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アサギと黒羽(第15話)
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「今のやつの原因が・・・黒羽・・・?」
カルミナは、呆気にとられつつ、傍らに立つブラーナに確認する。
「そうね・・・正確に言えば、黒羽一人だけで、というわけではなさそうだけど」
問題の爆発が起こった丘の方をにらみながら、カルミナに対して推測される状況を説明した。
「あの子、さっきから一人になりたがっていたから、何かあるな・・・とは思っていたけれど。多分、誰かと戦っているんだわ」
「・・・え!」
ブラーナは、さっきの黒羽の様子が何となくおかしいということに気が付いていたようだった。でも、それなら・・・。
「な、なんで止めなかったのよ、ブラーナ!」
カルミナが詰問する。
「黒羽が決めたことよ」
ブラーナが、冷たく言い放った。
「それに、多分黒羽は何が何でも一人で行くつもりだったでしょうね、私たちを関わらせないために」
「そんな・・・」
黒羽が戦っている相手は、おそらく先ほど倒した害蟲のボス等よりも手ごわい相手だ。したがって、黒羽は、自分以外の者がまきこまれないように、ただ一人だけで立ち向かっていったのだろう。
「ただ、こうなってくると、私たちも無関係ではいられないわ」
ブラーナが、騒ぎに気付いてこちらに駆け寄ってくる翔と卓へと目を向けた。
「お前ら、今のすげえでけえ音は・・・」
「おそらくあの丘辺りが震源地だろ、これは・・・やばいんじゃないのか」
翔と卓も、ただ事ではないことに気が付いたようだった。
「みんな、黒羽の援護に向かうよ!」
カルミナが檄を飛ばした。
「あ?黒羽の援護って・・・?」
「そう言えば、黒羽の姿が見えないな・・・まさか!?」
翔と卓も、黒羽の姿が見えないことに気が付いた。そうだ、この場にいない彼女こそが、あそこで戦っているのだ。
「これだけの騒ぎになるくらいだもの。これはもう放っておけないわ!黒羽は、多分あの丘にいるはず・・・みんな、早く行くよ!」
「待って!」
今にも丘へ向かって駆けだそうとするカルミナ達に待ったをかけるブラーナ。
「わかってるとは思うけど・・・おそらく黒羽が今戦っている相手は、私たちがさっき倒した害蟲よりもはるかに強い相手のはず・・・アンタたち、覚悟はできてるの?」
ブラーナの厳しい問いかけに、だが3人とも逡巡さえせず、
「何言ってんだよ、ブラーナの姉さん!だからこそ助太刀に行かないと!」
「オレたちは仲間だしな・・・放っておけないよ」
「そうだよ、ブラーナ。黒羽をこのままにはしておけないよ!」
3人の反応を確認し、ふっと、軽く笑みを浮かべるブラーナ。まあ、この3人なら結論は、最初から決まっているか・・・。
「そうね、わかったわ。ごめんなさい、時間を取らせて。では行きましょうか、私たちの黒羽を助けに」
ブラーナが、先頭に立って駆け出した。その後をカルミナ、翔、卓が続いていく。
・・・そうね、仲間だものね、黒羽・・・。
そう自分に言い聞かせながら、ブラーナは、先ほどの爆発が起こった丘の上を目指して疾走したー。
カルミナは、呆気にとられつつ、傍らに立つブラーナに確認する。
「そうね・・・正確に言えば、黒羽一人だけで、というわけではなさそうだけど」
問題の爆発が起こった丘の方をにらみながら、カルミナに対して推測される状況を説明した。
「あの子、さっきから一人になりたがっていたから、何かあるな・・・とは思っていたけれど。多分、誰かと戦っているんだわ」
「・・・え!」
ブラーナは、さっきの黒羽の様子が何となくおかしいということに気が付いていたようだった。でも、それなら・・・。
「な、なんで止めなかったのよ、ブラーナ!」
カルミナが詰問する。
「黒羽が決めたことよ」
ブラーナが、冷たく言い放った。
「それに、多分黒羽は何が何でも一人で行くつもりだったでしょうね、私たちを関わらせないために」
「そんな・・・」
黒羽が戦っている相手は、おそらく先ほど倒した害蟲のボス等よりも手ごわい相手だ。したがって、黒羽は、自分以外の者がまきこまれないように、ただ一人だけで立ち向かっていったのだろう。
「ただ、こうなってくると、私たちも無関係ではいられないわ」
ブラーナが、騒ぎに気付いてこちらに駆け寄ってくる翔と卓へと目を向けた。
「お前ら、今のすげえでけえ音は・・・」
「おそらくあの丘辺りが震源地だろ、これは・・・やばいんじゃないのか」
翔と卓も、ただ事ではないことに気が付いたようだった。
「みんな、黒羽の援護に向かうよ!」
カルミナが檄を飛ばした。
「あ?黒羽の援護って・・・?」
「そう言えば、黒羽の姿が見えないな・・・まさか!?」
翔と卓も、黒羽の姿が見えないことに気が付いた。そうだ、この場にいない彼女こそが、あそこで戦っているのだ。
「これだけの騒ぎになるくらいだもの。これはもう放っておけないわ!黒羽は、多分あの丘にいるはず・・・みんな、早く行くよ!」
「待って!」
今にも丘へ向かって駆けだそうとするカルミナ達に待ったをかけるブラーナ。
「わかってるとは思うけど・・・おそらく黒羽が今戦っている相手は、私たちがさっき倒した害蟲よりもはるかに強い相手のはず・・・アンタたち、覚悟はできてるの?」
ブラーナの厳しい問いかけに、だが3人とも逡巡さえせず、
「何言ってんだよ、ブラーナの姉さん!だからこそ助太刀に行かないと!」
「オレたちは仲間だしな・・・放っておけないよ」
「そうだよ、ブラーナ。黒羽をこのままにはしておけないよ!」
3人の反応を確認し、ふっと、軽く笑みを浮かべるブラーナ。まあ、この3人なら結論は、最初から決まっているか・・・。
「そうね、わかったわ。ごめんなさい、時間を取らせて。では行きましょうか、私たちの黒羽を助けに」
ブラーナが、先頭に立って駆け出した。その後をカルミナ、翔、卓が続いていく。
・・・そうね、仲間だものね、黒羽・・・。
そう自分に言い聞かせながら、ブラーナは、先ほどの爆発が起こった丘の上を目指して疾走したー。
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