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続・モリガン一人旅(第27話)

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「おや、そなたたちは・・・?」

 森の入り口付近で、見知らぬ二人の女性と対面したアサギー。

 どちらも自分よりも2~3歳くらい年上のようだった。

「あらあら、この辺りにお住いの方ですか?」

 金髪でロングの髪を腰まで垂らし、いかにも魔法使いらしいローブ姿の女性が、親し気にアサギに話しかけてきた。

「いや、私は・・・故あってこの辺りまで訪れた者だが、これから北方にある町まで行くつもりなのだ」

 アサギは、その後自分の名前を名乗った。

「アサギさんとおっしゃるのですか・・・失礼ですが、確かに、この辺りではあまり聞きなれないお名前ですね」

「私は東方の出身だからな・・・この浮遊大陸を訪れるのも、実は初めてだ」

「それは・・・いろいろと大変だろう?」

 今度は、薄紫の髪をポニーテールにまとめたメガネをかけた女性が話しかけてきた。

「この浮遊大陸は、天空世界の中ではなんといっても田舎だからな・・・大きな町まで少し遠出しないといけないし、交通の便も悪いんだ」

 溜息交じりにメガネの女性が説明した。

「北方の町か・・・そういえば、あそこには久しく行ってないなぁ。顔見知りが住んでるんだけど、今はちょっと「小旅行」に出かけちまったし」

「そなたらは、やはりこの辺りのご出身か?」

 メガネの女性が、顔見知りがこれから行こうとしている町に住んでいると聞いて、アサギはこの二人組に少し興味が出てきた。

「あら、これは・・・」

 金髪でロングの女性が、失敗したと言わんばかりの顔で、

「申し遅れました・・・私はメリル、こちらはアメリアと申します。私たちも、実は他の大陸から来たのですが、最近は、ここよりも南にあるゼルキンス村に用事があって、この大陸を訪れていたのです」

 ゼルキンス村ーアサギが、黒羽と名乗るあの邪術師の少女とやり合った場所で、彼女ばかりではなく、チーム《ラピュタ》とも一触即発の状態になった。確か、綿花畑で有名な村らしいが、それ以外にはこれと言って目立つような要素もない過疎地である。

「私らは、こう見えても農業関係の仕事についていてね・・・まあ、そのゼルキンス村で、色々と検査していたのさ・・・まあ、またすぐに戻るけどな」

「なるほど・・・」

 農業関係者ーおそらく農林関係の職員だろう。綿花畑のあの村で、調査をしていたというわけか。前回、ゼルキンス村を訪れた時には姿を見かけなかったが、アサギ自身はあの村に入り込んだわけでもないし、おそらく行き違いだったのだろう。

 もう少し話を伺いたいと思っていたアサギだったが、あのガレスがまだ狙っている以上、ここから早く離れるべきで、下手をすれば無関係のこの二人を巻き込んでしまう恐れもある。

 それから少しだけ世間話をしてから、アサギはメリルとアメリアと別れて、北方の町を目指したー。
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