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咲那と鏡香(第13話)
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「お見事でした、咲那さん」
パチパチ・・・と軽く拍手しながら、鏡香が咲那を労った。
「まあ、昨日までの憂さ晴らしには、ちょうどいい相手だったかもな」
収納魔法を展開し、魔法剣エクセリオンを異空間に収納しながら、咲那はもう一度害蟲がいた辺りを確認する。
もうすでに、害蟲を構成していた瘴気は霧散し、ほぼ無害化されていた。本体を失えば、瘴気の霧散も早いものである。
「これで完全に片付いたな・・・また前みたいな目に合うのはごめんだぜ、ったく」
「ここで着ているものを溶かされたら、今度は逃げられませんよ、咲那さん」
「おいおい・・・勘弁してくれ、鏡香」
ふふ・・・と微笑みながら、鏡香は再び蒼穹の空を見上げる。抜けるような蒼い空は、見上げ続けていると自分が吸い込まれてしまいそうな錯覚を受ける。
「悠久王国に冥府、燎原に飛空鎧・・・と、まあこれだけ色々と出張ってきたもんだな」
「ええ・・・」
「江紀のやつも、確か空にいるんだろ、今は」
自身の相棒のことを思いだす。ここに来るまでに鏡香から聞いた話では、鏡香は江紀にも連絡は取っていたらしい。モリガンのことも知らせておいたので、彼の方でも惑星Σ-11を目指すとのことだった。
ただ、困ったことに、彼が今いる地点は、惑星Σ-11の正反対に当たる浮遊大陸なので、そこから惑星Σ-11を目指すとしても、結局は鏡香たちの方が早く到着することになりそうだった。
「あいつも来るとしても・・・あたしらよりも遅れるらしいからな・・・結局は、あたしらがモリガンの無事を確認しないといけないってことだよな」
「そうですね・・・彼のいる浮遊大陸からでは、どうしても私たちの方が先に着いてしまいそうですし」
「まあ、焦ってもしゃーねえか・・・それにしても、あんな外れの大陸まで、いったいどんな用事があって行ったんだよ、江紀のやつは」
鏡香も首をかしげながら、
「私も、詳しいことは聞かされていないんですよね・・・早苗ちゃんにも行き先くらいしか教えていなかったそうですし・・・まあ、彼のことだから一人でも大丈夫だろうと思って、それ以上は追及しなかったのですが」
「・・・実際、あいつはあたしよりも強いし、一人でも大丈夫だとは思うけどな・・・まあ、早苗にすら詳しいことを話してないってことは、あたしが聞いても無駄ってことか」
軽くため息をつきながら、遥か彼方の空の旅をしている相棒のことを考える。
「・・・相棒、なのかな、あいつは・・・?」
ふと、そんな言葉が咲那の口から零れた。
実力的には、どうやっても江紀の方がはるかに上だ。それは認める。おそらくは、同じ位置にすらいないだろう。それであたしは、あいつの相棒を名乗れるのか・・・と、常々思う。
仏頂面で思案する咲那を、鏡香が見つめながら、
「あなたがいるから、江紀さんは戦えるんですよ、咲那さん」
そう言って静かに微笑んだー。
パチパチ・・・と軽く拍手しながら、鏡香が咲那を労った。
「まあ、昨日までの憂さ晴らしには、ちょうどいい相手だったかもな」
収納魔法を展開し、魔法剣エクセリオンを異空間に収納しながら、咲那はもう一度害蟲がいた辺りを確認する。
もうすでに、害蟲を構成していた瘴気は霧散し、ほぼ無害化されていた。本体を失えば、瘴気の霧散も早いものである。
「これで完全に片付いたな・・・また前みたいな目に合うのはごめんだぜ、ったく」
「ここで着ているものを溶かされたら、今度は逃げられませんよ、咲那さん」
「おいおい・・・勘弁してくれ、鏡香」
ふふ・・・と微笑みながら、鏡香は再び蒼穹の空を見上げる。抜けるような蒼い空は、見上げ続けていると自分が吸い込まれてしまいそうな錯覚を受ける。
「悠久王国に冥府、燎原に飛空鎧・・・と、まあこれだけ色々と出張ってきたもんだな」
「ええ・・・」
「江紀のやつも、確か空にいるんだろ、今は」
自身の相棒のことを思いだす。ここに来るまでに鏡香から聞いた話では、鏡香は江紀にも連絡は取っていたらしい。モリガンのことも知らせておいたので、彼の方でも惑星Σ-11を目指すとのことだった。
ただ、困ったことに、彼が今いる地点は、惑星Σ-11の正反対に当たる浮遊大陸なので、そこから惑星Σ-11を目指すとしても、結局は鏡香たちの方が早く到着することになりそうだった。
「あいつも来るとしても・・・あたしらよりも遅れるらしいからな・・・結局は、あたしらがモリガンの無事を確認しないといけないってことだよな」
「そうですね・・・彼のいる浮遊大陸からでは、どうしても私たちの方が先に着いてしまいそうですし」
「まあ、焦ってもしゃーねえか・・・それにしても、あんな外れの大陸まで、いったいどんな用事があって行ったんだよ、江紀のやつは」
鏡香も首をかしげながら、
「私も、詳しいことは聞かされていないんですよね・・・早苗ちゃんにも行き先くらいしか教えていなかったそうですし・・・まあ、彼のことだから一人でも大丈夫だろうと思って、それ以上は追及しなかったのですが」
「・・・実際、あいつはあたしよりも強いし、一人でも大丈夫だとは思うけどな・・・まあ、早苗にすら詳しいことを話してないってことは、あたしが聞いても無駄ってことか」
軽くため息をつきながら、遥か彼方の空の旅をしている相棒のことを考える。
「・・・相棒、なのかな、あいつは・・・?」
ふと、そんな言葉が咲那の口から零れた。
実力的には、どうやっても江紀の方がはるかに上だ。それは認める。おそらくは、同じ位置にすらいないだろう。それであたしは、あいつの相棒を名乗れるのか・・・と、常々思う。
仏頂面で思案する咲那を、鏡香が見つめながら、
「あなたがいるから、江紀さんは戦えるんですよ、咲那さん」
そう言って静かに微笑んだー。
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