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続・モリガン一人旅(第29話)
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本当に、今の姿のモリガンが10年後の彼女のものになるのか・・・そんなことをぼんやりと考えながら、楓は改めてモリガン(今はメリル)を見つめる。
ロングの金髪は、まあ、本当の姿のモリガンのツインテールを解き、10年くらい髪を伸ばせばそれらしくは見えるだろう。顔立ちも、あの「聖女のような魔女」ことエレオノーラの娘だけあって、元から素材はよく、10年後は美人にはなるだろう。
・・・だが、問題は体型である。
「・・・絶対、こいつ自身の願望が反映しているよな、この変装魔法」
モリガンと同じチームの薬師寺咲那や和泉鏡香は、それはそれは恵まれた体形の持ち主で、モリガンが以前から、「この二人こそわしの目標なのじゃ!」と盛んに息巻いていたのを思い出す。楓自身は、咲那や鏡香とは面識はないが、モリガンからたびたびこの二人の動画を見せられていた。
「まあ、あと10年せいぜい頑張ってくれ・・・」
半眼になりながら、一人ガッツポーズを決めているモリガンを見つめた。10年後、今のメリルの姿が本当に再現できているのかどうか、楽しみやら怖いやらである。
「それはそうと・・・どうして私はこんな姿なんだよ、モリガン」
髪をアップにしてのポニーテール、そして眼鏡に研究員のような白衣姿ーなんか、モリガンが著しく勘違いしている部分があり、それがそのまま変装魔法に反映しているように思えたのだが・・・。
「仕方がないじゃろ、お主に合うような姿が簡単には思いつかんかったので、わしのイメージにある「研究者」とやらを投影してみたのじゃよ。似合っとると思うのじゃが?」
これで似合っているとか言われても、正直喜んでいいのかよくわからない楓であった。
「まあいいや・・・この姿のことはとりあえず置いておくとして・・・モリガン、これからどうするんだ?」
楓は、周囲の様子を見まわしてみた。ほとんどアトリエに引きこもり状態に近かった楓は、そういえば、森の外はこんな感じだったかなと今更ながらに思い出す。
浮遊大陸は、天空世界にあるため、空気は地上よりも薄いはずだが、各大陸の環境管理局が、人々の暮らしやすい酸素濃度までコントロールして引き上げているため、そうそう酸欠状態になることはなかった。地上と同じとまではいかないが、それでも深呼吸すれば新鮮な空気が肺を満たしていく。
「まあ、たまにはシャバの空気を吸うのも悪くないよな」
楓が独り言ちる。楓の独り言を、モリガンが唇の端を釣り上げながら、
「アトリエが直るまでは、シャバの空気は吸い放題じゃぞ・・・」
「それはそれで勘弁してくれ・・・」
楓が、思い出したくなかったことを思い出してしまったといった雰囲気で頭を抑えた。
「安心せい、この一件が片付いたら、すぐさま復元魔法で可能な限り修復してやるからのう・・・それよりも、これからのことじゃが」
モリガンは、掌の上に使い魔を生み出し、
「アサギのことは、こやつに尾行させておこう・・・あとは、この近くならゼルキンス村辺りに身を隠そうかと思っておる」
モリガンが今後の予定について説明したー。
ロングの金髪は、まあ、本当の姿のモリガンのツインテールを解き、10年くらい髪を伸ばせばそれらしくは見えるだろう。顔立ちも、あの「聖女のような魔女」ことエレオノーラの娘だけあって、元から素材はよく、10年後は美人にはなるだろう。
・・・だが、問題は体型である。
「・・・絶対、こいつ自身の願望が反映しているよな、この変装魔法」
モリガンと同じチームの薬師寺咲那や和泉鏡香は、それはそれは恵まれた体形の持ち主で、モリガンが以前から、「この二人こそわしの目標なのじゃ!」と盛んに息巻いていたのを思い出す。楓自身は、咲那や鏡香とは面識はないが、モリガンからたびたびこの二人の動画を見せられていた。
「まあ、あと10年せいぜい頑張ってくれ・・・」
半眼になりながら、一人ガッツポーズを決めているモリガンを見つめた。10年後、今のメリルの姿が本当に再現できているのかどうか、楽しみやら怖いやらである。
「それはそうと・・・どうして私はこんな姿なんだよ、モリガン」
髪をアップにしてのポニーテール、そして眼鏡に研究員のような白衣姿ーなんか、モリガンが著しく勘違いしている部分があり、それがそのまま変装魔法に反映しているように思えたのだが・・・。
「仕方がないじゃろ、お主に合うような姿が簡単には思いつかんかったので、わしのイメージにある「研究者」とやらを投影してみたのじゃよ。似合っとると思うのじゃが?」
これで似合っているとか言われても、正直喜んでいいのかよくわからない楓であった。
「まあいいや・・・この姿のことはとりあえず置いておくとして・・・モリガン、これからどうするんだ?」
楓は、周囲の様子を見まわしてみた。ほとんどアトリエに引きこもり状態に近かった楓は、そういえば、森の外はこんな感じだったかなと今更ながらに思い出す。
浮遊大陸は、天空世界にあるため、空気は地上よりも薄いはずだが、各大陸の環境管理局が、人々の暮らしやすい酸素濃度までコントロールして引き上げているため、そうそう酸欠状態になることはなかった。地上と同じとまではいかないが、それでも深呼吸すれば新鮮な空気が肺を満たしていく。
「まあ、たまにはシャバの空気を吸うのも悪くないよな」
楓が独り言ちる。楓の独り言を、モリガンが唇の端を釣り上げながら、
「アトリエが直るまでは、シャバの空気は吸い放題じゃぞ・・・」
「それはそれで勘弁してくれ・・・」
楓が、思い出したくなかったことを思い出してしまったといった雰囲気で頭を抑えた。
「安心せい、この一件が片付いたら、すぐさま復元魔法で可能な限り修復してやるからのう・・・それよりも、これからのことじゃが」
モリガンは、掌の上に使い魔を生み出し、
「アサギのことは、こやつに尾行させておこう・・・あとは、この近くならゼルキンス村辺りに身を隠そうかと思っておる」
モリガンが今後の予定について説明したー。
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