357 / 464
咲那・全裸の逃避行(第27話)
しおりを挟む
「・・・そうですね、本当はあなたともっとお話ししたかったのだけれど、これくらいでお暇した方がよさそうですね」
余裕の笑みを浮かべながら、ヴァルキリーは、昨日と同じく翼を広げ空へと飛び立とうとする。
「・・・これから先、わたくしの選定を待っている魂の下へと行かなくては」
「はん、仕事熱心なことで大変結構なこって」
咲那が、ヴァルキリーに悪態をつきながら、昨日と同じく中指を立てる。つくづく、自分たちは嫌われているのだな・・・と、ヴァルキリーは思いながら、
「そう言えば、これから向かう浮遊大陸には、魔法系の魂も回収に行くのでした」
「・・・何!?」
魔法系の魂・・・まさかとは思うが、魔道士とか魔法使いの類か・・・。
「その浮遊大陸で、ちょっとした戦闘がありまして・・・私にとっては、選定するための駒がたくさん手に入りそうだというわけで」
「・・・駒、ね・・・」
ヴァルキリーの「駒」という言葉に不快感を覚える。彼女に選定されるということは、そいつは「もう死んでいる」ということだ。戦いがあれば、戦死者が出るのはやむを得ないとして、それを面前で嬉々として語られるのは、さすがに反感を覚える・・・が、それに対していちいち激昂していては、彼女のペースに呑まれていくだけだ。
ヴァルキリーは、そんな咲那に対して挑戦的な笑みを浮かべながら、
「特に、魔女はそろそろ欲しいと思っていたのですよ・・・」
「・・・」
こいつ、まさか・・・。
咲那は、怒りをこらえつつ静かにヴァルキリーに尋ねた。
「お前がこれから向かおうとしているっていう浮遊大陸は、どこにある?戦いがあった場所というのは、どこだ?」
翼をはためかせ、咲那を面白そうに見下ろしながら、ヴァルキリーは口角を釣り上げて告げるー。
「あなた方の世界で、惑星Σ-11と呼称されている場所ですよ・・・」
「・・・てめえ!!」
咲那の顔が険しくなる。どうやら、この戦女神さまには、こちらの事情はかなりお見通しらしかった。
「そんなに睨まないでください、咲那さん。綺麗なお顔が台無しですよ」
「黙れ!!」
まさかとは思いたいが、モリガンが戦いに巻き込まれた可能性も出てきた。ゆえに連絡が取れない状態になっているのだと。
「フフフ・・・咲那さんのお友達は、果たして今頃どうしているのかしら?」
翼を強くはためかせたかと思うと、ヴァルキリーは一瞬で姿を消した。空間転移の術だ。
「・・・モリガン、お前・・・」
咲那も鏡香も、モリガンの実力はよく知っている。ゆえに、そう簡単にやられることは無いとは思いたいが・・・。
「焦るな・・・とにかく、明日鏡香と合流したら、すぐにでもモリガンを迎えに行くぞ」
焦りは禁物とは言うが、何もできない今の自分が非常にもどかしい咲那だったー。
余裕の笑みを浮かべながら、ヴァルキリーは、昨日と同じく翼を広げ空へと飛び立とうとする。
「・・・これから先、わたくしの選定を待っている魂の下へと行かなくては」
「はん、仕事熱心なことで大変結構なこって」
咲那が、ヴァルキリーに悪態をつきながら、昨日と同じく中指を立てる。つくづく、自分たちは嫌われているのだな・・・と、ヴァルキリーは思いながら、
「そう言えば、これから向かう浮遊大陸には、魔法系の魂も回収に行くのでした」
「・・・何!?」
魔法系の魂・・・まさかとは思うが、魔道士とか魔法使いの類か・・・。
「その浮遊大陸で、ちょっとした戦闘がありまして・・・私にとっては、選定するための駒がたくさん手に入りそうだというわけで」
「・・・駒、ね・・・」
ヴァルキリーの「駒」という言葉に不快感を覚える。彼女に選定されるということは、そいつは「もう死んでいる」ということだ。戦いがあれば、戦死者が出るのはやむを得ないとして、それを面前で嬉々として語られるのは、さすがに反感を覚える・・・が、それに対していちいち激昂していては、彼女のペースに呑まれていくだけだ。
ヴァルキリーは、そんな咲那に対して挑戦的な笑みを浮かべながら、
「特に、魔女はそろそろ欲しいと思っていたのですよ・・・」
「・・・」
こいつ、まさか・・・。
咲那は、怒りをこらえつつ静かにヴァルキリーに尋ねた。
「お前がこれから向かおうとしているっていう浮遊大陸は、どこにある?戦いがあった場所というのは、どこだ?」
翼をはためかせ、咲那を面白そうに見下ろしながら、ヴァルキリーは口角を釣り上げて告げるー。
「あなた方の世界で、惑星Σ-11と呼称されている場所ですよ・・・」
「・・・てめえ!!」
咲那の顔が険しくなる。どうやら、この戦女神さまには、こちらの事情はかなりお見通しらしかった。
「そんなに睨まないでください、咲那さん。綺麗なお顔が台無しですよ」
「黙れ!!」
まさかとは思いたいが、モリガンが戦いに巻き込まれた可能性も出てきた。ゆえに連絡が取れない状態になっているのだと。
「フフフ・・・咲那さんのお友達は、果たして今頃どうしているのかしら?」
翼を強くはためかせたかと思うと、ヴァルキリーは一瞬で姿を消した。空間転移の術だ。
「・・・モリガン、お前・・・」
咲那も鏡香も、モリガンの実力はよく知っている。ゆえに、そう簡単にやられることは無いとは思いたいが・・・。
「焦るな・・・とにかく、明日鏡香と合流したら、すぐにでもモリガンを迎えに行くぞ」
焦りは禁物とは言うが、何もできない今の自分が非常にもどかしい咲那だったー。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる