百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第457話 ゲーム会場へようこそ97

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「う、うーん」
「おお、桐原殿・・・気が付いたか」
 明子たち3人が水浴びしている最中、桐原の傍らでその様子を見守っていた戸隠が表情を綻ばせる。桐原の瞼がかすかに蠢いたかと思うと、彼女はようやく目を覚ましたのだった。
「・・・戸隠さん、私・・・」
 桐原は、軽く頭を振りながら、今自分がどういう状況にあるのか確認しようと周囲を見回していた。まだその瞳は虚ろで、はっきりと覚醒していないようにも見えたが、ようやく眠りから目覚めた彼女を見て、戸隠は安堵の表情を浮かべた。
「よかった・・・桐原殿。お主は今までずっと、眠りこけていたのだ」
「・・・そうだったのですか。そういえば、眠っていたせいか、先ほどまでよりも具合がいい気がします」
 桐原の頬には赤みがさしており、どうやら先ほどまでの熱が嘘のようにひいていたようだった。
「これも・・・美羽殿のおかげだな・・・」
 近くの小川では、明子たちが水遊びに夢中で桐原が起きたことには気が付いていないようだった。
「美羽・・・さん?」
 桐原が小首を傾げる。その仕草がなんとも愛らしく、戸隠は思わず顔を綻ばせてしまった。
「ああ・・・そういえば、まだ3人のことは話していなかったな・・・」 
 戸隠は、岩陰から3人に声をかけた。
「おおい、すまぬ、3人とも・・・桐原殿が目を覚ましたぞ」
「え、本当!?」
「どうやら薬が効いたみたいですね」
「よかったあ」
 戸隠の声に気が付いた3人が駆け寄ってくる。
「助かった、美羽殿・・・本当に。こうして桐原殿が良くなった」
 戸隠は改めて美羽にお礼を述べてから、桐原に向き直り、
「このお三方がお主を助けてくれたのだ・・・ちょうど美羽殿が良い薬を持っておってな・・・いやあ、本当によかった」
 桐原は大きく目を瞠り、それからすぐに3人に対して頭を下げた。
「私のことを助けてくださって、本当にありがとうございました」
「いえいえ、お体の具合が良くなって、本当によかったです」
 美羽が照れながら応える。
「あたしらなんて、ただ水遊びしてただけだから・・・お礼なら、あなたのことをずっとそばで見守っていた戸隠さんに言ってよ」
「まあ、確かに・・・あたしたち3人はここでじゃれ合ってただけだからね」
 上から下まで全身ずぶ濡れの優菜が苦笑しながら言う。3人とも、先ほどまで水を掛け合っていたのだ。ブラウスは水で下着まで透けて見えている有様だった。したがって、3人のその豊満な(明子だけは普通に近いサイズだったが)ボディが浮き立っており、それが3人の少女たちの姿を煽情的に浮き立たせていたのだった。
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