8 / 9
8
しおりを挟む
全てが闇に包まれた、闇の領土。それが龍の領土である。その場所に異彩を放つ大きな城が建っていた。
「領主様、血の匂いのする者を捕まえました。」
すると側にいたシルバーの髪に、白色の瞳を持つ従者カイルが領主の代わりに連れてきた男を抱え上げた。
男は気絶しており、領主の前に男は寝かされる。
「この匂いは紛れもなく、あの匂いだ。やっと見つけた。誰にも渡さない」
領主はそう呟くと従者に直ぐにこの血を持つ者を連れて来るように命令した。
--------------------- - - - - - -
「ハックション!」
《風邪でも引いたのかしら。最近あまり寝れてないからな。》
英子は現在、氷の領土に来ている。3人の領主の話し合いで、同じ所に留まらず三つの領土を行き来することになった。サザンとサウスは強く反対したが、多数決で彼らの反対は却下され英子はここにいる。
《先日、ミントが脱走したと連絡があった。まだ行方不明で何処にいるか分からないらしい。心配だ・・・それよりも、重い。》
英子はベットで寝ているのだが夜な夜なノースがベットに入り込み、キスをねだってくる。その後、安心してそのままベッドで寝てしまうのだ。
身体を捻って移動しようとすると、ノースに強く抱きしめられた。
「何処に行くんだ?長い間触れる事もキスする事も出来なかったのに、側にいると思ったら今度は俺から逃げるのか?」
彼は少し不機嫌になりながら英子を抱きしめると、再度眠りについた。
《私だって夜中に起きたくないわよ。あんたのせいで寝不足なんですけど。それよりなんだろう。この悪い予感のようなものは。背筋が最近ゾゾッとする・・・・》
--------------------- - - - - - -
風が吹き荒れる闇の領土、龍の領土では悲鳴が鳴り響いていた。
「あぅっ、ァァァァああああああ!」
ミントは逆さに吊され拷問を受けていた。
「お前の主人はどこにいる?」
龍の領主はミントに訊ねたが、彼は頑なに口を閉じたままだ。カイルがミントに再度鞭を打つと、彼はやっと口を開いた。
「も、もう此処には、い、いない。し、知らない。」
領主は腕を組み直し、ミントの側までいくと、
「流石、命の聖水だ。忠誠心を揺るがすのは難しいな。カイル、コイツにはもう用はない。全ての領土を攻めればいいだけの話し。」
そう言うと領主はカイルの耳元に顔を寄せ
「今すぐ探しだせ、ただ絶対に傷つけるな。絶対にだ。」
領主はそのまま静かに部屋を出て行った。
「領主様、血の匂いのする者を捕まえました。」
すると側にいたシルバーの髪に、白色の瞳を持つ従者カイルが領主の代わりに連れてきた男を抱え上げた。
男は気絶しており、領主の前に男は寝かされる。
「この匂いは紛れもなく、あの匂いだ。やっと見つけた。誰にも渡さない」
領主はそう呟くと従者に直ぐにこの血を持つ者を連れて来るように命令した。
--------------------- - - - - - -
「ハックション!」
《風邪でも引いたのかしら。最近あまり寝れてないからな。》
英子は現在、氷の領土に来ている。3人の領主の話し合いで、同じ所に留まらず三つの領土を行き来することになった。サザンとサウスは強く反対したが、多数決で彼らの反対は却下され英子はここにいる。
《先日、ミントが脱走したと連絡があった。まだ行方不明で何処にいるか分からないらしい。心配だ・・・それよりも、重い。》
英子はベットで寝ているのだが夜な夜なノースがベットに入り込み、キスをねだってくる。その後、安心してそのままベッドで寝てしまうのだ。
身体を捻って移動しようとすると、ノースに強く抱きしめられた。
「何処に行くんだ?長い間触れる事もキスする事も出来なかったのに、側にいると思ったら今度は俺から逃げるのか?」
彼は少し不機嫌になりながら英子を抱きしめると、再度眠りについた。
《私だって夜中に起きたくないわよ。あんたのせいで寝不足なんですけど。それよりなんだろう。この悪い予感のようなものは。背筋が最近ゾゾッとする・・・・》
--------------------- - - - - - -
風が吹き荒れる闇の領土、龍の領土では悲鳴が鳴り響いていた。
「あぅっ、ァァァァああああああ!」
ミントは逆さに吊され拷問を受けていた。
「お前の主人はどこにいる?」
龍の領主はミントに訊ねたが、彼は頑なに口を閉じたままだ。カイルがミントに再度鞭を打つと、彼はやっと口を開いた。
「も、もう此処には、い、いない。し、知らない。」
領主は腕を組み直し、ミントの側までいくと、
「流石、命の聖水だ。忠誠心を揺るがすのは難しいな。カイル、コイツにはもう用はない。全ての領土を攻めればいいだけの話し。」
そう言うと領主はカイルの耳元に顔を寄せ
「今すぐ探しだせ、ただ絶対に傷つけるな。絶対にだ。」
領主はそのまま静かに部屋を出て行った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる