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空と大樹と(第2話)
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カイトと杏里が、大樹での害蟲駆除の協力を申し出たー。
もちろん、晶の一存だけで二人のことを決めるわけにもいかず、チームマスターである和泉姉弟の許可を得ることになった。
さっそく、早苗が鏡香に、生体端末で確認を取ってみる。
「晶君、鏡香さんは、咲那さんを救助して、こっちに戻ってきてから二人ときちんと話し合いたいと言ってるよ」
晶の方は、もう一人のチームマスターである奏多と連絡を取り合っていた。
「奏多さんについては、二人とまだ面識がないからな・・・一応簡単に事情は説明したけど、やはりすぐには決められないようだ」
害蟲駆除には、それなりに危険が伴う。一応、その経験があるカイトならともかく、全く戦いの経験もない杏里は、むやみに関わらせたくないという事情もある。
確かに、杏里を後方支援に専念させれば、直接の相手は3人で何とかなるかもしれないが、いくら後方で回復に専念させるとは言っても、戦いの場にいる以上、杏里の身に危険が及ぶのは避けられないことだ。
「悪い、やはりすぐには決められない・・・ただ」
「ただ?」
カイトは、確かに実戦経験はあるし、何せ飛空鎧の乗り手でもある。大樹の害蟲相手にどこまで立ち回れるかはともかく、何らかの形で、彼の技量を伸ばす手助けはしたいところだ。
カイトも、自分の先輩たちの命を奪った紫の飛空鎧の乗り手と戦いたいはず・・・ならば。
「オレと清野が相手でよければ、お前さん方と一緒に修練するってのは、どうだ?」
晶からの思いもよらぬ提案に、カイトが思わず身を乗り出した。
「僕たちと手合わせしてくれるの?」
「まあ、そうだな・・・」
晶は、隣にいる早苗の方に視線を向ける。早苗も、晶に同意見らしく、
「私たちでいいなら、修行のお手伝いするよ」
そう言いつつ、一瞬の早業で鉄扇を取り出して見せた。右手の鉄扇で口元を隠し、左手の鉄扇を前へと向ける。そして、その瞳は、どこか蠱惑的に細められていた。早苗の年齢以上に、大人びて見えるのは、果たして気のせいなのだろうかー。
「オレは笛剣士、清野は鉄扇士だ」
晶も、自身の魔笛を取り出し、その先から魔力を帯びた刀身を出現させた。青白く淡く輝く、非常に美しい刀身が、カイトと杏里の目を惹きつけた。
カイトは、杏里と共に頷くと、
「ぜひとも、二人と手合わせしたい・・・僕が、あいつに届くためにも」
「私もカイトを守るため、その力を身に着けたいです」
二人の真剣なまなざしを受けて、晶と早苗が満足そうにうなずき合った。
「わかった・・・ただ、今日明日はさすがに休んでもらうぞ・・・こっちに飛ばされて、いきなり初日からやり合うのは、お前さん方もきついだろうからな」
「そうだねぇ、突然大樹に来て、休む間もなく戦闘訓練は確かにきついよね、だから、今はしっかりと休んで、それからきっちりと修行しようか」
こうして、カイトと杏里は晶と早苗の手ほどきを受けることになったのだったー。
もちろん、晶の一存だけで二人のことを決めるわけにもいかず、チームマスターである和泉姉弟の許可を得ることになった。
さっそく、早苗が鏡香に、生体端末で確認を取ってみる。
「晶君、鏡香さんは、咲那さんを救助して、こっちに戻ってきてから二人ときちんと話し合いたいと言ってるよ」
晶の方は、もう一人のチームマスターである奏多と連絡を取り合っていた。
「奏多さんについては、二人とまだ面識がないからな・・・一応簡単に事情は説明したけど、やはりすぐには決められないようだ」
害蟲駆除には、それなりに危険が伴う。一応、その経験があるカイトならともかく、全く戦いの経験もない杏里は、むやみに関わらせたくないという事情もある。
確かに、杏里を後方支援に専念させれば、直接の相手は3人で何とかなるかもしれないが、いくら後方で回復に専念させるとは言っても、戦いの場にいる以上、杏里の身に危険が及ぶのは避けられないことだ。
「悪い、やはりすぐには決められない・・・ただ」
「ただ?」
カイトは、確かに実戦経験はあるし、何せ飛空鎧の乗り手でもある。大樹の害蟲相手にどこまで立ち回れるかはともかく、何らかの形で、彼の技量を伸ばす手助けはしたいところだ。
カイトも、自分の先輩たちの命を奪った紫の飛空鎧の乗り手と戦いたいはず・・・ならば。
「オレと清野が相手でよければ、お前さん方と一緒に修練するってのは、どうだ?」
晶からの思いもよらぬ提案に、カイトが思わず身を乗り出した。
「僕たちと手合わせしてくれるの?」
「まあ、そうだな・・・」
晶は、隣にいる早苗の方に視線を向ける。早苗も、晶に同意見らしく、
「私たちでいいなら、修行のお手伝いするよ」
そう言いつつ、一瞬の早業で鉄扇を取り出して見せた。右手の鉄扇で口元を隠し、左手の鉄扇を前へと向ける。そして、その瞳は、どこか蠱惑的に細められていた。早苗の年齢以上に、大人びて見えるのは、果たして気のせいなのだろうかー。
「オレは笛剣士、清野は鉄扇士だ」
晶も、自身の魔笛を取り出し、その先から魔力を帯びた刀身を出現させた。青白く淡く輝く、非常に美しい刀身が、カイトと杏里の目を惹きつけた。
カイトは、杏里と共に頷くと、
「ぜひとも、二人と手合わせしたい・・・僕が、あいつに届くためにも」
「私もカイトを守るため、その力を身に着けたいです」
二人の真剣なまなざしを受けて、晶と早苗が満足そうにうなずき合った。
「わかった・・・ただ、今日明日はさすがに休んでもらうぞ・・・こっちに飛ばされて、いきなり初日からやり合うのは、お前さん方もきついだろうからな」
「そうだねぇ、突然大樹に来て、休む間もなく戦闘訓練は確かにきついよね、だから、今はしっかりと休んで、それからきっちりと修行しようか」
こうして、カイトと杏里は晶と早苗の手ほどきを受けることになったのだったー。
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