テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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チーム《ユグドラシル》と教会騎士たち(第14話)

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 そして、今度は晶たちと蟲憑きー。

 蟲憑きの周囲の中空には、まだ10数個の魔法球が浮かんでいる。一つ一つの威力は大したことはないとはいえ、一度に複数個を操られると、それらを回避するのに一苦労だ。

「こういう多重攻撃というのは厄介だな・・・」

「まあ、いざとなったらわしが障壁を展開するから、多少は持ちこたえられるじゃろうが・・・」

「でも、何度も来られると厳しいねぇ」

 早苗の言う通りだ。個々の威力は小さいとはいえ、何度も魔法球を放たれると、疲労の蓄積で回避は難しくなってくる。

「かといって、わしの放った光線を捻じ曲げるようなやつじゃし・・・、直接狙いというのも厳しいのう」

 先ほどのモリガンの放った光線も、まるで軌道そのものを無理やり替えられたかのように回避されてしまった。

「その上、霧化の能力もあるからな・・・まあ、そっちは清野に任せておけばいいが・・・って、そう何度も風魔法も使えないか」

 モリガンとは異なり、早苗は生粋の魔法使いというわけではない。そう何度も、高度な魔法を使わせては、体力的にもたなくなってくるだろう。

「そうだねえ、何度も竜巻を起こすのはさすがにきついかも」

 鉄扇をヒラヒラさせながら、早苗は自身に残された魔力の量を確認し始めた。

 ・・・せいぜいあと2回くらいしか使えないだろう。

「せめて、相手の動きを封じることができればいいんだが・・・」

 結局は、こちらから思うように攻撃を当てることができないことが、一番の問題なのだ。そこさえ克服できれば、勝機はあるのだが・・・。

「通常の物理的手段での拘束は、期待できないじゃろうな。何せやつには霧化能力がある。さらには、攻撃魔法をあのように捻じ曲げることもできるとあっては・・・」

 モリガンが思案している中、早苗がすっと前に躍り出た。

「なら、また私の出番だね、晶君」

 右手の鉄扇で口元を隠しつつ・・・まるで自分の出番を確認するかのように晶に問いかけた。

「清野、しかしやつは・・・」

「蟲憑きさんでも、憑りついているのは生身の人間なんだよね。だったら、私の本当の能力はそっちには通用するんじゃないかな?」

 ちらっと晶の方を視線で窺う早苗。

「・・・本体の方はわからないが、すぐなくとも、人体の自由は奪えるかもしれない」

「そうだよ、私の力なら」

 確かに、彼女が「普段隠している方の能力」なら、人体の自由は奪えるかもしれない。

 一か八か、それに賭けてみるか・・・!

「・・・?何じゃ、晶、早苗よ。お主の能力とはいったい・・・?」

「そういや、お前さんにはまだ知らせてなかったな・・・まあ、見てればわかるさ」

「・・・?」

「よし、それじゃあ行くよ・・・」

 モリガンが訝し気な表情を見せる中、早苗が自身の魔力の波長を変え始めたー。

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