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日向荘にて(第4話)
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「ことわざでもあるだろ、毒を以て毒を制す・・・てな」
晶の持つ魔笛剣の刀身が、先ほどまでの淡いエメラルドグリーンから瘴気の黒色へと変化していくー。
「晶、それは・・・」
驚愕するカイトに、晶は口角を上げつつ応えた。
「そう、害蟲だ・・・まあ、正確に言えば、害蟲を構成する瘴気の塊といったところなんだけどな」
禍々しい気配を放つそれは、魔笛剣の刀身に纏わりつき、そして、まるで意志を持つかの如く蠢き始めた。
「害蟲を倒すのにも害蟲ー正確に言えば瘴気ーが有効なんだよ。むしろ、瘴気でなければ倒せない厄介な相手もいるくらいなんだ」
晶が軽く魔笛剣を振るった。魔笛剣の刀身に纏わりついていた瘴気は、まるで放たれた大蛇の如く、カイトに迫った。
「・・・うわああ!!」
カイトが思わず後退るが、それを容赦なく瘴気が追いかけて来た。
「おいおい、カイト・・・逃げてたら訓練にならんぜ」
晶は容赦なく魔笛剣を振るい続ける。複数の蛇にも似た動きをする瘴気に、翻弄され続けるカイトだった。
「・・・そんなこと言ったって」
「まあ、いきなりこいつらは、確かに難易度が高かったかもな」
そう言うなり、晶は再び魔笛剣に自身の魔力を送り始めた。
魔笛剣の刀身から、瘴気が霧散していく。当然、カイトに襲い掛かってきた大蛇たちも、それに合わせるように姿を霧散させた。そして、再び魔笛剣の刀身がエメラルドグリーンに輝き始めた。
「なるほど、確かに毒を以て毒を制す、だね」
今、晶が放った瘴気をまともに浴びていたら、ひとたまりもなかっただろう。それどころか、並の害蟲であれば、あの瘴気に飲み込まれ、取り込まれてしまうのではないかー。
もちろん、晶も訓練前提でやってはいるので、加減はしてくれているようだが。
「今のやつは少しばかりイレギュラーだったが、実戦ってのはこういうイレギュラーなことにも対応する必要性はあるからな。今のうちに慣れておくに限るぜ」
「瘴気に対する対策法・・・とか?」
晶は、カイトの言葉ににやりとしながら、
「まあ、それが一番だろうな・・・ただやみくもに相手に攻撃するだけではなく、相手の攻撃の性質や不測の事態にいかに対応できるかーそれも問われるってことさ・・・」
「・・・確かに、これから僕が相手にするあいつには、ただがむしゃらにぶつかっても潰されるだけのような気がする」
それは、空の上で紫の飛空鎧と戦った時にも痛感させられたことだった。今までとは、全く次元の異なる強さーそして、先輩たちはその前に斃れたのだったー。
晶の持つ魔笛剣の刀身が、先ほどまでの淡いエメラルドグリーンから瘴気の黒色へと変化していくー。
「晶、それは・・・」
驚愕するカイトに、晶は口角を上げつつ応えた。
「そう、害蟲だ・・・まあ、正確に言えば、害蟲を構成する瘴気の塊といったところなんだけどな」
禍々しい気配を放つそれは、魔笛剣の刀身に纏わりつき、そして、まるで意志を持つかの如く蠢き始めた。
「害蟲を倒すのにも害蟲ー正確に言えば瘴気ーが有効なんだよ。むしろ、瘴気でなければ倒せない厄介な相手もいるくらいなんだ」
晶が軽く魔笛剣を振るった。魔笛剣の刀身に纏わりついていた瘴気は、まるで放たれた大蛇の如く、カイトに迫った。
「・・・うわああ!!」
カイトが思わず後退るが、それを容赦なく瘴気が追いかけて来た。
「おいおい、カイト・・・逃げてたら訓練にならんぜ」
晶は容赦なく魔笛剣を振るい続ける。複数の蛇にも似た動きをする瘴気に、翻弄され続けるカイトだった。
「・・・そんなこと言ったって」
「まあ、いきなりこいつらは、確かに難易度が高かったかもな」
そう言うなり、晶は再び魔笛剣に自身の魔力を送り始めた。
魔笛剣の刀身から、瘴気が霧散していく。当然、カイトに襲い掛かってきた大蛇たちも、それに合わせるように姿を霧散させた。そして、再び魔笛剣の刀身がエメラルドグリーンに輝き始めた。
「なるほど、確かに毒を以て毒を制す、だね」
今、晶が放った瘴気をまともに浴びていたら、ひとたまりもなかっただろう。それどころか、並の害蟲であれば、あの瘴気に飲み込まれ、取り込まれてしまうのではないかー。
もちろん、晶も訓練前提でやってはいるので、加減はしてくれているようだが。
「今のやつは少しばかりイレギュラーだったが、実戦ってのはこういうイレギュラーなことにも対応する必要性はあるからな。今のうちに慣れておくに限るぜ」
「瘴気に対する対策法・・・とか?」
晶は、カイトの言葉ににやりとしながら、
「まあ、それが一番だろうな・・・ただやみくもに相手に攻撃するだけではなく、相手の攻撃の性質や不測の事態にいかに対応できるかーそれも問われるってことさ・・・」
「・・・確かに、これから僕が相手にするあいつには、ただがむしゃらにぶつかっても潰されるだけのような気がする」
それは、空の上で紫の飛空鎧と戦った時にも痛感させられたことだった。今までとは、全く次元の異なる強さーそして、先輩たちはその前に斃れたのだったー。
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