百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第383話 ゲーム会場へようこそ23

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 ー果たして、あたしはあんなのと戦うことができるのかー
 まるで何事もなかったかのように佇む優菜と、相変わらずのほのぼのとした様子の美羽とは対照的に、意気消沈気味な明子。
 そんな彼女の様子に気が付いたのか、
「やっぱり、不安?」
と、優菜が明子を気遣って話しかけてきてくれた。
「・・・うん」
 無理もない。正直なところ、いきなり人外のものと戦えと言われてそれができるのかと言われたら、誰だって明子と同じような反応を示すだろう。
「・・・まあ、あたしだって、最初の頃はかなり戸惑ったけどね」
 優菜が一番最初、このゲームに無理やり参加させられた頃のことを懐かしむかのような表情で語り出した。もちろん、未だに複数の魔物が潜んでいるであろう茂みへの警戒も怠ってはいない。
「結局、やらなきゃやられるのよ。それは、別にこのゲームでなくったって、大会においてもそうでしょ?負けたら 
その時点であたしらは晒し首になるんだし」
 そうだった。このゲームの事ばかり気にしていたが、実際には大会はまだ続いているのだ。当然、同じ年代の少女同士の殺し合いも継続中である。
「あたしたちは、どこにも逃げ場がないのよ」
 優菜の言うとおりである。このアルカディア島にいる限り、ゲームからも大会からも逃げることはできないのだ。
 そういえばー
「あのさ・・・優菜と美羽って、このゲーム以外では誰かと戦ったことってあるの?」
 優菜の武器の手慣れた扱い方や美羽の落ち着いた佇まいから、もしや、とは思ったがー
「あたしは・・・大会の方では3人殺した」
「私は2人です」
 ーああ、やっぱりそうなのかー
 2人とも、既に実戦経験者だ。そして、実戦を経験し、今まで生き残っているということは、既に2人とも人を殺しているということでもある。
 だからーというわけでもないのだろうが、明子と違って、2人はこういったゲームにもすぐに順応できたのだろう。
「生き残るためには、仕方がないのよ」
 優菜が自分に言い聞かせるように言った。
 そのタイミングを見計らったかのように、またも魔物たちが茂みの中から飛び掛ってきた。
 今度は・・・3匹だった。
「3匹か・・・ちょうど3対3でやれるわね」
 優菜が自らの擬体化武器ー斧を構えた。美羽も、すぐに自分の擬体化武器であるレイピアを構える。
 戦闘準備、もっと言えば心の準備ができていないのは、明子だけだった。
「くっ・・・」
 ーやれるのか、あたしには・・・ー
「生き残るためには・・・戦わなくちゃいけないのよ!!」
 優菜の叫びが、明子の胸をえぐる。
 そうだ、ここで死ぬわけにはいかない。生き延びるためには、これまでのように逃げてばかりじゃダメなんだー
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