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カイトと杏里、大樹へ(第8話)
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晶の追求に、全身汗だらだら状態でたじたじとなるミケさんー。
「あら、ミケさんって、お酒が好きなんですか?」
さも意外だと言いたそうに、小首をかしげながら杏里が晶に尋ねた。
「ああ、ハイ。こいつ、オレたちが見てるところではしょっちゅう酒ばかり飲んでますよ」
「そして、すぐに寝ちゃうんだよね・・・ミケさん」
「意外です・・・ネコさんなのにお酒が大好きなんて・・・」
・・・まあ、よく考えてみれば、普通猫に酒なんて飲ませないので、杏里の感覚の方が正しいと言えばそうなのだが。
「こいつ、その巾着袋から酒を取り出すんですよ。こいつの数少ない芸の一つです」
ミケさんの頭を右手で鷲掴みにしながら、晶がミケさんの巾着袋を指さす。ミケさん曰く、
「芸ではありませんニャー。召喚魔法ですニャー」
・・・ということらしいが、周囲からはもはや単なる手品くらいにしか思われていない。
「へえ、召喚魔法なんだね、変わってるなぁ」
カイトは素直に感心したようだが・・・。
「こいつが巾着袋から取り出せるのは、酒、柿ピー、枝豆のみです!」
力強く晶が断言する。
「え、ってことは・・・」
「ええと、ミケさんのお好きな食べ物や飲み物限定って事かしら・・・?」
「まあ、そうなりますね。こいつの嗜好品限定の召喚魔法です!」
晶が再び語気を強めて力説する。
さすがの二人も、にわかには言葉が出てこなかった・・・。
しかし、その時ー。
「ふ、甘いニャ・・・晶よ」
なんだかミケさんが不敵な笑みを浮かべつつ、糸目をきらっと輝かせながら(正確には、糸目なので極めて分かりづらいのだが)、
「我輩も修行して、柿ピーニョラインニャップを増やすことに成功したんですニャー」
そして、自慢の召喚魔法を発動してー。
「見よ、こニョわさび味ニョ柿ピーを!!」
巾着袋の中から取り出されたのは、なんとわさび味の柿ピー!
・・・であった。
ひゅううぅぅぅ。
何だか、部屋の中に虚しい一陣の風が吹いたような気がした・・・。
晶は、おもむろにミケさんに近寄ると、ミケさんのこめかみに当たる部分に両の拳を当てがい、
グリグリグリ・・・。
「何の修行してんだ、てめえは!!」
「ウニャー、ギブアップですニャー!!」
「もっと役に立つことせんかい!!」
二人のやり取りを、多少冷や汗をかきながら、見つめる杏里とカイト。
「え、ええと・・・」
「あ、大丈夫だよ、二人とも。これは晶君とミケさんのいつものスキンシップみたいなものだから」
どこか間延びしたような口調で話す早苗の声に脱力感を覚える二人ー。
ぎゃーぎゃー喚く二人の声が、部屋に響いたのだったー。
「あら、ミケさんって、お酒が好きなんですか?」
さも意外だと言いたそうに、小首をかしげながら杏里が晶に尋ねた。
「ああ、ハイ。こいつ、オレたちが見てるところではしょっちゅう酒ばかり飲んでますよ」
「そして、すぐに寝ちゃうんだよね・・・ミケさん」
「意外です・・・ネコさんなのにお酒が大好きなんて・・・」
・・・まあ、よく考えてみれば、普通猫に酒なんて飲ませないので、杏里の感覚の方が正しいと言えばそうなのだが。
「こいつ、その巾着袋から酒を取り出すんですよ。こいつの数少ない芸の一つです」
ミケさんの頭を右手で鷲掴みにしながら、晶がミケさんの巾着袋を指さす。ミケさん曰く、
「芸ではありませんニャー。召喚魔法ですニャー」
・・・ということらしいが、周囲からはもはや単なる手品くらいにしか思われていない。
「へえ、召喚魔法なんだね、変わってるなぁ」
カイトは素直に感心したようだが・・・。
「こいつが巾着袋から取り出せるのは、酒、柿ピー、枝豆のみです!」
力強く晶が断言する。
「え、ってことは・・・」
「ええと、ミケさんのお好きな食べ物や飲み物限定って事かしら・・・?」
「まあ、そうなりますね。こいつの嗜好品限定の召喚魔法です!」
晶が再び語気を強めて力説する。
さすがの二人も、にわかには言葉が出てこなかった・・・。
しかし、その時ー。
「ふ、甘いニャ・・・晶よ」
なんだかミケさんが不敵な笑みを浮かべつつ、糸目をきらっと輝かせながら(正確には、糸目なので極めて分かりづらいのだが)、
「我輩も修行して、柿ピーニョラインニャップを増やすことに成功したんですニャー」
そして、自慢の召喚魔法を発動してー。
「見よ、こニョわさび味ニョ柿ピーを!!」
巾着袋の中から取り出されたのは、なんとわさび味の柿ピー!
・・・であった。
ひゅううぅぅぅ。
何だか、部屋の中に虚しい一陣の風が吹いたような気がした・・・。
晶は、おもむろにミケさんに近寄ると、ミケさんのこめかみに当たる部分に両の拳を当てがい、
グリグリグリ・・・。
「何の修行してんだ、てめえは!!」
「ウニャー、ギブアップですニャー!!」
「もっと役に立つことせんかい!!」
二人のやり取りを、多少冷や汗をかきながら、見つめる杏里とカイト。
「え、ええと・・・」
「あ、大丈夫だよ、二人とも。これは晶君とミケさんのいつものスキンシップみたいなものだから」
どこか間延びしたような口調で話す早苗の声に脱力感を覚える二人ー。
ぎゃーぎゃー喚く二人の声が、部屋に響いたのだったー。
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