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黒羽一人旅(第6話)
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ゼルキンス村ー民宿「涼風」に連絡を取り、宿泊することになった黒羽ー。
もちろん、自分が邪術師であることを考慮に入れ、その瘴気が体から漏れ出ないように、ローブを手放すことはできないが、彼女もまた魔法使いーモリガンと同様に、変装魔法を使うことができる。要は、見た目だけを変えればいいのだ。
「久しぶりに変装することになりそうですね・・・」
思わず含み笑いをしてしまう黒羽。先に変装魔法を使ったモリガンの気持ちが何となくわかった気がする。
これは・・・確かに楽しい!
「さて・・・今回はどんな姿になりましょうか」
人差し指を顎に当て、しばしその場で思案する黒羽。そして・・・。
「今日はこれで行きましょうか」
黒羽の目が少しだけ細められる。口の端をかすかに上げると、黒羽は変装魔法を使い始めたー。
ーー
モリガン達の泊っている部屋の反対側に、黒羽が泊る部屋が割り当てられた。
「こうして近くにいると、実際声をかけてみたい気もしますが・・・まあそれはおいおいということで」
黒羽は、既に敷いてある布団の上に横になり、天井を仰ぎ見た。
現在の黒羽の姿は、学校の制服姿で猫耳を生やした小柄な少女であった。
「我ながら、この猫耳はグッドだと思います」
他に誰がいるというわけでもないが、それでも自慢げに一人語る黒羽。さらには、親指まで立てていたりする。よほど、この姿が気に入っているらしい。なぜ学校の制服姿を選んだかについては、黒羽自身が学校と言う場所に少なからず憧れを抱いていたからだった。
「前文明時代には最もポピュラーな教育システムだったらしいですが・・・」
現在においては、学校と言う場所は義務的に教育を課す、あるいは受けるための場所ではなく、あくまでも前文明時代の教育システムを実体験してみたいという人向けに行われているようなものだ。
邪術師ゆえに、集団的な場所では行動できない黒羽にとって、人の多い場所というのは、実は憧れの対象でもあったりする。元々寂しがり屋ということもあり、本来はもっと人と交わりたいと思っているのだが、それもかなわないということはよくわかっていた。
「私も、普通に生まれてきていれば、ああいう場所に行けたのでしょうか・・・」
自分の掌を顔の前にかざし、見つめる黒羽。この瞬間にも、彼女の体から抑えきれぬ瘴気が漏れ出ているのだが、何とかそれを魔法繊維のローブで抑制している。今は変装中なので、周囲からは女子学生の姿にしか見えないだろうが、変わっているのは見た目だけで、その他は一切変わっていない。
「いつか、普通に暮らしてみたいという願いは、果たして叶うのでしょうか・・・」
そのために、《ラピュタ》の面々がいろいろと手助けしてくれている。感謝してもしきれないが、果たしてメンバー達の恩に報いることはできるだろうか。
疲れのためか、ウトウトし始めた頭で、ぼんやりとそんなことを考えながら、黒羽もまたモリガン達と同様に眠りについてしまったー。
もちろん、自分が邪術師であることを考慮に入れ、その瘴気が体から漏れ出ないように、ローブを手放すことはできないが、彼女もまた魔法使いーモリガンと同様に、変装魔法を使うことができる。要は、見た目だけを変えればいいのだ。
「久しぶりに変装することになりそうですね・・・」
思わず含み笑いをしてしまう黒羽。先に変装魔法を使ったモリガンの気持ちが何となくわかった気がする。
これは・・・確かに楽しい!
「さて・・・今回はどんな姿になりましょうか」
人差し指を顎に当て、しばしその場で思案する黒羽。そして・・・。
「今日はこれで行きましょうか」
黒羽の目が少しだけ細められる。口の端をかすかに上げると、黒羽は変装魔法を使い始めたー。
ーー
モリガン達の泊っている部屋の反対側に、黒羽が泊る部屋が割り当てられた。
「こうして近くにいると、実際声をかけてみたい気もしますが・・・まあそれはおいおいということで」
黒羽は、既に敷いてある布団の上に横になり、天井を仰ぎ見た。
現在の黒羽の姿は、学校の制服姿で猫耳を生やした小柄な少女であった。
「我ながら、この猫耳はグッドだと思います」
他に誰がいるというわけでもないが、それでも自慢げに一人語る黒羽。さらには、親指まで立てていたりする。よほど、この姿が気に入っているらしい。なぜ学校の制服姿を選んだかについては、黒羽自身が学校と言う場所に少なからず憧れを抱いていたからだった。
「前文明時代には最もポピュラーな教育システムだったらしいですが・・・」
現在においては、学校と言う場所は義務的に教育を課す、あるいは受けるための場所ではなく、あくまでも前文明時代の教育システムを実体験してみたいという人向けに行われているようなものだ。
邪術師ゆえに、集団的な場所では行動できない黒羽にとって、人の多い場所というのは、実は憧れの対象でもあったりする。元々寂しがり屋ということもあり、本来はもっと人と交わりたいと思っているのだが、それもかなわないということはよくわかっていた。
「私も、普通に生まれてきていれば、ああいう場所に行けたのでしょうか・・・」
自分の掌を顔の前にかざし、見つめる黒羽。この瞬間にも、彼女の体から抑えきれぬ瘴気が漏れ出ているのだが、何とかそれを魔法繊維のローブで抑制している。今は変装中なので、周囲からは女子学生の姿にしか見えないだろうが、変わっているのは見た目だけで、その他は一切変わっていない。
「いつか、普通に暮らしてみたいという願いは、果たして叶うのでしょうか・・・」
そのために、《ラピュタ》の面々がいろいろと手助けしてくれている。感謝してもしきれないが、果たしてメンバー達の恩に報いることはできるだろうか。
疲れのためか、ウトウトし始めた頭で、ぼんやりとそんなことを考えながら、黒羽もまたモリガン達と同様に眠りについてしまったー。
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