テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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土竜の街を目指せ(第2話)

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 ベンジャミンに続き、彼が掘った穴の中へと向かう晶たちー。

「土竜さん達の街を目指してレッツゴー!だね、晶君」

 ベンジャミンの住んでいる集落に向かうことになった晶たち一行。その中でも、早苗のテンションはやけに高かったりする。元々、新しもの好き、珍しもの好きの早苗だ。何か変わったことがあれば、すぐに反応する癖がある。

「そうだな・・・ただ、さっきも言った通り、途中前の蟲みたいなやつに出くわす可能性もあるから、いざという時の準備だけは怠らないようにな」

「うん、こっちは大丈夫だよ」

「わしも大丈夫じゃ・・・まあ、やばそうな手合いなら、結局は逃げるしかないじゃろうがのう」

「逃げることニャら、我輩ニョ右に出るもニョはおりませんニャー」

 やる気のなさそうな返事を返すモリガンと、なぜか自信満々で返事を返すミケさんである。

「・・・まあ、お前さんには全く期待していないが、そもそも逃げるので競ってどうすんだよ、ミケさん」

 頭を抱えながら晶が言う。まあ、戦う力のないミケさんがそこらでウロチョロされるとかえって危ないのは確かではあるが・・・。

 全員で、ベンジャミンが掘った穴の中へと入る。先ほど、モリガンが生やしておいた灯り草のおかげで、通路内はさほど暗くはなかった。当分の間は、歩くのに支障はないだろう。

「まあ、照明があるに越したことはないからな。モリガン、この先もまたお願いするよ」

「了解じゃ」

 通路の中は、当たり前だがベンジャミンが通れる程度の広さしかなく、そしてそれは、ようやく人間一人の慎重に達するくらいの高さしかなかった。

 とはいえ、晶たちが通る分にはさしたる支障はない。このまま、ベンジャミンに続いて穴の中を進んでいくことにする。

「しかし、来る前からわかってたことじゃが、やはり地面の下というのはなんとも代わり映えがないのう。これは・・・まず30分もせずに飽きてしまいそうじゃ」

 穴に入ってたったの数分で、モリガンが早くも愚痴をこぼし始めた。あと3時間近くは歩かなければならないというのに、先が思いやられる限りである。

「モリガン、自重しろよ。案内してくれるベンジャミンに悪いだろ」

 先ほども繰り返したやり取りだが、またやらざるを得なくなった・・・。

「わかっておるわい。くう~、こうなったら、さっさとベンジャミンの集落に行って、何か面白いものでも見学せんと気が済まんわ」

「そういえば、ベンジャミン。お前の集落って、どんな奴らが住んでるんだ?みんな土竜ばかりか?」

 モリガンの独り言を聞き、ふと気になって晶が尋ねた。

 考えてみれば・・・彼の集落がどのようなものなのか、話はほとんど聞いていない。住民がベンジャミンと同じ土竜ばかりなのかどうかすらわからないままだ。

「いや、おいらたち土竜族は少数派だ。他にもいろんな連中がいるぞ」

「へえ」

 少しばかり、ベンジャミンの集落に興味が出てきた。

「人間に近い連中もいるし、晶たちならそいつらとはすぐ馴染めるんじゃないかな」

「ほほう」

 モリガンも少し興味を示したようだ。

「はよ、その集落まで行ってみたいところじゃのう」

「そうだな」

 目的地までまだ3時間はあるが、この分なら何とかなりそうだ。晶たちは、ベンジャミンの導きのままに穴を歩いて行ったー。
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