
ミケさんがこの話題に興味を示したようだ。
「鏡香はお酒が強いニャ?」
「つええなんてもんじゃねえよ」
咲那が答える。
「少なくとも、飲み比べでこいつに勝てたやつを見たことねえ」
その時、ミケさんの糸目がキラっと光った・・・ような気がした。
「ニャらば、我輩と一戦交えてもらえニャいかニャ?鏡香」
なんと、ミケさんが飲み勝負を持ち掛けてきたのだー。
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