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亮介の秘密
亮介の秘密①
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3亮介の秘密
「読書をすると人格がかわる?」
朝ごはんを食べながら、亮介はちいさくうなづいた。
「人が変わると言うのか、その本の主人公や、気に入ったキャラクターになりきってしまうんです。だからなるべく夜読むようにしてるんですが、昨日は極道系のマンガを読んでいて……」
「だから、きのうの夜は、俺さまキャラだったわけね」
「はい……、本当に申し訳ありません」
「自覚はあるの?」
「あります、一人だとそれを楽しめるんです。だから家に帰って読書して、その人になりきって過ごすのが小さい頃から楽しくて」
「そうだったんだ……」
「寝たら、リセットされて普段の自分になるんですけど、読んだすぐ後はどうもその人格が抜けなくて……」
「なるほど」
「本当にすみませんでした」
「ちなみに、ゴキ……を見たときの黄色い声は……」
「あれは……素です」
あれは素なんだね、うん。
未央はなんだかよくわからないけど亮介があまりに落ち込んでいるので、かわいそうになってきた。
「でもさ、面白いじゃん? 色んな人になりきるのって。きのうだって、口調だけはそのキャラクターでも、中身は郡司くんでしょ?」
「はい……そうですね」
「そのままでいいんじゃない? 無理してなおさなくても。あなたのままで。ただ、自分でコントロールできるようにした方がいいかもね」「未央さん、本当にそう思いますか?」
亮介はうれしそうに、目をきらきらさせる。引かれると思ってたのだろう、きっと。
「うん、いいと思う! きょうも縁側で話そうよ、元に戻る練習もかねて。なんか面白そう」
「いいんですか?」
「うん、話したい。聞かせてよ」
「わかりました。極道系マンガを読んでる途中なので、たぶんそんな感じだと思います」
「いいね!! じゃあ約束ね」
未央はニコニコっと笑った。昼間の王子さまからは想像もできないお悩み。口調は変わるけど中身は郡司くん……つまり王子さまなんだよね。
いや。それってむしろ最強なんじゃないか? 悪役だけど態度は王子さま? 魔王的な? あ、でも少女マンガを読んだらそれっぽくなるのかな? うーん、見たい。見せてほしい……。
もう、あきれたのを通り越してワクワクしかない。
「読書をすると人格がかわる?」
朝ごはんを食べながら、亮介はちいさくうなづいた。
「人が変わると言うのか、その本の主人公や、気に入ったキャラクターになりきってしまうんです。だからなるべく夜読むようにしてるんですが、昨日は極道系のマンガを読んでいて……」
「だから、きのうの夜は、俺さまキャラだったわけね」
「はい……、本当に申し訳ありません」
「自覚はあるの?」
「あります、一人だとそれを楽しめるんです。だから家に帰って読書して、その人になりきって過ごすのが小さい頃から楽しくて」
「そうだったんだ……」
「寝たら、リセットされて普段の自分になるんですけど、読んだすぐ後はどうもその人格が抜けなくて……」
「なるほど」
「本当にすみませんでした」
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あれは素なんだね、うん。
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「でもさ、面白いじゃん? 色んな人になりきるのって。きのうだって、口調だけはそのキャラクターでも、中身は郡司くんでしょ?」
「はい……そうですね」
「そのままでいいんじゃない? 無理してなおさなくても。あなたのままで。ただ、自分でコントロールできるようにした方がいいかもね」「未央さん、本当にそう思いますか?」
亮介はうれしそうに、目をきらきらさせる。引かれると思ってたのだろう、きっと。
「うん、いいと思う! きょうも縁側で話そうよ、元に戻る練習もかねて。なんか面白そう」
「いいんですか?」
「うん、話したい。聞かせてよ」
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「いいね!! じゃあ約束ね」
未央はニコニコっと笑った。昼間の王子さまからは想像もできないお悩み。口調は変わるけど中身は郡司くん……つまり王子さまなんだよね。
いや。それってむしろ最強なんじゃないか? 悪役だけど態度は王子さま? 魔王的な? あ、でも少女マンガを読んだらそれっぽくなるのかな? うーん、見たい。見せてほしい……。
もう、あきれたのを通り越してワクワクしかない。
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