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第4章 更なる戦い
第491話 ゲーム会場へようこそ131
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「さて・・・それでは名残惜しいデスガ・・・」
お互いの獲物ー擬体化武器を確認し合った後、エリカとカヤは改めて向き合いー
「そろそろヤリマショウカ」
愛し合った後は、首を懸けた殺し合いーである。
「ええ、そうね・・・」
カヤが微笑を浮かべながら応えた。ここからが本番である。
「それでは、エリカ・ランドールと風間カヤの勝負を開始いたします」
無機質な音声が辺りに響き渡った。二人にとっては、何度も聞きなれた「戦いの開始」を宣言するソレはー
いつの間にか、ジャッジが虚空から姿を現していた。その出現の唐突さには、最初の頃は少し驚かされたものの、今となっては普通に受け入れてしまっている。
戦いの開始が宣言された。それとともに、カヤ、エリカとも素早くその場から飛び退った。
「ヒュウウウ」
カヤとの距離を取りながら、エリカは自らが握りしめている三日月刀の感触を改めて確かめる。今までの戦いの中で、すっかりと手に馴染んだソレは、エリカにとっては唯一無二の相棒だった。
最初に擬体化武器を手にした時、なんとも形容しがたい不思議な一体感に包まれたのを覚えている。まるで、手と刀が一体化したような感覚だった。それこそ、体から神経細胞が伸びて刀に纏わりついているような、うまくは表現できないが、これこそ自分だけのものだという実感を持てるような、そんな高揚感が生まれていた。
当然、今も同様である。そして、この高揚感に包まれている間は、決して自分は負けることはないだろうという自信が限りなく湧き出てくるのであった。
ーソウデス、私は誰にもマケマセンー
相手が誰であれ、自分は必ず勝利するー実際には何の裏付けもない自信なのだが、相棒とも分身ともいうべき己の擬体化武器が、そう思わせてくれるのだ。
実際、彼女はこれまでの戦いに全て勝利を収めてきた。大会参加者の中でも、恐らくは上位に入る成績のはずだ。
ゆえに、この勢いのまま、最後まで勝ち進むのだー
だが、エリカにとって不幸だったのは、目の前の少女が生まれながらの戦闘のプロであったということだろう。
カヤもまた、エリカと同様にこの大会の参加者としては上位にいる存在ー
ただ、一言に「上位」と言っても、その中でもやはりピンからキリまである。
カヤも、エリカから距離を取りながらもいつでも斬りかかれるように体勢を整えていた。小柄でしなやかな身のこなしのカヤの動きは、常人レベルではとてもではないが捉えられない。これは、彼女が擬体化したからだけではなく、元々戦闘のプロとして、常に戦いに身を置く環境の中で育ってきたからこそだったとも言えた。
エリカがそのことに気が付くのは、この直後のことになるー
お互いの獲物ー擬体化武器を確認し合った後、エリカとカヤは改めて向き合いー
「そろそろヤリマショウカ」
愛し合った後は、首を懸けた殺し合いーである。
「ええ、そうね・・・」
カヤが微笑を浮かべながら応えた。ここからが本番である。
「それでは、エリカ・ランドールと風間カヤの勝負を開始いたします」
無機質な音声が辺りに響き渡った。二人にとっては、何度も聞きなれた「戦いの開始」を宣言するソレはー
いつの間にか、ジャッジが虚空から姿を現していた。その出現の唐突さには、最初の頃は少し驚かされたものの、今となっては普通に受け入れてしまっている。
戦いの開始が宣言された。それとともに、カヤ、エリカとも素早くその場から飛び退った。
「ヒュウウウ」
カヤとの距離を取りながら、エリカは自らが握りしめている三日月刀の感触を改めて確かめる。今までの戦いの中で、すっかりと手に馴染んだソレは、エリカにとっては唯一無二の相棒だった。
最初に擬体化武器を手にした時、なんとも形容しがたい不思議な一体感に包まれたのを覚えている。まるで、手と刀が一体化したような感覚だった。それこそ、体から神経細胞が伸びて刀に纏わりついているような、うまくは表現できないが、これこそ自分だけのものだという実感を持てるような、そんな高揚感が生まれていた。
当然、今も同様である。そして、この高揚感に包まれている間は、決して自分は負けることはないだろうという自信が限りなく湧き出てくるのであった。
ーソウデス、私は誰にもマケマセンー
相手が誰であれ、自分は必ず勝利するー実際には何の裏付けもない自信なのだが、相棒とも分身ともいうべき己の擬体化武器が、そう思わせてくれるのだ。
実際、彼女はこれまでの戦いに全て勝利を収めてきた。大会参加者の中でも、恐らくは上位に入る成績のはずだ。
ゆえに、この勢いのまま、最後まで勝ち進むのだー
だが、エリカにとって不幸だったのは、目の前の少女が生まれながらの戦闘のプロであったということだろう。
カヤもまた、エリカと同様にこの大会の参加者としては上位にいる存在ー
ただ、一言に「上位」と言っても、その中でもやはりピンからキリまである。
カヤも、エリカから距離を取りながらもいつでも斬りかかれるように体勢を整えていた。小柄でしなやかな身のこなしのカヤの動きは、常人レベルではとてもではないが捉えられない。これは、彼女が擬体化したからだけではなく、元々戦闘のプロとして、常に戦いに身を置く環境の中で育ってきたからこそだったとも言えた。
エリカがそのことに気が付くのは、この直後のことになるー
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