百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

文字の大きさ
161 / 499
第4章 更なる戦い

第160話 情事を終えて・・・

しおりを挟む
「はあぁぁん」
「はあはあ・・・」
 カー用品店を模した建物の中ーその宿直室で、二人の少女の甘い声が響き渡る。静と紫苑の鼻にかかった声だった。
「朝比奈さん、あなた・・・いいわ、最高よ」
 壁にもたれかかるように、バックから紫苑の秘所に自らのディルドを挿入している静の顔は、もはや完全にとろけている。
「風間さんこそ・・・激しすぎて、私・・・そろそろ壊れちゃいそうです」
 紫苑の顔も同様だった。顔は紅潮し、固く閉じられた瞳の端には涙が光っている。
 ーあの子とは違うー
 静のモノを受け入れ、その身を完全に委ねながら、紫苑はその腰を揺らし始めた。
 その仕草が、静のある一面を刺激した。
「朝比奈さん・・・この程度で満足しちゃだめよ。まだまだ激しくなるんだから」
 ーそう、これがあなたにとっては最後の情事となるのだからー
 優香たちの見立て通り、おそらく静は紫苑に勝利するだろう。つまりは、朝比奈紫苑にとって、これが最後の交わりとなるのだ。
 だからこそ、この程度で満足させるわけにはいかない。この先に、紫苑の死が待っているのなら、彼女には悔いが残らないくらいの快楽を与えてやらなければならないー紫苑が、満足して逝けるように。
 静は、さらに奥まで、自らのディルドを紫苑の中に突き立てていく。
「・・・!!あああ・・・!」
 たまらず紫苑が歓声とも悲鳴とも取れる声を上げる。それこそ、部屋の外にまで漏れて聞こえそうなくらいの、煽情的な叫びを。
 静が今まで以上に腰をうごめかすと、それにつられる形で、紫苑の腰の動きも激しくなる。その、妖しくも煽情的な腰の動きに、突いている静の方がたまらず唾を飲み込んでいた。
 ーこの子、本当に可愛いー
 できれば殺したくはないが、それよりも、彼女と共に、絶頂を迎えてみたいという思いの方が勝った。
 静も、紫苑も、自らの体の内から湧き上がってくるものを、もはや抑えきることはできない。自分たちの刹那的な欲望のままに、例えこの先が命を懸けた殺し合いになるとわかっていても、突き進むしかなかった。
「はあああ・・・あうん」
「はあはあ・・・イクわよ、朝比奈さん」
 静の言葉とともに、ディルドから疑似精液が、紫苑の中に注がれる。紫苑は一瞬目を見開くと、それが自らが戦うことになる合図だと実感したーつまりは、二人とも、絶頂を迎えた瞬間だった。

「おお、いよいよ、静とお相手さんが擬体を纏ったようだよ、子猫ちゃん」
 カー用品店から漂ってくる擬体の匂いをかぎ取った優香が、待ってましたとばかりに告げた。
「そうだね、優華お姉さん」
 ヒナも、戦いの始まりに気が付いたようだ。一度、擬体を纏ってしまえばもはや後には引けないーこの先に待ち受けるのは、どちらかの首が飛ぶまで戦うことになる純然たる殺し合いなのだ。
「十中八九、お静が勝つだろうけど・・・でも、何が起こるかわからないのが勝負の世界だからね・・・」
 実際、実力では勝っていたとしても、一瞬の油断が隙を生み、結果的には負けてしまったという参加者もいる。静に限って、それはないと信じたいところだが、世の中に「絶対」等というものはない。
「いずれにしろ、私らにできることは二人の勝負を見届けることだけだ」
「うん・・・」
 優華はニヤケ面の口元を鉄扇で覆い隠し、ヒナはその半眼をさらに細めてー
 カー用品の入口へと目を向けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

【完結】【百合論争】こんなの百合って認めない!

千鶴田ルト
ライト文芸
百合同人作家の茜音と、百合研究学生の悠乃はSNS上で百合の定義に関する論争を繰り広げる。やがてその議論はオフ会に持ち越される。そして、そこで起こったこととは…!? 百合に人生を賭けた二人が、ぶつかり合い、話し合い、惹かれ合う。百合とは何か。友情とは。恋愛とは。 すべての百合好きに捧げる、論争系百合コメディ!

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

処理中です...