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チーム《ユグドラシル》と教会騎士たち(第15話)
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早苗が、自身の魔力の波長を変え始めたー。
「何じゃ、早苗の扱える魔法は、先ほどの風属性のものだけではなかったのか」
さすがに魔女殿だけあって、魔術の類については敏感だ。てっきり、早苗が扱える魔法属性は風の者だけだと思っていたこともあり、モリガンは驚愕の色を隠せないまま、晶に尋ねた。
「まあ、むしろ風属性の魔法はあいつにとっては目くらましみたいなもんだよ。ついでに言えば、あの鉄扇もな」
「・・・なんじゃと!?」
「清野が得意としているのは・・・まあ今見ていればすぐにわかるさ」
「・・・ふむ」
晶に言われて、早苗を注視するモリガン。そして・・・その正体に気が付いたようだ。
「なるほど、早苗が得意としているのは・・・」
「おっと、相手に聞こえるとまずいから、それ以上は見てからのお楽しみってことにしておけ、モリガン」
晶に諭されて押し黙るモリガン。確かに、ここで敵に悟られるとまずい。
早苗は、右手の鉄扇を口元を隠すように構え、左手の鉄扇を前方に突き出し、ひらひらと小刻みに動かした。何かの芸を連想させるような動きだった。すると・・・。
彼女の周囲に無数の蝶が舞い始める。白い光を放つ無数の蝶が、月明かり代わりの人工照明の光を受けて、さらに幻想的な輝きを放ちながら飛び交った。
「あれが早苗の本当の力なのか・・・」
無数の白く光輝く蝶を見て、その幻想的な光景に、さすがのお騒がせ魔女殿も思わず言葉を失っていた。さらには、蝶を操る早苗自身も大変美しく、彼女を「鉄扇士」というよりは「舞姫」と呼んだ方がいいかもしれなかった。
「ああ、あの蝶は、お前さんになら視認できるだろ?あれは・・・」
と言いかけて、中断する。
これから早苗の能力の真価が見られるというのに、先にネタ晴らししてしまうほど無粋ではない。
「さあ、蟲憑きさん、いっくよー」
口調は相変わらずのマイペースぶりだが、蟲憑きを見つめる目はすでにいつもの早苗とは異なっていた。ここからが早苗の本領発揮となるー。
「何じゃ、早苗の扱える魔法は、先ほどの風属性のものだけではなかったのか」
さすがに魔女殿だけあって、魔術の類については敏感だ。てっきり、早苗が扱える魔法属性は風の者だけだと思っていたこともあり、モリガンは驚愕の色を隠せないまま、晶に尋ねた。
「まあ、むしろ風属性の魔法はあいつにとっては目くらましみたいなもんだよ。ついでに言えば、あの鉄扇もな」
「・・・なんじゃと!?」
「清野が得意としているのは・・・まあ今見ていればすぐにわかるさ」
「・・・ふむ」
晶に言われて、早苗を注視するモリガン。そして・・・その正体に気が付いたようだ。
「なるほど、早苗が得意としているのは・・・」
「おっと、相手に聞こえるとまずいから、それ以上は見てからのお楽しみってことにしておけ、モリガン」
晶に諭されて押し黙るモリガン。確かに、ここで敵に悟られるとまずい。
早苗は、右手の鉄扇を口元を隠すように構え、左手の鉄扇を前方に突き出し、ひらひらと小刻みに動かした。何かの芸を連想させるような動きだった。すると・・・。
彼女の周囲に無数の蝶が舞い始める。白い光を放つ無数の蝶が、月明かり代わりの人工照明の光を受けて、さらに幻想的な輝きを放ちながら飛び交った。
「あれが早苗の本当の力なのか・・・」
無数の白く光輝く蝶を見て、その幻想的な光景に、さすがのお騒がせ魔女殿も思わず言葉を失っていた。さらには、蝶を操る早苗自身も大変美しく、彼女を「鉄扇士」というよりは「舞姫」と呼んだ方がいいかもしれなかった。
「ああ、あの蝶は、お前さんになら視認できるだろ?あれは・・・」
と言いかけて、中断する。
これから早苗の能力の真価が見られるというのに、先にネタ晴らししてしまうほど無粋ではない。
「さあ、蟲憑きさん、いっくよー」
口調は相変わらずのマイペースぶりだが、蟲憑きを見つめる目はすでにいつもの早苗とは異なっていた。ここからが早苗の本領発揮となるー。
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