百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第386話 ゲーム会場へようこそ26

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 明子、優菜、美羽の3人が黒い魔物の群れと戦っている時ー
「う、うーん」
 明子たちとは別のチームー仮にBチームとしておこうーその一員である御堂愛は、鬱蒼とした森の中で目を覚ました。
「あ、あれ・・・何で森の中なの・・・?」
 御堂が戸惑うのも無理はない。先ほどまで、謎の異空間を移動させられていたのだ。そして、気が付いたら辺りは鬱蒼とした森の中である。
「あ、やっと起きた」
 ふいに声が聞こえてきたので、そちらの方を振り返ってみる。
 顔を見ると、同じチームにいた少女たちのようだった。御堂を含めると全員で4人ということになる。
「ここは・・・?」
 御堂は、少しだけ頭を振りながら、足元もおぼつかない様子で何とか立ち上がった。
 彼女の問いかけに、他の3人もわけがわからないといった様子で、
「あたしらにもよくわかんないんだ」
「気が付いたら、ここで寝てた」
「あんたが最後に起きたのさ」
 3人がそれぞれ、自分たちの置かれた状況について説明してくれた。
 御堂は、3人からの説明を聞きつつ、自分も周囲をよく見まわしてみた。
 見渡す限り、樹ばかりーしかも、樹冠がかなり厚く、空を覆っているため。森の中は日中でありながら、かなり薄暗く、足元の視界も悪い。
 時折、何かの動物や鳥だろうかー不気味な鳴き声がするのも、この森の薄気味悪さを助長していると言えた。
「ここが、あのメイドが言ってたゲーム会場?」
 異空間を飛ばされた先が、なんだかよくわからない森の中ーまるで、不思議の国のアリスにでもなった気分だが、あの物語に登場する森よりもはるかに不気味な光景だと思った。
「そうらしいね」
「この森の中で、あのボウリングの球みたいなものを探すんだろ?」
「やってらんないよ」
 3人の少女たちは、口々に文句や愚痴を言い続けている。
 かく言う御堂も、あのメイドに対して恨み言の一つでも言ってやりたい気分だった。
「それにしても・・・あの球って、明らかに機械的なものでしょ?この森に、そんなものがあるっていうの?」
 御堂が思わず口にした疑問に、他の3人も一様に頷く。
 無理もない。この森の中でそう言った機械的なものが存在するとは到底思えなかった。仮に本当にあるのだとしても、右も左もわからない自然の迷宮のような場所である。そう簡単に見つけることができるとは到底思えなかった。
 御堂も、そして他の3人も、このゲームの初参加組だ。いきなりゲームをやれと言われても、勝手がまるで分らない。
 御堂は、とりあえず周囲の様子をよく観察してみることにしたーと言っても、樹が生い茂っているだけで、他に何も目印になりそうなものは一切なかった。
「迂闊に歩き回ったら、遭難でもしそうじゃない・・・?」
 御堂の言葉に、他の3人が表情を曇らせた。
 実際、この奥深い森の中では、コンパスすら(もっとも、そんなものは持ち合わせていないのだが)役に立ちそうにはなかった。
 
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