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第3章 虚ろなる人形
第101話 3つ目の首、そして・・・
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地下室の中に、鉄分の匂いが充満するー
勅使河原は、真由美を殺害して2時間後、準備していた鋸を取り出し、真由美の首を切断し始めた。
「フフフ・・・」
真由美の首に鋸の歯をあてがう。もはや、こと切れた真由美の肉体は、あとは腐敗し朽ち果てていくだけでしかない。その前に、真由美の首を切断し、自らのものとして保管保存し続ける。
「フフフ・・・アハハハハ」
笑いが止まらないー地下室の中で、ただ一人残された勅使河原は笑い続けながら、真由美の首を切断していった。地下室の床を鉄分の臭いが含まれた血液がゆっくりと侵食していく。わずかな光しかないこの地下室においても、その赤さだけは鮮明に認識できるものだった。
やがて、完全に胴体から切り離された真由美の首は、力なく床に転がった。当たり前のことながら、勅使河原がいくら真由美の体を冒涜しようとも、もはや真由美はその表情を変えることはないー二度と。
だからこそ、その不変の死に顔こそが最も美しいのだ。
「いいわ・・・真由美。あなたもついに、私のものとなったのよ」
勅使河原が哄笑しながら、床に転がった真由美の首を抱え上げる。真由美の首は、変わらぬ表情のまま勅使河原を見つめ返すだけだ。つまりは、本当の意味でここには勅使河原と真由美の世界しかない。誰にも邪魔されることのない、神聖な場所であり、そして時間でもあったのだ。
「表情は・・・真理や明菜と似ているわね・・・やはり、苦痛の前にはだれであれみんな等しくなるということかしら」
口は半開き、瞳は、どこか眠たそうな開き方ー死を前にして、絶え間なく襲い来る苦痛の果てに、たどり着く表情はみな等しいということか。
「・・・さて、それでは味わうとしましょうか、真由美。あなたのおいしさを」
勅使河原は、かつて明菜に対してそうしたように、真由美の首の切り口へと舌を向けると、少しずつ舐め始めた。
「・・・んん、んん・・・うん」
勅使河原の舌が愛おし気に真由美の首の切り口を這っていく。勅使河原の喉がコクコクと動き、真由美を構成していた紅い体液が、勅使河原の体に流し込まれ、彼女と一体となっていくー
全裸の少女が、同年代の少女の首に舌を這わせ、その血を体内へと取り入れる光景は、残酷で不気味なものではあるが、一方で非常に官能的、淫靡的なものでもあった。
「ああ・・・あなたもおいしいわ、真由美・・・真理や明菜もそうだったけど、あなたのはもっとおいしいかもしれない」
勅使河原が恍惚とした表情で、真由美の血液を少しずつ取り入れていく。そのたびに、勅使河原の頬の紅潮ぶりは増していくようにも感じられた。
真由美はもはや何も語らない、反応もしない。ただ、勅使河原の望むがままに弄ばれるだけの存在となった。
「ふう・・・」
一旦休憩を入れる勅使河原。静寂に包まれた地下室に、勅使河原の息遣いだけが響き渡る。
勅使河原は、真由美の生首を地下室の机の上に置くと、
「これで、首は3つ・・・もう少し楽しみたいけど、でももう私はだめね」
自らの社会的な破滅ーそれは最初からわかっていた。だが、それでも3人殺したー彼女に、一条紗耶香に近づくために。
「一条さん・・・私も遅かれ早かれそちらに行くわ・・・共に語り合いましょう。私達しか共有しえないことについて」
勅使河原は天を仰ぐかのように上を向き、両腕を天井へと広げた。その視線に先に、まるで一条紗耶香本人が待っているかのように。
真由美殺害の数日後、勅使河原は、予感していた通り警察に逮捕されたー
勅使河原は、真由美を殺害して2時間後、準備していた鋸を取り出し、真由美の首を切断し始めた。
「フフフ・・・」
真由美の首に鋸の歯をあてがう。もはや、こと切れた真由美の肉体は、あとは腐敗し朽ち果てていくだけでしかない。その前に、真由美の首を切断し、自らのものとして保管保存し続ける。
「フフフ・・・アハハハハ」
笑いが止まらないー地下室の中で、ただ一人残された勅使河原は笑い続けながら、真由美の首を切断していった。地下室の床を鉄分の臭いが含まれた血液がゆっくりと侵食していく。わずかな光しかないこの地下室においても、その赤さだけは鮮明に認識できるものだった。
やがて、完全に胴体から切り離された真由美の首は、力なく床に転がった。当たり前のことながら、勅使河原がいくら真由美の体を冒涜しようとも、もはや真由美はその表情を変えることはないー二度と。
だからこそ、その不変の死に顔こそが最も美しいのだ。
「いいわ・・・真由美。あなたもついに、私のものとなったのよ」
勅使河原が哄笑しながら、床に転がった真由美の首を抱え上げる。真由美の首は、変わらぬ表情のまま勅使河原を見つめ返すだけだ。つまりは、本当の意味でここには勅使河原と真由美の世界しかない。誰にも邪魔されることのない、神聖な場所であり、そして時間でもあったのだ。
「表情は・・・真理や明菜と似ているわね・・・やはり、苦痛の前にはだれであれみんな等しくなるということかしら」
口は半開き、瞳は、どこか眠たそうな開き方ー死を前にして、絶え間なく襲い来る苦痛の果てに、たどり着く表情はみな等しいということか。
「・・・さて、それでは味わうとしましょうか、真由美。あなたのおいしさを」
勅使河原は、かつて明菜に対してそうしたように、真由美の首の切り口へと舌を向けると、少しずつ舐め始めた。
「・・・んん、んん・・・うん」
勅使河原の舌が愛おし気に真由美の首の切り口を這っていく。勅使河原の喉がコクコクと動き、真由美を構成していた紅い体液が、勅使河原の体に流し込まれ、彼女と一体となっていくー
全裸の少女が、同年代の少女の首に舌を這わせ、その血を体内へと取り入れる光景は、残酷で不気味なものではあるが、一方で非常に官能的、淫靡的なものでもあった。
「ああ・・・あなたもおいしいわ、真由美・・・真理や明菜もそうだったけど、あなたのはもっとおいしいかもしれない」
勅使河原が恍惚とした表情で、真由美の血液を少しずつ取り入れていく。そのたびに、勅使河原の頬の紅潮ぶりは増していくようにも感じられた。
真由美はもはや何も語らない、反応もしない。ただ、勅使河原の望むがままに弄ばれるだけの存在となった。
「ふう・・・」
一旦休憩を入れる勅使河原。静寂に包まれた地下室に、勅使河原の息遣いだけが響き渡る。
勅使河原は、真由美の生首を地下室の机の上に置くと、
「これで、首は3つ・・・もう少し楽しみたいけど、でももう私はだめね」
自らの社会的な破滅ーそれは最初からわかっていた。だが、それでも3人殺したー彼女に、一条紗耶香に近づくために。
「一条さん・・・私も遅かれ早かれそちらに行くわ・・・共に語り合いましょう。私達しか共有しえないことについて」
勅使河原は天を仰ぐかのように上を向き、両腕を天井へと広げた。その視線に先に、まるで一条紗耶香本人が待っているかのように。
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