テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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モリガン一人旅(第24話)

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 不時着した飛空鎧の確認をした後、楓の家がある森の中に足を踏み入れるモリガン。

「ここら辺は、わしの住んどる「秋の領域」によく似ておるから好きじゃな・・・」

 モリガンが自分のアトリエー正確に言えば、母エレオノーラの家だがーを構えている「秋の領域」と、何となく雰囲気が似通ったこの森が好きだったりする。何となく、天空世界の冷ややかな風が、秋風そのものを彷彿とさせるというのもあった。

 この場所の正確な季節はわからないが、一部葉っぱが紅葉し始めているようにも見えた。それがなお、この森に対する親近感を抱かせた。

「・・・さすがに馬鹿でかい土竜がでてくることはないがのう」

 まさか、「秋の領域」の地下にあんな町があったとは・・・正直驚きを隠せないモリガンだった。この辺りには、さすがにそんなものは無いだろう・・・というか、ここは空の上。いくら「浮遊大陸」とは言っても、さすがに地下世界を作れるほどの体積はない。

「土竜の代わりに、魔法フクロウはいるんじゃがな」

 天空世界というだけあって、魔力を備えた鳥類は結構多く生息している。季節によっては他の浮遊大陸や衛星まで遠距離移動する魔法渡り鳥も豊富に存在した。

「ホルルのやつは・・・確かこの辺りで楓に捕まったんじゃよな・・・あやつも不運な」

 楓の家までの途中の道が二又に分かれていた。そして、そこに看板がある。ホルルは、その看板の上で微睡んでいたところを楓にとっ捕まり、無理やり執事とされてしまったのだった。

 ・・・いきなり魔法生物を執事にしてしまう辺りが、なんとも変人の楓らしいと言える。

「さて・・・楓の家まであと少しか・・・む?」

 突然、紫の機体を追跡させていた使い魔から連絡が入った。

「何じゃ、緊急か・・・まさかとは思うが」

 ・・・そのまさかであった。

ーー

「・・・まずいのう。あの東方の女子、方向転換してこちらに向かってきておるではないか」

 どうやら、先ほどまで離れていた紫の機体が、再びこちら側に戻ってきたようだ。

「今すぐ見つかるというわけでもないじゃろうが、このままの進路で来られたら、あれが発見されるのは、まず時間の問題といったところか・・・」

 あの半壊状態の飛空鎧は、未だ森の付近に置かれたままだ。あんな大きなものは、専用の牽引機がなければ動かせるわけもない。当然、付近まで来られたら、すぐに発見されてしまうだろう。

「あやつらに、何とかして知らせた方がいいかもしれんのう」

 使い魔からの映像を確認しながら、モリガンは楓のアトリエへと急いだー。
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